柏餅
カシワの葉で包んだ餅菓子
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概説
端午の節句に供えられる植物の葉で包んだ食べ物には、柏餅のほかちまきがある[2]。論文には「かしわもち型」と「ちまき型」を区別するため、「あん入りもちの上面・側面・下面の3方を1枚の葉で包む」もの(くるむタイプ)、「あん入りモチの上下面を2枚の葉で包んだ」もの(はさむタイプ)、「一枚の葉の上にのせた」もの(敷くタイプ)を「かしわもち型」とするものがある[2]。
餡の種類は、つぶあん、こしあんがポピュラーである。ただし、みそあんも用いられ、古い慣習では、こしあんの場合は葉の表面のつるつるな方を内側にし、みそあんの場合はつるつるした方を外側にしてくるんだとされる[3]。
柏餅の歴史は江戸時代[4](徳川九代将軍家重から十代将軍家治の頃[3])からとされるが、葉で包まれた餅はそれより古くからあり、端午の節句に柏餅を供える風習が17世紀に江戸の武家社会で始まったとされる[2]。その由来はカシワの旧葉は新葉が展開するまで枝から落ちないことから、家系継続の象徴として縁起をかついだものとされる[2]。これが参勤交代などを通じて日本全国に行き渡ったと考えられている[2]。
ただし、西日本でも葉で包んだ餅は古くから存在しており、端午の節句の風習が取り込まれた後も、地域に定着し、あるいは在来の葉で作られてきた餅とは置き換わらなかったとみられている[2]。特にサルトリイバラの葉は炊く葉(調理中に敷く葉)として利用されることもあり、柏餅の原型はサルトリイバラの餅であるとする説もある[2]。
1930年代ごろまではカシワの葉を用いた柏餅は関東が中心であったが、韓国や中国からカシワの葉が輸入されるようになったこともあり、カシワの葉でくるむ柏餅が全国的に主流となっている[2]。
包んでいる葉は香り付けや包装を目的としたものであるため、食用には不適である[5][注 1]。個人によっては食べる場合も食べない場合も存在するが、一部では、材料費を抑えるためにカシワの葉を象ったビニールシートで餅を包んだものが売られている。
なお、節句餅に使用される利用植物については、カシワやサルトリイバラのほか、地域によって、コナラ、ネザサ類、アラカシ、アベマキ、クヌギ、ササ、ホオノキ、ミズナラ、ナラガシワ、マテバシイなども用いられる[2]。


