法定通貨
強制通用力を有する通貨
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日本の法定通貨
現在の日本では、日本銀行が発行する日本銀行券、および造幣局が製造し政府が発行する貨幣(硬貨)のみが法定通貨である。日本銀行券は日本銀行法の定めにより、無制限の強制通用力が認められているが[1]、補助貨幣的な性格を有する硬貨の強制通用力は、「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律」により、額面価格の 20 倍まで(一回の使用につき同一金種で20枚まで)に限るものと規定される[2]。
現在発行が停止されほとんど流通していない日本銀行券や硬貨(記念貨幣を含む)も、特に無効とされたもの[注 1]を除き、法的効力は現在一般に流通しているものと全く等しい。
強制通用力を有する通貨、すなわち有効な法定通貨(日本銀行券・貨幣(硬貨))による支払は最終的なものであり、受取人は受け取りを拒否することができず、これにより決済は完了する(支払完了性)[3]。仮に決済時において受取人が有効な法定通貨を受取拒否した場合は民法上の受領遅滞となり、その時点で支払は完了したものとみなされ支払人(債務者)を債務不履行に問うことができなくなるなど、受取人(債権者)に対して不利な効果を生ずることになる[4][5]。
給与の支払いや税金の納付は法令により、原則として通貨で行う必要がある[6]。
日本の法定通貨の一覧
2024年7月時点で通用力を有する(有効な)日本銀行券および貨幣(硬貨)の一覧を額面ごとに列挙する[7]。ただし、制定されても発行に至らなかった未発行のものや、発行予定のもの、および記念貨幣は含めない。なお、枚数制限および強制通用力に関しては前述のとおり。
一万円
五千円
二千円
| 通称 | 備考 | ||
|---|---|---|---|
| D号券
(守礼門2000円) |
発行中(製造終了) |
千円
五百円
| 通称 | 備考 | ||
|---|---|---|---|
| B号券
(旧岩倉500円) |
※1 | ||
| C号券
(新岩倉500円) |
※1 | ||
| 五百円白銅貨 | |||
| 五百円ニッケル黄銅貨 | |||
| 五百円バイカラー・クラッド貨 | 発行中 |
百円
五十円
| 通称 | 備考 | ||
|---|---|---|---|
| B号券
(高橋50円) |
※1、※2 | ||
| 五十円無孔ニッケル貨 | ※1 | ||
| 五十円有孔ニッケル貨
(ギザ無し) |
※1 | ||
| 五十円白銅貨 | 発行中(新規製造はミントセット用のみ) |
十円
五円
一円
以上の表に掲げた紙幣の画像には赤色の「Specimen」の表示が書かれているものがあるが、これは実物には無い。
コンビニエンスストアやスーパーマーケットで自動釣銭機が置かれている場合、現在有効な法定通貨のうち、その機器に対応していないもの(現在発行されていないもの、および記念硬貨。機種によっては現在発行中のD二千円券も非対応。五百円ニッケル黄銅貨・ギザ十・フデ五は使用可能であることが多い)が支払いに使われた場合は、店員が現行の硬貨・紙幣に交換した上で自動釣銭機に投入したり、あるいはデータ的にその金額を入金したことにするなどの処理がなされる。
以上挙げた紙幣・硬貨のうち備考欄で「※1」を付けたもの、および記念硬貨は、自動販売機や鉄道駅の券売機、ATM、自動釣銭機等の各種機器で受け付けられないほか、市中の対面取引で行使しようとする場合も見慣れぬ紙幣・硬貨で真贋が判断できないとして受け取りを拒否されることがある。銀行の窓口に持ち込むと口座への預け入れや現行の紙幣・硬貨への交換ができるが、場合によっては日本銀行での鑑定に回され日数を要する場合がある他、銀行によっては、「旧券・旧貨・記念貨取扱手数料」等の名称で取り扱い手数料が要求されることがある。また「※2」を付けた紙幣については、日銀の勘定店における受入時の現金の整理において、「B百円券を除く額面価格100円以下の銀行券」として、無条件で引換依頼の対象とされている。
2024年7月3日にF号券の発行が開始されたが、その後もF号券が十分な量出回るまでは回収したE号券のうち再使用に耐えうるものは再度市中に供給されるようにしていた。2025年(令和7年)9月までに、日本銀行はF号券が十分な量出回ったと判断したため、E号券は日本銀行からの支払いを基本的に終了し、今後は当面の間、災害時など緊急で紙幣が必要になる場合に備えて発行できるようにする[8]。