滑剤
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日本語と英語の差異
錠剤・錠菓
錠剤や錠菓を機械で打錠して製造する際に、原料となる粉末の流動性を高め、原料の製造装置への付着を防ぐと同時に、表面に光沢を与える目的で、ショ糖脂肪酸エステルやグリセリン脂肪酸エステルが使われる場合が有る[注釈 1]。その他の滑沢剤としては、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルクなどが、錠剤や食品用に用いられ得る[3]。錠剤などは経口摂取されるため、合成樹脂など非食品用に用いられる物に比べて、生物に対する毒性の低さが求められる。また、医薬品の製剤の場合には、薬物のバイオアベイラビリティが変動すると効き方が変わる場合が有るために、問題を引き起こし得るわけだが、滑沢剤を過度に添加すると、消化管内において薬物が滑沢剤の表面に付着した状態を招く恐れが有る[4]。そうなれば薬物の消化液中への溶出を遅延させる可能性が指摘されている[4][注釈 2]。
製パン
合成樹脂の製造
化学構造による滑剤の分類
- 炭化水素系
- 流動パラフィン、パラフィンワックス、合成ポリエチレンワックスなどが挙げられる。これらは代表的な外部滑剤である。炭化水素系の滑剤は、滑性効果こそ高いものの、ポリ塩化ビニルとの相性は良くない。
- 脂肪酸系
- 比較的安価かつ低毒性で、ステアリン酸などが、錠剤の打錠時などに最適な濃度で添加される。内部滑性を持つ。
- 高級アルコール系
- 比較的安価かつ低毒性で、ステアリルアルコールなどが用いられる。外部滑性を持つ。
- 脂肪族アミド系
- 分子内に脂肪酸とのアミド結合を有した化学構造をしている。これらは大きく、2つのグループに大別できる。1つ目は、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミドなどの脂肪酸アミドである。これらはポリエチレンやポリプロピレンに使われるのに対して、熱安定性を低下させるためポリ塩化ビニルに使われる事例は稀である。もう1つは、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミドのアルキレン脂肪酸アミドである。これらはポリ塩化ビニルやポリスチレン、ABS樹脂に使われる。
- 金属石鹸系
- 金属石鹸のうち、主にステアリン酸金属塩が用いられる。ポリ塩化ビニル用安定剤であるが、滑性作用も持つ。ステアリン酸鉛・ステアリン酸亜鉛は外部滑性を持つ。ステアリン酸カルシウム・ステアリン酸マグネシウムは内部滑性を持つ。なお、ステアリン酸鉛などは毒性が高いため食品などには用いられない一方で、ステアリン酸カルシウムなどは毒性が低いため食品などにも用いられる。
- エステル系
- アルコールの脂肪酸エステルの、ステアリン酸モノグリセリドやステアリルステアレート、硬化油などが使われる。内部滑性と外部滑性を併せ持つ物も有る。
- 鉱物系
- タルクや軽質無水ケイ酸などの粉末である。錠剤の打錠の際に、最適な濃度で添加される場合が有る。これらは内部滑性を持つ。