滑石
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滑石(鉱物)
滑石は、水酸化マグネシウムとケイ酸塩からなる鉱物で、粘土鉱物の一種である。
組成式はである。蛇紋石()が熱水変質、あるいは苦灰石()が接触変成してできる。
- 2 Mg
3Si
2O
5(OH)
4 + 3 CO
2 → Mg
3Si
4O
10(OH)
2 + 3 MgCO
3 + 3 H
2O - 3 CaMg(CO
3)
2 + 4 SiO
2 + H
2O → Mg
3Si
4O
10(OH)
2 + 3 CaCO
3 + 3 CO
2
性質
白色鉱物の一種で、粉末は滑沢性をもつ[1]。滑石はモース硬度1の基準となる標準物質で、ろう石よりも軟らかく粉砕しやすい[1][2]。
用途

製紙用の填料、プラスチック用あるいはゴム用の充填剤、陶磁器原料、化粧品用の顔料、医薬品(錠剤)用潤沢剤、農薬用担体、塗料用の顔料や増量剤に用いられる[1][2]。
- 食品添加剤としては、既存添加剤、製造用剤に分類される[3][4]。欧州連合(EU)内の食品添加物分類番号であるE番号では「553b」が割り当てられている[5]。
- ベビーパウダーの主原料である[2]。ベビーパウダーをタルカムパウダーと呼ぶ事があるのは、滑石の英語名talcumに由来する。
- 印材としても用いられ、印材用には中国の山東省平度県産のものなどが販売されている[2]。
- ろう石と同じく石筆として工事用のマーキングなどにも用いられる(石筆にはタルク成分を不純物として含むものもある)[6]。日本では明治時代に学校教育が始まると石板(粘板岩の板)とともに石筆(ろう石や滑石を鉛筆状に削ったもの)が広く使われるようになり、特に東日本では「石筆」として滑石が駄菓子屋などでも販売された[2]。
- 社会科や図画工作などで勾玉づくりの教材にも利用されている[7]。
- 利尿作用、消炎作用があるとされ、中国では硬滑石の名で用いられる。一方、猪苓湯(ちょれいとう)、防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)などの漢方薬に配合されるのは、ハロイサイト、カオリンなどからなる軟滑石である。第十六改正日本薬局方には「カッセキ」の項に「本品は鉱物学上の滑石とは異なる」と記載されている。
- 悪性胸水患者に対する胸膜癒着術に用いられる。日本における製品名は「ユニタルク」(製造販売:ノーベルファーマ)。
安全性
滑石(タルク)自体はアスベスト(石綿)とは異なるものだが、産地によってはこれらの有害な物質が含まれている場合があることが知られている[1][6]。品質により含有量は大きく変わるが、不純物としてアスベストを含有することで中皮腫を誘発することがある[8]。
