火火
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概要
あらすじ
信楽焼の陶芸家を夫に持つ神山清子は、地元で“女は焼き物を焼く窯に入れない”という不文律があったが、夫の反対を押し切り自らも作品作りをしていた。ところがある晩、清子の夫が作品作りを手伝う女性と蒸発してしまい、清子は未熟な陶芸作りで小学生の2人の子供を育てることに。貧しい生活に不満を言いだした長男・賢一と長女に、清子は宝物である自然釉の古い信楽焼きの欠片を見せて、「自然釉の信楽焼きを復活させるのが私の使命」と言い聞かせる。しばらく経ったある日、清子はようやく納得の行く自然釉の作品を完成させて個展を開き、周りから一人前の陶芸家として認められる。
その後も生活に余裕のない状態が続くが数年後、2人の子供も何とか高校を卒業し長女は短大入学を機に一人暮らしを始め、賢一は窯業の学校に自宅から通い始める。賢一はそこで同世代の女性・長坂みどりと知り合い交際を始め、後日清子の仕事を勉強しにきた彼女と3人で作品作りに励む。賢一は自身の作品を清子に見てもらうが、「まだ見栄を気にしている。“自分”を捨てないと良い作品はできない」と厳しい批判を受ける。
しかしその直後賢一が突然その場に倒れてしまい、病院で診察を受けると医師から慢性骨髄性白血病にかかっていることが清子に告げられる。清子は入院することになった賢一に病気を告知して骨髄移植のドナー(提供者)を探すことを決めるが、みどりに負担をかけられないと話し合いで関係にピリオドを打つ。清子は、親族や仕事の関係者に白血球の型 (HLA) 適合検査を受けてもらうよう頭を下げて周るが、適合者は見つからない。仲間の提案により、もっと多くの人に協力してもらうために“賢一を救う会”を立ち上げ、清子たちは駅前などで検査への協力を訴えかける。
数ヶ月後、状態が安定した賢一は主治医から自宅療養を許可され、帰宅すると清子に天目茶碗を作ると言い出し作品作りに取り掛かる。清子は“賢一を救う会”の仲間と活動を続け、賢一は陶芸に真摯に向き合い天目茶碗を完成させて後日親子で展示会を開く。しかし数日後に体調を崩した賢一は、名古屋の病院に転院し主治医からの勧めで、HLAの適合条件がほぼ適合する叔母との骨髄移植手術に踏み切る。そののち清子たちの活動が実を結んで骨髄バンクが発足され、病室で誕生日を迎えた賢一は母や同室の入院患者たちから祝福を受ける。
キャスト
- 神山清子(こうやまきよこ)
- 演 - 田中裕子
- 女性陶芸家。自然釉(しぜんゆう[注 1])の焼き物に魅せられ、主に信楽自然釉の作品を作っている。少々のことにはへこたれない芯の強い性格で喜怒哀楽の感情が豊かだが、焼き物作りに関しては厳しい目を持つ。冒頭で大黒柱だった夫・学が出ていき貧しい生活になったため、それ以来節約家となる。作中で島原の子守唄を歌うシーンがある。
- 神山賢一
- 演 - 窪塚俊介
- 清子の長男。のんびりした性格で打たれ弱く、どちらかと言うと口下手であまり自己主張をせず派手なことは苦手。高校卒業後は、窯業試験場(焼き物に携わる人が技術を学ぶ場所)に通う。バイクや車が好きだが、家に無駄な金がないのが分かっているため、みどりのバイクを触らせてもらったり車のカタログを見て我慢している。試験場に通い出してしばらく経ったある日、慢性骨髄性白血病にかかっていることが判明する。
賢一の家族
清子と賢一に関わる主な人たち
- 石井利兵衛
- 演 - 岸部一徳
- 信楽焼の陶芸家。窯元連合会の役員の一人。男社会である地元の窯元たちの中で唯一清子の味方となる存在。過去に「自分の作品を作りたい」と言い出した清子に自身の窯を貸したことで、彼女から“先生”と尊敬されている。
- 長坂みどり
- 演 - 池脇千鶴
- 窯業試験場に通う、賢一と同年代の女性。移動する時は中型ぐらいのバイクを使用している。ほどなくして賢一と恋人となる。賢一をリードしており、快活な性格で時に大胆な行動も取る。賢一によると「みどりとうちのお母はん、きつそうな所が似ている」と評されている。
- 牛尼瑞香(うしあまみずか)
- 演 - 黒沢あすか
- 東京都在住の元OL。20代後半ぐらいの女性。清子の弟子になるためにOLを辞めて信楽までやって来る。度胸のある性格で思い立ったらすぐ行動するタイプ。清子の弟子となった後は、清子と賢一を“先生”と呼び、窯に薪をくべて温度管理をしたり、清子の作品作りを手伝う。また、大病を患う賢一の見舞いに病院に訪れたり気遣いを見せる。
- 倉垣幸子(さちこ)
- 演 - 石田えり
- 清子の妹。飲食店で働いている。清子に似てパワフルな性格だが、姉より陽気で人当たりがいい。子供の頃は清子と共に九州に住んでいた。作中の医者によると彼女のHLAについて「賢一のHLAとは、6つある適合条件のうち5つが条件を満たしている」とのこと。
病院関係者
ドナー登録の普及活動に関わる人たち
- 町長
- 演 - 大林丈史
- 清子たちが暮らす信楽町の町長。清子に頭を下げて頼まれて、町長という知名度を活かして賢一のHLA検査協力を地元で呼びかける。
- 井原正巳
- 演 - 井原正巳(特別出演)
- 本人役。サッカー日本代表。骨髄バンク発足を受けて、作中のテレビ番組に出演し喜びを語る。作中の役の上では牧田から「ドナー登録運動に早くから参加している」と紹介されているが、実際の井原本人も本作公開後にドナー登録している[4]。
- 街頭でドナー登録を呼びかける女性
- 演 - 東ちづる(特別出演)
- 本人役かは不明だが、“賢一を救う会”のメンバーと共に街頭に立ち、マイク越しに骨髄検査への協力と検査費援助の募金を訴えかける。ちなみに実際の東本人はドナー登録をして長年に渡り骨髄バンクの普及活動に携わっている[5][6]。