珠海市

中国広東省の地級市 From Wikipedia, the free encyclopedia

珠海市(チューハイし / しゅかいし、中国語: 珠海市拼音: Zhūhǎi粤拼: Zyu1 hoi2英語: Zhuhai)は、中華人民共和国広東省南部、珠江口西岸に位置する地級市である。マカオ特別行政区に隣接し、1980年経済特区に指定された。港珠澳大橋の開通後は、中国本土で香港特別行政区とマカオの双方に陸路で接続する唯一の都市となった。2024年末の常住人口は251.85万人、2024年の地区生産総値(GDP)は4,479.06億元である。[1][2][3][4]

簡体字珠海
総面積1,725.07 km²
総人口(2024年末)251.85 万人
概要 中華人民共和国 広東省 珠海市, 簡体字 ...
中華人民共和国 広東省 珠海市
珠海市中心部のスカイライン
珠海市中心部のスカイライン
珠海市中心部のスカイライン
広東省中の珠海市の位置
広東省中の珠海市の位置
広東省中の珠海市の位置
中心座標 北緯22度16分37秒 東経113度34分4秒
簡体字 珠海
繁体字 珠海
拼音 Zhūhǎi
カタカナ転写 チューハイ
粤拼 Zyu1 hoi2
国家 中華人民共和国の旗 中華人民共和国
広東
行政級別 地級市
地級市設置 1979年3月5日
経済特区設置 1980年8月26日
市委書記 陈勇
市長 吴泽桐
面積
総面積 1,725.07 km²
人口
総人口(2024年末) 251.85 万人
人口密度 1460 人/km²
経済
GDP(2024) 4,479.06億元
一人あたりGDP 178,700元
電話番号 0756
郵便番号 519000
ナンバープレート 粤C
行政区画代碼 440400
市花 ブーゲンビリア
公式ウェブサイト www.zhuhai.gov.cn
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地図

地理

珠海市は広東省中南部、珠江口と南シナ海の接点に位置する。北は中山市に接し、南はマカオと接続する。東では香港と海上を隔てて向かい合い、港珠澳大橋によって珠海・香港・マカオが結ばれている。市域の陸地面積は1,725.07平方キロメートルである。[1]

海洋都市としての性格が極めて強く、海域面積は約9,348平方キロメートル、大陸海岸線は227.26キロメートル、島嶼は262島に及ぶ。うち10島が有人島である。[5]

行政区画は香洲区斗門区金湾区の3市轄区からなる。このほか、横琴島の大部分には、横琴粤澳深度合作区が設けられている。合作区の実施範囲は横琴島の「一線」と「二線」の間の海関監管区域で、総面積は約106平方キロメートルである。[6]

珠海は口岸都市としても重要であり、拱北・横琴・青茂・港珠澳大橋珠海公路・珠澳跨境工業区の5陸路口岸と、九洲港・湾仔・珠海港・斗門港・万山港の5水路口岸を持つ。[5]

気候

気候は亜熱帯海洋性季節風気候に属し、温暖で湿潤である。珠海市の気候平年値(1991年 - 2020年)は中国気象局公表値による。[7]

さらに見る 珠海 (1991–2020)の気候, 月 ...
珠海 (1991–2020)の気候
1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
最高気温記録 °C°F 27.8
(82)
28.8
(83.8)
30.5
(86.9)
33.2
(91.8)
35.3
(95.5)
36.8
(98.2)
38.7
(101.7)
37.3
(99.1)
36.3
(97.3)
34.8
(94.6)
32.9
(91.2)
29.1
(84.4)
38.7
(101.7)
平均最高気温 °C°F 18.7
(65.7)
19.5
(67.1)
22.0
(71.6)
25.7
(78.3)
29.2
(84.6)
31.2
(88.2)
32.1
(89.8)
31.9
(89.4)
30.9
(87.6)
28.5
(83.3)
24.7
(76.5)
20.4
(68.7)
26.23
(79.23)
日平均気温 °C°F 15.3
(59.5)
16.3
(61.3)
18.9
(66)
22.6
(72.7)
26.1
(79)
28.1
(82.6)
28.8
(83.8)
28.5
(83.3)
27.7
(81.9)
25.4
(77.7)
21.5
(70.7)
17.1
(62.8)
23.03
(73.44)
平均最低気温 °C°F 12.9
(55.2)
14.2
(57.6)
16.9
(62.4)
20.6
(69.1)
24.0
(75.2)
25.8
(78.4)
26.3
(79.3)
26.1
(79)
25.3
(77.5)
23.0
(73.4)
19.0
(66.2)
14.5
(58.1)
20.72
(69.28)
最低気温記録 °C°F 1.6
(34.9)
3.0
(37.4)
2.7
(36.9)
9.4
(48.9)
14.8
(58.6)
18.6
(65.5)
20.9
(69.6)
20.9
(69.6)
17.4
(63.3)
10.5
(50.9)
5.2
(41.4)
2.2
(36)
1.6
(34.9)
降水量 mm (inch) 36.9
(1.453)
42.9
(1.689)
75.2
(2.961)
175.5
(6.909)
306.3
(12.059)
416.5
(16.398)
317.4
(12.496)
349.2
(13.748)
233.0
(9.173)
70.4
(2.772)
41.9
(1.65)
32.5
(1.28)
2,097.7
(82.588)
% 湿度 73 80 84 86 85 85 83 83 79 72 72 68 79.2
出典:China Meteorological Administration[7]
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歴史

古代から近世まで

珠海地域では、鳳凰山脈周辺や珠江口の島嶼部で新石器時代の遺跡が確認されており、遅くとも4千年から5千年前には人類活動が存在していた。[8]

先秦期には百越の居住地であった。秦が嶺南へ進出した後、当地は南海郡の一部に組み込まれた。前漢武帝が南越国を滅ぼした前111年以後は南海郡番禺県の一部となり、南朝期には東官郡宝安県、唐代には東莞県の管轄下に置かれた。[9]

757年、唐の至徳2年に宝安県が東莞県へ改称されると、香山島には文順郷・香山鎮が置かれた。さらに1082年、北宋の元豊5年には香山寨が設けられた。これは塩務と海防を担う軍事・行政拠点であった。[9]

1152年、南宋の紹興22年、東莞県の香山寨を分離し、南海・新会・番禺・東莞4県の一部沿海地域を合わせて香山県が設置された。以後、この地域は長く香山県の管轄下に置かれ、現在の珠海・中山・マカオ一帯の歴史的母体となった。[8][10]

近代

1919年から1923年にかけて、香山県政府は一時的に唐家に置かれた。これは現在の珠海域内が近代香山地域の政治中枢となった時期の一つである。[8]

1925年4月15日孫文を記念して香山県は中山県に改称された。珠海地域は以後も中山県の一部であり続けたが、海浜部・島嶼部として独自の行政需要を持ち、のちの分県・建市へつながった。[8]

珠海県から珠海市へ

中華人民共和国成立後の1953年4月7日、珠海県が正式に成立した。ところが、行政再編により1959年3月22日には珠海県はいったん中山県へ編入された。さらに1961年4月17日、珠海県建制が復活し、県政府駐地は香洲に置かれた。これにより、現在の珠海市中心部が行政の中心として定着した。[8]

1979年3月5日、国務院は珠海県の撤県建市を批准し、珠海市が成立した。建市当初の珠海は、空港・港湾・鉄道などの基盤がきわめて弱い辺境の海浜都市であったが、まさにその「白地」に近い条件が、大胆な制度実験を行う場としての性格を強めた。[11][12]

1980年8月26日、第五届全国人民代表大会常務委員会第15回会議で広東省経済特区条例が承認され、珠海は深圳市汕頭市廈門市と並ぶ初期4経済特区の一つとなった。[13][14]

その後、珠海は外資導入、輸出加工、観光開発、珠澳連携を柱として発展した。1984年には香洲区が県級行政区として設置され、2001年には斗門県が廃止されて斗門区金湾区が設置され、現在の3区体制が成立した。[15][16]

横琴開発と粤港澳大湾区の時代

2009年8月14日、国務院は「横琴总体发展规划」を批復し、横琴は粤港澳の新たな協力モデルを探る地域として位置づけられた。同年12月16日には横琴新区が正式に発足した。[17]

2010年、国務院は珠海経済特区の範囲を全市に拡大し、同年10月1日から正式に施行された。これにより珠海は、局地的な特区から、市全体を対象とする特区へと制度的に拡張された。[18]

2018年10月23日には港珠澳大橋が正式開通し、珠海は香港・マカオ・珠江西岸を結ぶ広域交通結節点となった。[4]

2021年9月5日、中共中央・国務院は「横琴粤澳深度合作区建设总体方案」を公表した。合作区は、マカオ経済の適度な多元化を促進し、「一国両制」の新たな実践空間を形成する地域として位置づけられた。[19][6]

2024年11月11日には、香洲区の珠海市体育中心で自動車が群衆に突入する重大事件が発生し、35人が死亡、43人が負傷した。[20]

行政

市人民政府所在地は香洲区である。2025年6月時点の市委書記は陈勇、市長は吴泽桐である。[3]

珠海市は以下の3市轄区を管轄する。

このほか、横琴島の大部分には横琴粤澳深度合作区が置かれ、珠海とマカオの協調を制度化した特殊な管理体制が導入されている。[6]

年表

人口

2024年末の常住人口は251.85万人で、前年末より2.44万人増加した。都市化率は90.91%である。[2]

同年の全市居民一人当たり可処分所得は67,315元で、うち都市常住居民は70,052元、農村常住居民は40,077元であった。[2]

経済

2024年の地区生産総値(GDP)は4,479.06億元で、前年比3.5%増であった。産業別では第一次産業73.61億元、第二次産業1,904.93億元、第三次産業2,500.52億元で、構成比は1.64 : 42.53 : 55.83である。一人当たりGDPは17.87万元となった。[2]

同年の外貿進出口総額は3,242.11億元で、前年比9.4%増であった。新規登記経営主体は5.32万戸、年末の経営主体総数は45.99万戸である。[2]

工業面では、2024年の規模以上工業増加値は前年比9.0%増となり、「4+3」産業増加値は10.7%増であった。高技術製造業増加値は15.0%増、装備製造業増加値は12.1%増で、珠海経済の中心が高度製造業へ移っていることを示している。[30]

珠海は、格力電器、珠海冠宇、麗珠医薬などの企業を擁し、家電、電子情報、集成回路、精細化工、生物医薬、低空経済、海洋経済を主要分野とする。横琴では現代金融、文旅会展商貿、中医薬等マカオブランド工業、科学技術研究開発・高端製造など、マカオとの連携を前提とした産業育成が進められている。[6][31]

観光面では、2024年の入境観光客数は533.69万人、旅游総収入は642.66億元であった。[2]

観光

珠海は海浜景観とリゾート施設で知られる。代表的な観光地には、香炉湾の珠海漁女、野狸島の珠海大劇院、横琴の珠海長隆海洋王国、情侶路、円明新園、外伶仃島などがある。[32]

教育

珠海は広東省でも高等教育機関が多い都市の一つである。2024年時点で市内には10の高等教育機関があり、在校大学生数は14万人を超える。中山大学珠海校区、北京師範大学珠海校区、北京理工大学珠海校区、曁南大学珠海校区、北京師範大学・香港浸会大学連合国際学院(UIC)などが立地する。[33]

2024年9月時点で、珠海市内の各級各類普通学校(幼稚園を含む)は725校であった。[2]

交通

航空

珠海金湾空港の2024年旅客取扱数は1,297.1万人であった。[34]

鉄道

珠機都市間鉄道は、一期が2020年に珠海駅 - 珠海長隆駅間で開通し、二期が2024年2月3日に珠海長隆駅 - 珠海空港駅間で開通した。これにより珠海中心部から横琴・空港方面への鉄道連絡が完成した。[26]

2025年1月5日からは列車本数が38対から43対へ増発され、最短10分間隔・最速35分で珠海駅と珠海空港駅を結ぶ運行体系となった。[35]

珠海有軌電車

珠海有軌電車1号線首期区間は実験的導入路線として建設されたが、長期運休ののち、2024年5月7日付の珠海市政府通告により正式終止が決定された。[27]

マカオLRTとの接続

横琴駅・横琴口岸を介して、マカオLRT横琴線と接続する。横琴線は2024年12月2日に開業し、マカオと中国本土の軌道交通接続が実現した。[29]

道路

港湾

  • 九洲港
  • 珠海港
  • 斗門港
  • 万山港
  • 湾仔輪渡埠頭

珠海港の2024年貨物取扱量は1.26億トンであった。[36]

国境

珠海は香港・マカオと結ぶ越境交通の要衝であり、口岸機能は都市の対外経済と日常生活の双方を支えている。[5]

姉妹都市

珠海市は2024年11月時点で、世界16都市と友好都市関係、27都市と友好交流関係を結んでいる。日本では熱海市2004年に国際友好都市提携を締結した。[37][38]

脚注

外部リンク

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