球速

球技における投げられる球の速さ From Wikipedia, the free encyclopedia

球速(きゅうそく)はの速さを意味する。野球ソフトボールテニスボウリング等の投球に対して使う用語である。

野球

プロ(男子)の投手投げるボールの初速は、直球で130 km/hから165 km/h程度である。変化球スライダーシュートが120 km/hから140 km/h程度、カーブチェンジアップは90 km/hから120 km/h程度と遅い。

女子の場合は直球で105 km/hから120 km/h後半で、日本最速記録は山田優理の持つ129 km/hである[1]

球速は速いほどボールを目で追うことが難しくなり、打者までボールが到達する時間が短くもなるので、正確にバットで捉えることが難しくなる。特に速い球は快速球剛速球と呼ばれるが、厳密な定義は無く、140 km/h後半や150 km/h台の速球がそう呼ばれる[2][3]。これらを投げる投手は球の速さを武器とする場合が多い。逆に130 km/h程度の速球は遅いとされ[4]、速い球を投げられない投手はコントロールや変化球を武器に投球することが多い。今浪隆博は「なんでプロに入ると球速が落ちるピッチャーが多いんですか?」という質問に対して「変化球や制球を磨く過程で速球を投げる感覚を忘れる」という趣旨の回答をしている[5]

単に「球速」という場合は投球速度のことを指し、打球の速さは打球速度と呼ぶ[6]

記録

日本プロ野球

  • 160 km/h以上を記録したケースを記載。
  • 複数回160 km/h以上を記録している場合は、最高球速のみを記載。最高球速を複数回記録している場合は、初めて記録した日を記載。
  • 一軍公式戦およびポストシーズンにおける記録のみ記載[注 1]
さらに見る 選手名, 所属 ...
選手名所属表示数値
(km/h)
記録日球場利き腕起用出典
チアゴ・ビエイラ巨人1662021年8月13日東京ドーム救援[8]
大谷翔平日本ハム1652016年10月16日札幌ドーム救援[9][注 2]
ロベルト・コルニエル広島2021年6月20日東京ドーム救援[12]
佐々木朗希ロッテ2023年4月28日京セラドーム大阪先発[13][注 3]
千賀滉大ソフトバンク 1642022年5月13日札幌ドーム先発[16]
ロベルト・スアレス阪神1632021年6月8日札幌ドーム救援[17]
エドウィン・エスコバーDeNA2021年6月13日札幌ドーム救援[18][注 4]
タイロン・ゲレーロロッテ2022年7月9日ほっともっとフィールド神戸救援[19]
マーク・クルーン巨人1622008年6月1日福岡 Yahoo! JAPANドーム救援[20]
アルキメデス・カミネロ巨人2018年6月14日福岡 ヤフオク!ドーム救援[21]
リード・ギャレット西武2020年8月8日札幌ドーム救援[22]
藤浪晋太郎阪神2020年10月19日阪神甲子園球場救援[23][注 5]
アンドレス・マチャドオリックス2024年3月30日京セラドーム大阪救援[25]
アニュラス・ザバラ日本ハム2024年6月14日エスコンフィールドHOKKAIDO救援[26]
由規ヤクルト1612010年8月26日明治神宮野球場先発[20]
ラファエル・ドリス阪神2017年8月29日阪神甲子園球場救援[27]
国吉佑樹DeNA2019年4月6日横浜スタジアム救援[28]
ルビー・デラロサ巨人2019年9月10日横浜スタジアム救援[29]
ライデル・マルティネス中日2020年10月2日横浜スタジアム救援[30]
ジャリエル・ロドリゲス中日2022年9月4日明治神宮野球場救援[31]
山下舜平大オリックス2024年8月28日長崎ビッグNスタジアム先発[32]
齋藤友貴哉日本ハム2025年9月13日エスコンフィールドHOKKAIDO救援[33]
林昌勇ヤクルト1602009年5月15日明治神宮野球場救援[20]
スコット・マシソン巨人2012年7月5日横浜スタジアム救援[20]
平良海馬西武2020年7月19日楽天生命パーク宮城救援[34]
杉山一樹ソフトバンク2021年5月11日福岡PayPayドーム救援[35]
ドリュー・バーヘイゲン日本ハム2021年6月13日札幌ドーム先発[36]
アルバート・スアレスヤクルト2021年9月3日東京ドーム先発[37]
甲斐野央ソフトバンク2022年6月17日福岡PayPayドーム救援[38]
山﨑颯一郎オリックス2022年10月15日京セラドーム大阪救援[39][注 6]
カーター・スチュワートソフトバンク2023年6月18日阪神甲子園球場先発[41]
ハビー・ゲラ阪神2024年4月3日京セラドーム大阪救援[42]
大勢巨人2024年4月4日バンテリンドーム ナゴヤ救援[43]
ジェフリー・ヤン西武2024年9月4日ほっともっとフィールド神戸救援[44]
ローワン・ウィックDeNA2025年5月6日バンテリンドーム ナゴヤ救援[45]
勝野昌慶中日2025年5月6日バンテリンドーム ナゴヤ救援[46]
今井達也西武2025年5月24日ZOZOマリンスタジアム先発[47]
羽田慎之介西武2025年7月14日東京ドーム救援[48]
岩嵜翔オリックス2025年8月7日楽天モバイルパーク宮城救援[49]
閉じる

メジャーリーグ

アメリカでは古くは第一次世界大戦以前の1912年から散発的に軍事研究所や銃火器メーカーのクロノグラフを用いた砲口初速測定装置や、ハイスピードカメラ等を用いた球速の測定が行われており、1975年以降はドップラー・レーダーを用いたスピードガンによる計測が一般化した[50]

その様な背景の中、アメリカでは「100 mph(160.934 km/h)」に達することが、特に球速が速い投手を示す指標となっており、公式計測で100 mphを記録した投手はしばしば「100 mph クラブ」に仲間入りしたと報じられる[51]

2021年現在、メジャーリーグの公式戦で最も速い球を投げた投手はアロルディス・チャップマンであり、2010年9月24日に105.1 mph(169.1 km/h)を記録している[52]。 チャップマンは2011年4月18日に106 mph(約170.6 km/h)を記録したが、球場のみの表示でテレビ中継などではもっと遅い球速が表示されており公式記録としては認められていない。

ドップラー・レーダーが初めてメジャーリーグの球速測定に用いられたのは1974年8月20日のことであり、ロックウェル・インターナショナルが開発した大掛かりなレーザードップラー・レーダー装置(ドップラー・ライダー)によってノーラン・ライアンの直球が100.9 mph(162.383 km/h)と記録され、史上初めて100 mphを超える球速が公式に認定された。以来、2010年にチャップマンがギネス世界記録を樹立した時点で、51人が「100 mph クラブ」入りを果たしている[51]

なお、1975年以前の様々な速度試験による記録は、現在のスピードガンやPITCHf/xを用いた測定とは計測基準が異なっていることから、より公平な指標として「50フィート平均値(fifty foot equivalent、FFE)」と呼ばれる数値に置き換えられて1975年以降の記録との比較が行われる。FFE換算値ではボブ・フェラー1946年蛍光管クロノグラフ)、ボブ・ターリー1954年オシログラフ)、スティーヴ・ダルコウスキー1958年光電管クロノグラフ)、ジョー・ブラック1953年、オシログラフ)、テリー・フォースター英語版1974年ドップラー・ライダー)、スティーブ・バーバー英語版1960年、ハイスピードカメラ)らが、計測時点で現在の測定法での100 mphを超えていたと推定されており、この基準においては2014年現在、前述のライアンの1974年8月20日の記録が史上最速(FFE換算で108.1 mph ≒ 173.97 km/h)とされており、他にチャップマンの2010年の公式記録を上回るのは、1946年のフェラーの記録(FFE換算で107.6 mph ≒ 173.17 km/h)であるとされている[53]

2015年よりスタットキャストが導入されたことにより外野手送球速度も計測されており、カルロス・ゴメスケビン・キアマイアーラモン・ラウレアーノコディ・ベリンジャーらの球速は100 mph(約160.9 km/h)を超え、右翼手中堅手では160 km/hに迫る強肩の選手は多い[54][55]

ソフトボール

男子で120 km/h、女子で100 km/h前後が一流選手の一般的な球速である。ボールの大きさや投法の影響で野球ほどの球速は出ない。野球とはマウンドからホームベースまでの距離が異なるため(野球の18.44 mに対し、ソフトボールは13.11 m)、到達時間で考えると、ソフトボールの114 km/hで野球の160 km/hに相当する。オリンピックに出場した日本の上野由岐子が119 km/hのボールを投げ、野球で言うと167 km/h相当の球だとして話題になった[56]。また、男子では130 km/h以上のボールを投げる選手もいる[57]

テニス

テニスの大きな大会では、サーブの速度が会場の電光掲示板に表示される[58]

グレグ・ルーゼドスキーが1999年に239.7km/h[58]を記録しているほか、松岡修造が216km/h[59]を記録している。

2022年全豪オープンでは220km/h以上が6人で、210km/h以上の選手は多数いた[60]

その他

ボウリングで55km/h、ハンドボールで100km/h以上、サッカーで132km/h、ゴルフで328km/h、バドミントンで493km/hという調査がある[61]

脚注

参考文献

Related Articles

Wikiwand AI