瞋 仏教の概念 From Wikipedia, the free encyclopedia 瞋(しん、梵: dveṣa, pratigha、巴: dosa)は、仏教における煩悩のひとつで、怒りを指す[1]。瞋恚(しんに)ともいう。憎しみ[2]、嫌うこと、いかること[3]。心にかなわない対象に対する憎悪[2][4]。自分の心と違うものに対して怒りにくむこと[5]。 パーリ語 dosa (ドーサ)サンスクリット語 dveṣa (ドヴェーシャ), pratigha (プラティガ)日本語 瞋, 瞋恚英語 anger, ill-will, hatred概要 仏教用語 瞋, パーリ語 ...仏教用語瞋パーリ語 dosa (ドーサ)サンスクリット語 dveṣa (ドヴェーシャ), pratigha (プラティガ)日本語 瞋, 瞋恚英語 anger, ill-will, hatredテンプレートを表示閉じる 仏教においては、 人間の諸悪・苦しみの根源と考えられている三毒[1][5][4]、三不善根のひとつ[6]。 十悪(十不善業道)のひとつ[5]。 上座部仏教における不善心所のひとつ。 説一切有部の五位七十五法のうち、(心所法-)不定法のひとつ[3]。 大乗仏教アビダルマにおける六つの根本煩悩のひとつ[7][1]。生きとし生けるものに対する冷徹な心[4]。 定義 大乗阿毘達磨集論(英語版)(Abhidharma-samuccaya)では以下のように述べられている。 瞋(pratigha)とは何か? それは苦、衆生、苦を備えた心への怒りを本質とし、安穏ならざる〔状態〕に住し、悪しき行い〔を為すこと〕の依り所たることを作用とする。 (何等為瞋?謂於有情苦及苦具心恚為体。不安隠住悪行所依為業。) 法相二巻抄における唯識大意では、 我(自分)に背くことがあれば必ず怒るような心、「自分がないがしろにされた」という思いと解釈している[1][4]。 対治 瞋恚を断つ方法としては、パーリ仏典大ラーフラ教誡経(Mahārāhulovāda-sutta)に例が示されている。この中で、釈迦は息子の羅睺羅(ラーフラ)に以下のように説いている。 Mettaṃ rāhula bhāvanaṃ bhāvehi. Mettaṃ hi te rāhula bhāvanaṃ bhāvayato yo vyāpādo so pahīyissati. ラーフラよ、慈の瞑想を深めなさい。というのも、慈の瞑想を深めれば、どんな瞋恚も消えてしまうからです。 —パーリ仏典, 中部, 62.大ラーフラ教誡経 p148, Sri Lanka Tripitaka Project 鋸喩経において釈迦は、比丘たちに対し心を乱すことないよう説いている。 抜粋 Siñca bhikkhu imaṃ nāvaṃ sittā te lahumessati Chetvā rāgaṃ dosaṃ ca tato nibbāṇamehisi. 比丘よ、この舟から水を汲み出せ。 汝が水を汲み出せば、軽やかに進むであろう。 貪欲と瞋恚とを断ったならば、汝は涅槃に達するだろう。 —パーリ仏典, ダンマパダ, 369, Sri Lanka Tripitaka Project Natthi rāgasamo aggi natthi dosasamo kali Natthi khandhasamā dukkhā katthi santiparaṃ sukhaṃ. 性欲に等しい火はない。 怒りに等しい損失はない。 五蘊に等しい苦しみはない。 心の平安に勝る楽はない。 —パーリ仏典, ダンマパダ, 202, Sri Lanka Tripitaka Project [8] 脚注・出典 [1]中村元『ブッダの言葉』新潮社、2014年8月29日、Chapt.4。ISBN 978-4103363118。[要ページ番号] [2]櫻部・上山 2006, p. 115. [3]中村 2002, p. 96. [4]中村元, 仏教語大辞典, 東京書籍, 「瞋」, ISBN 9784487731527 [5]『例文仏教語大辞典』小学館、1997年、「瞋」。ISBN 4095081112。 [6]パーリ仏典, パーリ仏典中部73 大ヴァッチャ経, Sri Lanka Tripitaka Project [7]「根本煩悩」 - ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典、2014年、Britannica Japan。 [8]アルボムッレ・スマナサーラ『原訳「法句経(ダンマパダ)」一日一話』佼成出版社、2003年、Kindle版, 3.6。ISBN 978-4333020447。 参考文献 中村元『ブッダの言葉』新潮社。ISBN 978-4103363118。 櫻部建、上山春平『存在の分析<アビダルマ>―仏教の思想〈2〉』角川書店〈角川ソフィア文庫〉、2006年。ISBN 4-04-198502-1。(初出:『仏教の思想』第2巻 角川書店、1969年) 中村元『龍樹』講談社学術文庫、2002年。ISBN 4-06-159548-2。 関連項目 ウィクショナリーに関連の辞書項目があります。瞋 煩悩 三毒 五蓋この項目は、仏教に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めています(ポータル 仏教/ウィキプロジェクト 仏教)。表示編集 Related Articles