石の板
神が十戒を刻んでモーセに授けた二枚のサファイアの板
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伝承
形と大きさ

現代では石の板は一般に上部が円形の長方形として描かれるが、これはほとんどユダヤ教やキリスト教の伝統に基づいていない。ラビの伝承では、石の板は角の尖った長方形であり[5]、実際に3世紀のドゥラ・エウロポスのシナゴーグの絵画や10世紀までのキリスト教美術[6]、ユダヤ教の伝統的な図像学においてはそのような形で描かれた。
円みをおびた石の板は、メモをとるための粘土板の形や大きさの影響を受けて、中世に現れた。ミケランジェロやアンドレア・マンテーニャの作品においてはまだ尖った長方形であり(ギャラリーを参照)、大きさもおおよそラビの伝承に基づくものである。レンブラントなどのその後の芸術家は円みをおびた形で一回り大きく描写する傾向にある。前述のとおり、ラビの伝承では石の板は四角いとされるが、複数の情報によると、レプリカが本物と完全に一致しないようにラビ自身が円みをおびた形で石の板を描写することを認めたという[7]。石の板の縦と横の長さはそれぞれ6 Tefachim (およそ48センチメートル) で厚みはそれぞれ3 Tefachim (およそ24センチメートル)であるが[5]、芸術においては一回り大きく描写される傾向にある。また、伝承によると、十戒の言葉は表面というよりむしろ石全体に掘られていたという[8]。
遺物
聖書のモーセの十戒そのものではないにせよ、これを刻んだ物でほぼ完全な形で発見された最古の遺物は、1913年にパレスチナ南海岸沿いで、鉄道建設に伴う発掘調査中に発見されたものとされる。長方形の大理石に古代ヘブライ文字で戒律が刻まれ、この種のものとしては唯一完全な形で残ったものとされる。ただし、戒律の一部が聖書と異なっており、いわゆるモーセの十戒ではなく別のものではないかとの見方もある。2024年サザビーズのオークションで504万ドルで落札され、落札者は公表されていないがイスラエルの機関に寄贈する意向を示しているという。[9]
内容
エチオピア正教会
クルアーン
クルアーンにおいて、旧約聖書の十戒の内容は言及されないが、ムーサー(モーセ)は石の板を与えられたと記述される。
- "And We ordained laws for him in the tablets in all matters, both commanding and explaining all things, (and said): 'Take and hold these with firmness, and enjoin thy people to hold fast by the best in the precepts: soon shall I show you the homes of the wicked,- (How they lie desolate).'" (Quran 7:145)
クルアーンにおいて、石の板は砕かれないが、置かれる(「投げられる」とする訳もある)。
- "When Moses came back to his people, angry and grieved, he said: 'Evil it is that ye have done in my place in my absence: did ye make haste to bring on the judgment of your Lord?' He put down the tablets, seized his brother by (the hair of) his head, and dragged him to him..." (Quran 7:150). "When the anger of Moses was appeased, he took up the tablets: in the writing thereon was guidance and Mercy for such as fear their Lord." (Quran 7:154).
ギャラリー
関連項目
- 板 (宗教)
- タボット (宗教)、 エチオピア正教会にある石の板のレプリカ
- 世界最大の本、文字が彫られた石の板でできている石の本
- 十戒の石板を破壊するモーセ - レンブラントが描いた絵画。
