ウェルビーイング
個人またはグループの「状態」を言う
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概要
幸福学も参照。
いわゆる神話解体や神の死、実存主義によって幸福の定義が個人に委ねられたのは周知のことである。
卑近な例:夢、生きがい、無宗教など
この事により、必然的に
それに加え、時代の変化とともに地位財(カネ、モノ、地位等)から非地位財(幸せ、健康等)へと価値観が移行している[2]。
一般にはWHO憲章の発表によりこの語の翻訳が各国で必然となり、この語の幸福論に占める認知度・地位が確定的となった。(後述)
語義
well-beingは、他に分野に応じ幸福、福利など様々な訳語があてられてきた。well-beingの語源は、オックスフォード英語辞典によれば、イタリア語のbenessereで16世紀ごろに導入されたとされる[3]。well-beingは、直訳すると「善いあり方」である。
善いあり方と幸福は必ずしも結びつかないが、アリストテレスが哲学において「最高善=幸福」としたのは有名である。
WHOが定義する「身体だけではなく、精神面、社会面も含めた健康」を意味する場合が多い。特に通常のhealth(健康)の代わりにウェルビーイングを使えばこの意味となる。[要出典]
ウェルネスとの関係
イギリスのロンドン・スクール・オブ・エコノミクス准教授で薬学博士のフセイン・ナシ(Huseyin Naci, PhD) と、アメリカのスタンフォード大学医学部教授のジョン・P・A・イオアニディス(John P. A. Ioannidis, MD, DSc) による定義[4]を示す。
直訳:
Wellness refers to diverse and interconnected dimensions of physical, mental, and social well-being that extend beyond the traditional definition of health. It includes choices and activities aimed at achieving physical vitality, mental alacrity, social satisfaction, a sense of accomplishment, and personal fulfillment.[5][6][7]
WHO憲章におけるウェルビーイング
「健康とは、肉体的、精神的及び社会的に完全に良好な状態であり、単に疾病又は病弱の存在しないことではない。(厚生労働省資料「健康長寿社会の実現に向けて 〜健康・予防元年〜」)」
“Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.”[8]
1947年に採択されたWHO憲章では、前文における「健康」の定義の中でwell-beingという言葉が上記の通り採用された[9]。
"well-being"は当時一般的ではない英語表現であったことから、欧米でウェルビーイングやウェルネスが「身体だけではなく、精神面・社会面も含めた新たな"健康"」を意味する単語として用いられ、その後の健康ブームで広く知られた[8]。
近年の例として、持続可能な開発目標(SDGs)におけるGoal3においてwell-beingという言葉が採用されている[10]。
患者の健康とウェルビーイングを第一に考慮するものとする。THE HEALTH AND WELL-BEING OF MY PATIENT will be my first consideration;
とする文を以て追加された。
実現への指針
ウェルビーイングの実現方法としては、セリグマンらによるポジティブ心理学の手法が知られている。一方で、ウェルビーイングには文化差・個人差があり、ウェルビーイング研究の中心でアメリカとは異なる文化におけるウェルビーイングについてあり方(例えば、日本的ウェルビーイング)についても議論されている。
精神的ウェルビーイング
また、2014年にイギリスの国民保健サービス(NHS)は、精神的ウェルビーイングの獲得方法として、以下5つを推奨している[11]。
- 地域や家族とつながりを持つこと。
- 身体的運動を行うこと。自分が楽しめて生活の一部になるようなもので。
- スキルを得ようと学ぶこと。料理、楽器、自転車修理などからでよい。
- 他者に何かを与えること。言葉や笑顔のような小さなものからでよい。
- 今この瞬間に注目すること(マインドフルネス)。
アメリカのイェール大学教授のローリー・サントスは次のことを推奨している[12][13]。
- 同様に、毎日の瞬間を楽しむこと。
- 感謝すること。
- 瞑想すること。
ローリー・サントスはまた、以下を控えるべきであると主張する[12][13]。
- この瞬間を早く終わらせることができるように、未来について考えること。
著名企業の事例
トヨタ自動車は2020年の中間決算発表で、ウェルビーイングの実現と追求である「幸せを量産する使命」を経営理念の中心に据えると公表しており、トヨタフィロソフィーのミッション(使命)として掲げている。経営トップ自らが「健康第一の会社を目指す」と宣言し、企業と健康組合が一体となって健康経営とウェルビーイングに取り組んでいる[14][15][16]。
楽天グループは、「ある目的のもとに、ありたい姿を持つ多様な個人がつながりあった持続可能なチームの状態」を「コレクティブ・ウェルビーイング」と定義し、組織開発の中心に据えている。また、CWO(チーフウェルビーイングオフィサー)というポストを創設し、ウェルビーイングを個人・組織・社会の3層から捉え、実現に取り組んでいる[15][17]。