移調
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移調楽器
鍵盤楽器の場合
声楽
移旋
邦楽の移調
邦楽の雅楽では、かつて陰陽五行説に基づき、調には季節による禁忌があり、そのため、ある楽曲をその調にふさわしくない時期に演奏するため、移調が行なわれた。これを「渡しもの」という。ただし厳密に同じ旋律が移されるのではなく、楽器の音域的制限から、元調の曲から旋律が変形されたものが固定している。これがかえってまた喜ばれた。
近世邦楽のほとんどのジャンルは絶対音高の音楽ではないので、同じ曲でも特に歌い手の音域によって調が違うことは珍しくない。この場合三味線、箏、胡弓、琵琶(ただし薩摩琵琶、筑前琵琶)は開放弦に調の主要音を設定するので、移調に合わせ、調弦そのものをスライドさせる。たとえば、ある曲がDを主音とする調である場合、三味線の調弦は D - A - D(二上りの場合)となるが、もし同じ曲を C♯を主音とする調で演奏する場合は、調弦も C♯ - G♯ - C♯となる。また尺八や篠笛もそれに合わせて長さの異なる楽器が使われる。したがって、移調しても楽器演奏の感覚は弦、管いずれの楽器でもあまり変わらない。
またこれとは別に、原曲を異なった調弦法で演奏するために、移調的な編曲が行なわれることがある。例えば『六段の調』の三味線は「本調子」という調弦法で演奏されるのが普通だが、これを「二上り」という調弦法で演奏できる編曲がある。これは完全五度上への移調といえる。