血の掟
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概要
シチリアのマフィアのメンバーは、いかなることがあっても組織の秘密を守ることが求められ、メンバーになるとき忠誠を誓いこれを誓約する。違反者には激しい制裁が加えられる(突然行方不明になり、拷問を受けた痕があり口には小石が詰められた惨殺体でのちに発見されるお礼参りの例が多数ある。沈黙を要求する相手には、暗喩として新聞紙に包んだ生魚を匿名で送りつけ、または手先を使って直接玄関に置き去る。これを防ぐためにアメリカでは証人保護プログラムが存在する)。また、この掟はメンバー内に限らず一般住民にも求められ、観光客がマフィアについて尋ねたとしても一切答えないことがある。沈黙を破り密告した者には報復が一般的で、密告者は「ラット(ネズミ)」や「裏切者」と表現されることが多い。
『ゴッドファーザー』(1969年)の脚本家マリオ・プーゾの手がけた有名作品として『オメルタ: 沈黙の掟』(2000年)があり、そこでもマフィアが沈黙する行動規範を描いている[3]
一般市民に手を出さない、あるいは抗争に関係のない人間を巻き込まないというルールは、しばしば掟の一部として同列に語られることがあるが、歴史的・法的な観点においてこれらは明確に区別される。本来の血の掟は、沈黙と身内の裏切りに対する死の制裁を縛るものであり、一般市民の保護に関する明文化された条項は存在しない[4]。
1980年代から90年代にかけてのマキシ裁判において、大物転向者トンマーゾ・ブシェッタは、伝統的なマフィアは一般市民を巻き込まない高潔な組織(コード・オブ・オナー)であったと主張し、無差別テロに走る過激派(コルレオーネ一派)を法廷で「多くの無辜の民(イタリア語:persone innocenti)を殺した」と非難した[5]。また、同じく転向者のアントニノ・カルデローネも1987年の供述で「住民を敵に回さないために一般市民(cittadini)から物を盗んではならない」という口頭伝承の規則を明かしている[6]。
下記に述べる詳細については元メンバーの証言などにより大体判明していたが、シチリアのサルヴァトーレ・ロ・ピッコロが自宅に残していた文書が2007年の彼の逮捕に伴い公にされたことで、正しかったことが証明された[7]。
語源
十戒の詳細・各条項
- 第三者が同席する場合を除いて、独りで他組織のメンバーと会ってはいけない。
- ファミリーの仲間の妻に手を出してはいけない。
- 警察関係者と交友関係を築いてはいけない。
- バーや社交クラブに入り浸ってはいけない(「酒場やクラブ通いをしてはならない」と表記されることもある[2])。
- コーサ・ノストラにはどんな時でも働けるよう準備をしておかなくてはならない。それが妻が出産している時であっても、ファミリーのためには働かなければならない。
- 約束は絶対的に遵守しなければならない。
- 妻を尊重しなければならない。
- 何かを知るために呼ばれたときは、必ず真実を語らなくてはならない。
- ファミリーの仲間、およびその家族の金を横取りしてはならない(「他人や他組織の金に手を出してはならない」と表記されることもある[2])。
- 警察、軍関係の親戚が近くにいる者、ファミリーに対して感情的に背信を抱く者、素行の極端に悪い者、道徳心を持てない者は、兄弟の契りを交わさないものとする。