遺跡
過去の人間の営みの跡が残されている場所
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概要

遺跡のうち、住居跡・墳墓・貝塚・城跡など、土地と一体化されていて動かす(移動させる)ことができない物を遺構(いこう)と呼び[6]、石器・土器・装飾品・獣骨・人骨など、動かす(移動させる)事のできる物を遺物(いぶつ)と呼ぶ[7]。つまり、遺跡のうちの不動産的要素が遺構、動産的要素が遺物である[8]。
日本考古学が遺跡と遺構を呼び分けはじめたのは30数年前以来である[9]。日本において考古遺跡は、文化財保護法の規定にしたがい、面的にとらえて「埋蔵文化財包蔵地」と称されることがある[10]。文化庁によると、貝塚や古墳、城跡、都城などの遺跡(埋蔵文化財包蔵地)は全国におよそ460000箇所存在し、毎年9000件程の発掘調査が行われているとされる[11]。
遺跡は、石器や土器のような遺物が散布している場合に考古遺跡(埋蔵文化財包蔵地)の存在を推測する材料にはなるが、遺物単体が出土しただけでは、通常、考古学的にみて有意な遺跡にはなりえない[12]。そのため、遺跡の本体を構成する要素は遺構であり、遺構および遺構のあつまりを称して遺跡と呼ぶ場合も多い[13][14]。
地表面から遺物の散布がみられるものの、その性格が未だ明確でない遺跡を遺物散布地と呼ぶ場合がある[15][16]。遺構がともなわない場合、実際には遺跡を構成する重要な意味を持つ場所かもしれないが、その反面、土が移動され客土にともなって遺物が散布している場合もあるので注意を要する[17]。この場合、出土状況や土層観察によって、堆積土か、それとも客土であるかをみきわめる必要がある[17]。
遺跡の種類
遺跡の調査
遺跡の調査によって、遺構とそれにともなう遺物を確認し、その検出や出土の状況、また類似事例を比較ないし検討することによって、モノという限られた情報であるが、当時の人々の文化や生活の営みばかりではなく、その社会の特徴、さらには人びとの価値観や世界観についても、ある程度推定し、復元することができる[36][37][38]。
遺跡の分布調査や発掘調査、史跡保存事業などが行われた後、調査を行った自治体や民間企業などがまとめた調査報告書が、各機関から発行され、一般公開される[39][40]。従来は大学図書館や自治体の図書館、博物館施設等に併設される資料館などで閲覧が可能であった[41]。昨今はインターネットの普及によって、こうした報告書をデータ化し無料公開するサイトなどが調査を行った機関によって開設され、より広域かつ多くの資料を閲覧することが可能となった[42]。
遺構をともなわない遺跡
近現代の遺跡
お互いに関連しあう近現代の工作物、建築物、土木構造物が集まって一体になっているものも遺跡と呼んでいる[49][50]。この場合は、歴史家や建築史家の研究対象となることが多く、考古学者の役割はきわめて限定的なものとなることが普通である[51]。

しかし、必要に応じて、「埋蔵文化財包蔵地」の文化庁次長通知の定義にあるように、「近現代の遺跡」として「地域において特に重要なものを対象と」して痕跡として残されている近現代の工作物、建築物、土木構造物等を調査する場合もある[52]。例えば、第二次世界大戦の痕跡として残された軍事施設や被災施設なども周辺の環境を含めて「戦争遺跡」と呼ぶことがあるが、この戦争遺跡のうち、地下に埋蔵されていて地表面からでは性格がわからない場合(すでに撤去された砲台や防空壕など)は、必要に応じて発掘調査を行って確認する場合がある[53][54]。
