クラブ活動

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クラブ活動(クラブかつどう、club activity)とは、特別活動のひとつで、学校での学年や学級の所属を離れ,日本では主として小学校第4学年以上からの同好の児童から学生をもって組織するクラブにおいて、異年齢集団の交流を深め、共通の興味・関心を追求する活動[1]。日本では1951年(昭和26年)に制定された学習指導要領において、小学校では「教科以外の教育活動」、中学・高校では「特別教育活動」として規定が設けられた。日本では、必修クラブと部活動が知られる。

そのうち、部活動(ぶかつどう、extracurricular activity)とは、学校の教員顧問などの指導の下で学生・生徒が始業前や放課後に行う運動部・文化部などの活動[2]

学校教育の一つだが、一般的には教育課程には含まれていない[3]

概説

クラブ活動、部活動の内容には様々なものがあり、活動の類型は各学校・各団体で異なっている。活動内容により、大まかに「運動系(体育系)」と「文化系」に区分されることが多い。なお、運動系の部を運動部(あるいは体育部)、文化系の部を文化部という。

学校教育における活動では日本の「部活動」のように厳密な定義が設けられている場合もある(後述)。「クラブ活動」も学習指導要領上の用語である。

もともとは1947年(昭和22年)の『学習指導要領一般編(試案編)』で教科として「自由研究」が位置づけられた[4]。そしてこの試案の学習指導要領には学校の教師が指導するとも明記されており、クラブ活動が誰の責任のもとで行われるのかを明確にしていた。

1951年(昭和26年)の改訂においては、小学校では「教科以外の教育活動」、中学・高校では「特別教育活動」の名称の下で、教育課程の中に位置づけられた[5]。 そして、中学校の学習指導要領で「クラブ活動」の記述が登場し[6]、このときクラブ活動の生徒たちの将来の可能性に対する影響についても言及している。高等学校の学習指導要領では、時間数が具体的に示された[7]

このように、特別教育活動に関するものは試案という形で出されていたが、1958年(昭和33年)には『教育課程に関する学校教育法施行規則』が改正され、小・中学校の教育課程は、教科、道徳、特別教育活動、学校行事の4領域に、高等学校の教育課程は、教科、特別教育活動、学校行事の3領域に構成区分される。こうして告示という形式で公布され、法的拘束力を持つようになるとともに、特別教育活動の指導上の留意点として、「児童・生徒の自発的な活動を通して個性の伸長を図る」ことが掲げられているほか、このときの中学校の学習指導要領では、クラブ活動の全員参加を奨励し、各学校の裁量でクラブ活動をするように指示している[8]

1968年(昭和43年)から1970年(昭和45年)にわたる学習指導要領の改訂では、教育課程領域のうち学校行事と特別活動の2領域が統合され、小・中学校では特別活動、高校では各教科以外の教育活動となり、そして小学4年生以上のクラブ活動必修化(必修クラブ)がスタートし[9]、それに伴い、今まで学校で自主的に組織していた特別教育活動は、主に放課後に実施され、教育課程外の「課外クラブ」として分けられた。この「課外クラブ」が、現在の部活動になる。この年から30年間にわたって、必修クラブ活動と部活動が併存することとなるのである[10]

1978年(昭和53年)の学習指導要領改訂では、高校においても特別活動と名称が変更になったが[11]、必修クラブ活動及び部活動に関しては、このときの学習指導要領に初めて教育課程外である部活動について記載されたのである[12]

1989年(平成元年)の学習指導要領の改訂では、生徒会活動や課内外クラブ活動、学校行事に加えて、学級活動が新設された。つまりこの期の改訂で、特別活動は、学級活動、課内外クラブ活動、学校行事、生徒会活動の四領域で構成されるようになったが、中学校と高等学校の教育課程外の部活動の参加をもって、教育課程内の必修クラブ活動の履修に代替できることも示された[13]

1998年(平成10年)と1999年(平成11年)の学習指導要領改訂で総合的な学習の時間が新設し、さらにボランティア活動の重視や自然体験や社会体験の充実を課題として挙げられるが、前回の改訂における部活によるクラブ活動代替制が示されたことによって、その後中学校学習指導要領では2002年、高等学校学習指導要領では2003年の学習指導要領改訂で消滅している。これは部活動の適切な実施を前提に、中学校及び高等学校の必修クラブ活動が全面的に廃止されたことを意味した。つまり中等教育のクラブ活動は必修化されていた課内クラブから、教育法規上強制力のない課外クラブ・部活動へ移行させたのである。

ところが、2008年(平成20年)と2009年(平成21年)の学習指導要領改訂では、異年齢集団との活動を通した社会における人間関係を築く力、話し合いを通して集団の中で個性を磨く表現力、積極的に活動に参加する自主性、などを重視することを求めているが、クラブ活動に関しては、小学校で実施されていた必修クラブ活動(課内クラブ)は依然として4年生以上の生徒は全員参加することになっており、教育課程内の活動として位置づけられている一方、中学校・高等学校においては、前述の通り必修クラブ活動は廃止され、現在活発に行われている部活動に関しても、教育活動としての位置づけが曖昧になっているという指摘から、中学校・高等学校における部活動がふたたび学習指導要領に記載されることとなった[14]

通常日本では小学校、中学または高校や大学・短期大学において、部活動は同じ部で卒業まで行うことが多い(学校側が複数のクラブ活動への参加を認めている場合は、1人で複数のクラブ活動に参加している事例もある)。しかし、アメリカニュージーランドではシーズンごとに違ったクラブ活動に所属することが多い[15]。一年中同じクラブに所属することはあまりないため、さまざまな競技や文化体験ができる。

欧米諸国やオーストラリアニュージーランドなどでは、学校単位での組織的なクラブ活動ではなく、スポーツならば地域のクラブチームに所属することも多い。オリンピックサッカー等で一流選手を輩出しているのは地域のスポーツクラブが存在するためで、中にはそれらの組織にプロのスポーツ選手も所属し、設備や環境等も整い、高度な練習が行えるためでもある。ただし日本でも、スポーツ少年団サッカークラブユースチーム少年野球硬式野球リーグ格闘技関連(相撲少年チーム、道場スポーツジム)など一部の競技では、学校のクラブ活動ではなく、学外のスポーツ組織などに所属して活動する例が見られる。

日本では陸上競技なども、クラブチームに所属し指導を受け大会に出場するケースは多く、日本陸連主催のジュニアオリンピック陸上競技大会やU18/U16陸上競技大会など、学校のクラブ活動者以外が出場できる競技大会も多い。なお日本の陸上競技は中高生のみ、学校の陸上部とクラブチームの両方の選手登録(陸連登録の二重登録)が可能である。

日本はラグビーユニオンでも、長らく高校と大学ラグビー部を経由してトップリーグのリーグワンルートが一般的となっているが、日本のラグビー界においてもユース(U15からU18)世代のクラブチーム・育成組織を、中学生の「ジュニアラグビースクール」や「ジュニアクラブ」、高校生の「クラブチーム」や「アカデミー」を中心に、競技の普及と専門的な強化が進められてはきた。例えば中学生(U15ジュニアラグビー)では、成長期を考慮し、12人制や試合時間(1日最大70分)の制限を設けるなど、安全な環境でラグビーを楽しめる体制が取られている。

特に部活動からクラブチームへの移行(地域移行・後述)方針に伴い、組織の充実が図られている。中学生年代では地域ごとの大会や県別チームで構成されるジュニアラグビー大会である全国ジュニア・ラグビーフットボール大会を設けてきたが、全国中学生ラグビーフットボール大会では中学校部活動チームの第1ブロックの他、ジュニアラグビースクールが対戦する第2ブロックが設けられている。

日本ラグビーフットボール協会に登録されているジュニアクラブや、リーグワン関連のチームが運営する組織が主軸となっているジュニアユースとして、中学生対象のチームのワイルドナイツ ジュニアユース(埼玉)の他、横河武蔵野ラグビーアカデミーなど、各リーグワンチームのスクール・アカデミーを主に関東を中心に、リーグワンチームが提携してジュニア世代を育成している。静岡ブルーレヴズも2025年にU18を開設したが、前身のヤマハ発動機時代からジュニア選手育成の実績は既に20年を超えている[16]。こうしたトップリーグに属するクラブチームのアカデミーの他に、全国各地に「ジュニアラグビースクール」が存在し、中学生(U15)を中心に、15人制や7人制の安全な環境でプレーできる場所を提供している。

日本ラグビーフットボール協会も、セブンズユースアカデミーといった将来の日本代表選手を発掘・育成するために、全国から有望な中学生・高校1、2年生を招集・強化するプログラムも実施、オリンピックやワールドカップで活躍できる才能の育成を目的としている。また、TIDユースキャンプという日本ラグビー協会による「Talent ID(才能発掘)」キャンプやBigman & Fastmanなど、特定の特長を持つ若手を発掘・強化に努めている。これまで制度上、高校や大学で続けることが主となっていて、指導がどうしても切れてしまうといった悩みがあった。このため、高校生(U18)では、高校部活動の他に、地域のクラブチームやアカデミーで強化され、高校日本代表候補合宿(TIDユースキャンプ)などへ繋がるパスウェイを整備。また、競技環境の改善つまりラグビー部の部員数が少ない地域でも実戦機会を確保するため、異なる学校やクラブをまたいだ交流や合同チームでの活動を促進している。そして、クラブユース交流試合なども徐々に行われている[17][18]

ウィンタースポーツは、日本でも冬季インターハイの種目競技や大学の運動部以外では、アカデミーやクラブといった学校外組織での育成が主となる。中学高校などで部活動があったとしても私立の学校が主で、全国的にも数は多くない。種目競技は冬季インターハイで実施される、全国高等学校スキー大会で行われているアルペンスキークロスカントリースキー(距離)、スキージャンプノルディック複合や、スピードスケートフィギュアスケートアイスホッケーの各部活動が知られる。アイスホッケーであれば、全国高等学校アイスホッケー競技選手権大会は高校の部活動チームのみの出場になるが、全国高等学校選抜アイスホッケー大会については、クラブチームも参加している。

社会主義国では国威高揚のため、国がかりでアスリート育成を行うことが多かった。例えば、当時のソビエト連邦に起源を持つ児童生徒向けの教育機関の一種であるスポーツ学校(ロシア語:ru:Детско-юношеская_спортивная_школа, ДЮСШ)は、ソ連および東側諸国、特に旧東ドイツにおける体育とスポーツ教育の強力なシステムの基礎となっていったが[19][20]、このシステムの主要な特徴として、ロシアやその他の旧ソ連諸国のスポーツ教育システムに残っており、他の国々の同様のシステムの基礎にもなっていく。

ソ連崩壊後、ロシアの児童・青少年スポーツのシステムは困難な時期を経験したが、スポーツスクールのネットワークを維持することに成功し、さらに体育クラブ(DYuKFP、Physical Training Clubs)が設立されていった。2005年には、教育システムとロスポートシステムにおいて約4,951のスポーツスクールとDYuKFPが活動していた。前者には、体育・スポーツ教育機関が2,944あり、スポーツスクールが1,917校、オリンピック選手予備軍の専門スポーツスクールが464校、DYuKFPが556校、体育センターが7校であった。教育システムのスポーツスクールだけでも約200万人の児童・青少年が通学しており、122のスポーツ競技に13,000以上の部門があり、ロスポートの教育機関には約100万人の若いアスリートが通っていた[21]

ソ連における児童・青少年用の大規模スポーツ学校教育の経験から、東欧諸国、特に旧東ドイツで応用され、キンダー・ウント・ユーゲント・スポーツシューレ(Kinder und Jugendsportschule、KJS)[22]の他、北朝鮮キューバにも同様のスポーツ学校が設立され、そこではスポーツ入門学校(Schools for Sports Initiation there)と呼ばれていた[23]。これらの国々ではスポーツ選手のレベルが向上し、世界選手権やオリンピックで最高成績を収めることもできていたのである。

OECDによる各国クラブ活動時間調査 (TALIS)

OECDによる2013年のTeaching and Learning International Survey(TALIS、国際教員指導環境調査)では34か国が参加し、参加国と比べて日本は、授業時間が短く、会議・事務時間・課外活動など学業教育以外の時間が長いことがわかった[24]。クラブ活動、部活動など課外活動は、参加国平均2.1時間であったのに対して日本は7.7時間で参加国最長だった[24]。スウェーデンは最短0.4時間だった。

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TALIS(2013)「教員の仕事時間」(単位は残業等含む一週間あたり時間)[24]
合計授業授業準備職員会議※採点添削生徒指導学校運営事務保護者との連絡連携課外活動(部活動など)その他の業務
参加国平均 38.319.37.12.94.92.21.62.91.62.12
日本 53.917.78.73.94.62.735.51.37.72.9
アルバータ州 48.226.47.535.52.72.23.21.73.61.9
シンガポール 47.617.18.43.68.72.61.95.31.63.42.7
イングランド 45.919.67.83.36.11.72.241.62.22.3
アメリカ 44.826.87.234.92.41.63.31.63.67
スウェーデン 42.417.66.73.54.72.70.84.51.80.41.7
デンマーク 4018.97.93.33.51.50.921.80.92.3
韓国 3718.87.73.23.94.12.262.12.72.6
フランス 36.518.67.51.95.61.20.71.3111.1
オランダ 35.616.95.13.14.22.11.32.21.31.32.5
フィンランド 31.620.64.81.93.110.41.31.20.61
イタリア 29.417.353.14.2111.81.40.80.7
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2018年のTALIS第3回調査では48か国が参加し、またも日本は中学校での1週間あたり平均勤務時間、職員会議、事務時間が参加国最長で、課外活動(部活動など)も参加国平均1.9時間であったのに対して日本は7.5時間と参加国最長だった[25]。課外活動の最短はスウェーデンとフィンランドの0.4時間だった[25]

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TALIS(2018)「中学校教員の仕事時間」(単位は残業等含む一週間あたり時間)[25]
合計授業授業準備職員会議採点添削生徒指導学校運営事務職能開発保護者との連絡連携課外活動(部活動など)その他の業務
参加国平均 38.320.36.82.84.52.41.62.721.61.92.1
日本 56188.53.64.42.32.95.60.61.27.52.8
カザフスタン 48.815.19.14.34.83.52.53.23.22.53.12.2
アルバータ州 4727.27.32.652.31.82.41.51.42.70.7
イングランド 46.920.17.436.22.523.811.51.72.2
アメリカ 46.228.17.23.55.33.41.72.61.71.637.1
シンガポール 45.717.97.23.17.52.41.43.81.81.32.78.2
スウェーデン 42.318.66.53.34.12.20.93.21.11.50.41.9
デンマーク 38.919.4732.51.50.71.70.81.40.92.3
フランス 37.318.372.14.71.20.71.40.81.111.8
オランダ 36.417.44.933.72.512.41.91.50.92
韓国 3418.16.32.52.93.71.75.42.61.621.8
フィンランド 33.320.74.92.12.910.31.10.81.20.40.9
イタリア 3016.85.13.23.71.41.11.91.81.210.9
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※ 合計勤務時間順。

日本の学校教育のクラブ活動

大学における勧誘の例

定義

日本の学校教育の場合、「部活動」には定義があり、学習指導要領では、「部活動は、学校教育活動の一環として、スポーツや文化、学問等に興味と関心をもつ同好の生徒が、教職員の指導の下に、主に放課後などにおいて自発的・自主的に活動するもの」[26]と定義されており、その内容については、「スポーツや文化及び科学等に親しませ、学習意欲の向上や責任感、連帯感の涵養等に資するものであり、学校教育の一環として、教育課程との関連が図られるよう留意すること」[27]と指示されている。

部活動は小学校・中学校・高等学校・大学(短期大学を含む)・高等専門学校専修学校で一般的に使われる呼称であり、部活(ぶかつ)と略される。

学校において同好会愛好会などというように団体を種別ごとに区分する制度と関連し、狭義には、部という団体種の活動を指して部活動という。この場合、新規創設時は愛好会・同好会として活動し、ある程度の活動実績が評価されて部に昇格するシステムを採る学校もある。この場合、部に昇格することで、例えば、部の運営費用が生徒会から予算として認められるようになる。

一方、広義には部のような活動を行う団体全ての活動を指し、各学校などによってその範囲が定められているのが通例である。

加入

2007年度の栃木県の中学校および高校における入部率は90.8%で、運動部が73.6%、文化部が17.2%となっている。統計では文化部の入部率が年々上昇しており、昔と比べて男子生徒の選択肢が広がったことが増加に繋がったとされる[28]

2013年の情報として、長野県では運動部の加入率自体が全国平均より7.7%低いという。逆に、大部分の学校において、年間を通して朝練習が行われている状況は、全国比で同県が突出しているという[29]

本来、クラブ活動、部活動(以下、「部活」)の入部は強制ではなく任意の参加が前提(なお、一条校ではない職業能力開発校では、デンソー工業学園日野工業高等学園[30][31]のように活動参加が必修となっている例もある)とされているが、文科省の指針に従わず何らかのクラブ活動への所属を原則とする学校もある[32]。クラブ活動へ所属せず、当日の正課が終わり次第下校する生徒は帰宅部と呼ぶ俗習がある。

また、「在籍しているが部に参加していない」という部員をよく、幽霊部員と呼ぶ。幽霊部員が出る背景には、たとえば希望する部がなく、体裁上を鑑み「調査書(内申書)・履歴書に記入」の実績(部活に参加したという事実)を確保する、学校が全員部活所属制で部活動に所属していないと在校生資格を失うため止むを得ず部活動所属扱いとするなどの目的から、実質的には「部活動に参加せず、すぐ下校する」という、いわゆる帰宅部と呼ばれるスタイルが挙げられる。

部活によっては、優秀な生徒の引き抜き防止などの理由から、転学(転校)者に対し一定期間の活動を禁止ないし制限(大会への出場禁止など)する場合もある(元の学校へ通学が続けられない理由がある場合や、元の学校でその部に入部していなかった場合などは、特例で参加が認められることもある)。同様に過年度生再入学者に対しても、体格などの理由から活動できる期間がその学校の最短修業年限より短い期間に制限される場合がある(再入学の場合、元の学校に対象の部がない場合は、制限の対象外となる場合もある)。

また、上記の通り自主的な参加を前提としていながら、教員・生徒の双方から部活を負担に感じる声が挙がっている。森永製菓が部活顧問の教師などを対象に実施した調査[33]によると、教師の7割以上が「部活動を負担に感じている」と回答した[34]。部活による負担は教師のみならず生徒にものしかかる。スポーツ庁の運動部活動等に関する実態調査』集計状況[35]によると、運動部に所属する公立中学校に通う生徒に「部活動や学校生活に関する悩み」を聞くと、「部活動の時間・日数が長い」(19.9%)が最多となり、次いで「学業との両立」(16.3%)、「体がだるい」(16.0%)といった回答が票を集めた[36]。顧問を務める教員の長時間労働の一因ともなっている[3]

スポーツ庁の通達で強制加入が見直されたことで、中学校の部活入部率は減少を続けており、2022年には59.6%となっている[32]

運動系と文化系

サークル活動同様、クラブ活動・部活動は、運動系と文化系に分けられる。日本においては、運動系のクラブ活動(以下、「運動部活動」)がまず作られたといわれている。

運動系
一般に運動系は、対抗試合に勝ち、より高い成績を収めることが重要とされている。スポーツによる人間形成が行われることを期待し、日本においては、精神的な活動をするところも多い。最近では、精神性を重視しつつ、科学的な手法を練習メニューに組み込むことで、活動時間を短時間に抑えて効果を上げる部もある。
学校管理下における運動部活動は「学校教育活動の一環として、スポーツに興味と関心を持つ同好の児童生徒が、教員等の指導の下に、自発的・自主的にスポーツを行うものであり、より高い水準の技能や記録に挑戦する中で、スポーツの楽しさや喜びを味わい、学校生活を充実させる意義を有するもの」(文部科学省)としている[37]
文化系
文化系は、目的とすることをどのように設定するかによって、重要とされることは異なる。大会などの成績であることもあれば、学校や地域における奉仕的な活動の遂行や、学術・芸術・技術などにおいての相互扶助、研究の成果を提供することであったりもする。なお、吹奏楽部合唱部演劇部などの公演系は、全日本吹奏楽コンクールNHK全国学校音楽コンクールなどの大会で優秀な成績をとるために休日もなく厳しい練習を積むことがある。運動系であるマーチングコンテストに文化系の吹奏楽部が参加する場合は運動系と変わらないような肉体的な訓練を積むこともある(学校によっては、文化系の吹奏楽部はマーチングやチアリーディング、応援などを行わず、別に運動系としてのマーチングバンド部があることもある)。
活動内容に学校独自の要素が多く、部によっては全国高等学校文化連盟などの文化連盟において該当する部門がない場合もある。それらの部では、学校内や地域を対象にした発表を目標におく者が多い。
総務部
文化系のうち、学校全体の行事に関わるような活動を行う放送部・吹奏楽部などについては、「総務部」として分類されることや、委員会活動として捉えられる場合もある。また、運動系に分類されることの多い応援団などにも同様の傾向がある。
外局
北海道の多くの高等学校では、「吹奏楽」・「放送」・「図書」に関わる活動を部活動ではなく、生徒会の外局として設置している。外局制度を導入する学校では、「吹奏楽局」、「放送局」、「図書局」などの呼称が用いられる。

各段階別の活動

小学校、中学校、高等学校、大学と公教育の段階が進むにつれ、サークル活動も含めクラブ活動、部活動、の状況は少しずつ変わる。小学校などでは、一般に授業として実施されるクラブ活動が知られる(後述[38]。中学校や高等学校では、クラブ活動の中心とされる部活動が認識されることが多い。

大学の場合はサークル活動になると、比較的学生の束縛はゆるくなることが多い。

大きくは公益・分野重視の団体と人間交流重視の団体に2分されるが、重視するものを明確にしていない団体も存在する。

初等教育中等教育段階の部活動等に伴う競技については、主催者の明確化、勝利至上主義の排除、参加の本人意志の尊重など、全国的な基本基準が定められており[39]、これに基づいて各教育庁、学校、団体等も詳細な基準や安全対策等を作成し、責任の明確化と児童・生徒の健康や学業に支障のない範囲で活動が行われることになっている。

初等教育

小学校などの初等教育からクラブ活動が設けられており、ひとつは授業カリキュラムのひとつとして必修となっている。学習指導要領には定めがあり、特別活動の一領域とされているためである。

なお、各学校毎や複数校が連携する形でそれなりにもうひとつ中学校や高等学校でいう部活動たる部・クラブが設けられていて、地域によっては組織率は低いが、必修ではない選択制の部活動・クラブ活動として、運動部のほかに合唱団・ブラスバンドを初めとして組織されている。そして、必修のクラブ活動とこの選択のクラブ活動を区別するために、それぞれを「必修クラブ」「選択クラブ(特設クラブ・特別クラブなどの語も)」もしくは前者を「課内クラブ」後者を「課外クラブ」と呼ぶこともある[40]

小学校のクラブ活動のうち必修クラブ活動は、毎週の6校時目に各教室に分かれて活動を行う事が多い。必修のクラブ活動については、学習指導要領の改定により、いわゆる「ゆとり教育」の一環で、2002年度から土曜日が全て休業日になり、それにともなって毎週のクラブ活動の時間が月1時間程度に削減される学校が増加していった。授業時間を確保するための処置ともいえる。

運営は各小学校の実態によって練習時間が変則的になることもあり、放課後に発表会のための練習を行うところもある。子どもたちの要望や、地域のボランティア(多くの場合、元保護者)が指導に来校する場合もあるが、実質の運営は個々の教員による。

必修クラブ活動は5月第1週~3月第2週まで行われる。

小中高一貫教育などの小学校の必修クラブ活動は、毎週6校時目に各教室に分かれて活動を行う事が多く、毎週のクラブ活動の時間が月2時間程度に増やされる学校が増加していった。

一般に部活動と呼ばれる選択制のクラブ活動(課外クラブ)も、小学校の段階で地域によっては行われているが、実施されていない地域が多くあまり知られていない[38]。例えば京都府京都市では市内各小学校で、選択クラブたる部活動も設けられており、これは放課後に異なる学年学級の児童が1つの集団となって部活動を行うことは、コミュニケーションの発達の上でもたいへん望ましいとされる方針からである。同市は2017年4月に「京都市立小学校運動部活動等ガイドライン」を定めている[38]

2020年代以降から、児童や教員の負担を考え、かつては行なってきた部活動を廃止し、地域のクラブ・サークルやスポーツ少年団などに事実上委託する小学校も増えてきている[41]

なお、小学生を対象としたスポーツ少年団が小学校単位で活動している場合において、指導者によって、例えば、少年サッカークラブチームが「サッカー部」、少年野球クラブチームが「野球部」と呼ばれるなど、当該スポーツ少年団が暗黙にその小学校のクラブ活動と同義のものとして認識され、「学校のクラブ」「地域のクラブ」の境界が曖昧になることがある。さらに、小学校の課内クラブから派生した小学生向けのスポーツチームへと発展した例も存在する[42]

合宿は、一般的に小学生段階では行われない。

中等教育

中学校や高等学校などの中等教育においては、部活動もクラブ活動も課外活動である。

1958年の学習指導要領では、特別教育活動の1つとして、生徒の自発的な参加によって行われる活動とされていたが、中学校では1972年、高等学校では1973年改訂の学習指導要領から、クラブ活動は特別活動の一領域として必修とされた。中学校では1993年、高等学校では1992年改訂の学習指導要領では、「部活動への参加をもってクラブ活動の一部又は全部の履修に替えることができる」と明記された。

しかし、中学校では2002年、高等学校では2003年改訂の学習指導要領で必修のクラブ活動は総合的な学習の時間に吸収・統合される形で廃止され、2008年時点の学習指導要領では「部活動は,学校教育活動の一環として,スポーツ文化,学問等に興味と関心をもつ同好の生徒が,教職員の指導の下に,主に放課後などにおいて自発的・自主的に活動するもの[26]」とされている。

2020年代には各校の実態に応じ、生徒の自主的、自発的な参加[43]による課外活動の一環としての部活動が行われている[32]

多くの学校では、部活動は、生徒会の傘下または連携関係や協力関係において運営する。

中学、高校で運動部活動指導に当たる教員の競技経験の有無は凡そ5割前後となっている[44]

高等教育

大学・短期大学高等専門学校などの高等教育の場においては、これらの諸活動は全て課外活動である。このため、活動団体の類型区分は各学校によって異なるが、一般的に学生の志向によって、公益・分野重視の団体と人間交流重視の団体に大きくは分ける事が出来るといわれている。なお、複数の学校に跨って活動する「インターカレッジ(一般には略してインカレ)サークル」と呼ばれる形態のものも見られる。

体育会文化会などの自治組織が設けられて、部活動やクラブ活動を管轄していることが多い。体育会や文化会などと学生自治会の関係は学校ごとに様々である。また、これらの活動分野ごとの組織に所属しないでサークル活動を行うこともある。

特に大学に分類される学校での公認クラブは、日本におけるその分野での先駆者的な立場で始まったものも少なくなく、特に外来の運動競技などでは、国内におけるその種目の初期段階から重要な役割を果たしている例があり、そのため、他の学校教育現場での様に、全競技種目を統括するような総合体育大会のような運用方法はとられていない。(一部地域ではそういう形態も見られるが一般的とは言えない。)むしろ競技種目別に個別の連盟や協会が早くから整備され順次加盟校を増やす形態で発達してきたものがほとんどだ。(参考:後述関連項目に一部紹介)

組織・大会

運動系の組織・大会

文化系の組織・大会

課題・問題点と対策

ブラック部活

日本の学校において、クラブ活動は生徒・学生の自己実現や成長に重要な役割を担う半面、一部の活動が教師を含めて過度な心身・時間の負担になっているとの指摘がある[45]。こうした、いわゆる「ブラック部活」問題の対策を含めて、部活動について学術的に研究し、提言を行う「日本部活動学会」が2017年12月発足した[46][47]

こうした問題点が認識されるようになった背景の一つとして、2016年8月にNHKの番組『クローズアップ現代+』で、練習中に理不尽なハラスメント行為を行う部活動の問題が取り上げられた。「生徒の人格を否定するような暴言や、体調を崩すほどの長時間拘束」といった内容で、こうした部活動をブラック部活と呼び、吹奏楽部の指導者が生徒を罵倒したり椅子を蹴ったりする音声が流され、その実態が放送された[45]

「ブラック部活」まで行かなくとも、記録や勝利を目指して長時間の厳しい練習を行う部活動が、運動が苦手だったり、他の部活動と掛け持ちを希望したりする生徒に過度な負担となっている面がある。このため参加しやすい「軽運動部」を設けるなどする学校もあるほか、スポーツ庁が運動部活動のガイドラインを策定している[48]

岐阜商高硬式野球部監督の鍛治舎巧は、「引き出しの少ない指導者は生徒を型に嵌めたがる。個性を尊重し奔放にやらせると自分が対応できなくなるから」と話しており、競技経験のない部活の顧問を任される教員が多いことを指摘している。

高校球児の頭髪に限れば、周囲の固定観念が根強い。九州地方のチームが甲子園に立った時、監督は選手の頭髪を自由化すると、OBやファンから「球児らしくない」と苦情が殺到した。頭を丸めることを強制することは明確な体罰(暴力)と定義されている[49]

スタンフォード大学アメリカンフットボール部コーチの河田剛は「日本人はケガをおしてやり続けることが素晴らしいと思っている。」と言及している[50]

2020年代頃にはブラック部活の報道が増えたこともあり、ブラック部活や厳しい練習で学業との両立が難しいイメージがある種目は人気が落ちている[51]。現場ではオリンピックの金メダルなどに頼らず間口を広げる動きもある[51]

部活動中の死亡事故

部活動で死傷事故や野外遭難が起きることもある。那須雪崩事故(2017年3月)後、部活動として冬山登山を行う高校は半減した[52]

部活動を指導する教員のサービス残業時間外労働)が長くなりすぎ、過労死にまで至った例もある[53]

学校における働き方改革

2018年平成30年)、第4次安倍内閣働き方改革関連法を成立させ[54]文部科学省は「学校における働き方改革」を開始、2019年(平成31年)、中央教育審議会答申[55]を踏まえ、同年3月18日、各都道府県知事、各都道府県教育委員会などに対して、スポーツ庁「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」及び文化庁「文化部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」を踏まえた適切な活動時間や休養日の設定を行うことを通知した[56]。文部科学省は、部活動に過度に注力してしまう教師も存在するが、教師の側の意識改革を行い,採用や人事配置等においては,授業能力や生徒指導に関する知見を評価し,部活動の指導力は付随的なものとして位置づけ、一部の保護者による部活動への過度の期待も踏まえ、内申書における部活動に対する評価の在り方の見直すよう通知した[56]

少子化

2010年代からは少子化によりチームスポーツの部活動が困難になっている例もある[32][57]。15名が必要なラグビーでは影響が顕著であり、2022年には第102回全国高校ラグビー大会鳥取県予選において県内3校中2校はメンバーが揃わず、倉吉東高校が全2試合不戦勝で全国に出場した[58]

日本の運動部の大会はトーナメント形式が主流であるため、少子化により参加校が減少するとトップ校同士が戦うのは年に1~2試合となることや、全国大会では予選無しで代表となった初心者チームと優勝候補の対戦などが発生し、競技力底上げの面で問題がある[58]

体育連盟では勝利のために有力選手を集めたチームの結成を防ぐ目的で、学校を跨いだ合同チームを禁止していたが、少子化対策として同じく部員が規定数に達していない学校同士であれば認めるようになった[32][59]

ゆる部活

運動はしたいが学業との両立やブラック部活への懸念から、気軽に参加できるレクリエーション志向の種目や[51]、種目にこだわらず軽い運動を楽しむことを目的とし大会出場などは行わない「ゆる部活」と称される活動も増加している[58][60]

クラブチームへの移行

レベルの高い指導者のニーズや部活動の強制が見直されている流れがあり、地域のクラブチームへ入る生徒も増加している[32]

サッカーではJリーグ開幕から参加チームにはユースチームの設置が義務化されたこともあり、選手育成はクラブチームへ移行が進んでいるが、部活動とクラブチームの交流大会(高円宮杯プレミアリーグ)を行うなど、競技力の底上げに勤めている[58]。高校バスケットボールではトップ8校がリーグ形式で戦うトップリーグを開始し[58]、クラブチームやB.LEAGUEのユースチームの参加も予定している[61]

洛南高等学校陸上部の中長距離種目では2023年から休日にクラブチーム化し、地域の中学生を受け入れるようになった[62]

公立中学校における部活動の地域移行

2022年6月のスポーツ庁の有識者会議で公立中学校で行われている運動部の部活動を段階的に地域のスポーツクラブなどの外部に移行することが提言された。また文化庁でも文化系の部活動において同様の議論がなされている[63]

公立中学校の部活動を民間クラブなどに移す「地域移行」は、少子化や教員の過大な負担を背景として国が進めており、2023年度から2025年度までの3年間を、段階的に休日の部活動を移行するよう促す「改革推進期間」としていたが、受け入れる団体側や生徒の保護者には金銭面などの負担増に対する懸念がいまだ根強い[64]。進捗状況も地域によって差があり、識者は「教育にかけるお金の議論を」と呼びかける。地域移行により期待されるメリットの一つが専門性の高い指導だが、運営には資金面の不安がつきまとう[64]

地域移行難航の例

国は当初、2023年度からの3年間を「改革集中期間」とし、全国で休日の移行をほぼ達成するとしていた。だが、指導者の確保や資金面から困難との意見が相次ぎ、明確な達成期限を設けない「改革推進期間」に改めた経緯がある。さらに2024年の有識者会議では2026年度からの6年間を「改革実行期間」とし、原則全ての部活動で休日の移行を目指す指針が示された。将来的には平日の移行も推進する。「地域移行」の名称も、地域全体で支える趣旨を強調しようと「地域展開」とする見通し。

2025年5月16日、スポーツ庁と文化庁の有識者会議は提言を取りまとめ、休日は2031年度までにすべての部活動での移行を目指すことを盛り込んだ[65]。2026年度からの6年間を「改革実行期間」と設定し、平日の取り組みも進める。提言には、学校と地域を分断する印象を避け、地域全体で部活動を支えることを明確にする狙いから、地域移行の名称を今後「地域展開」に改めることも明記した。会議では全国の取り組み状況の調査結果も報告され、2024年度までに休日の地域移行や他行と合同での活動などに乗り出した部活動の割合は、運動部で37%、文化部で28%だった。2025年度は運動部で53%、文化部で45%となる見通し[65]

部活動の地域移行に関する有識者会議の提言のポイント
  • 2026年度からの6年間を「改革実行期間」とする
  • 2026年度から休日に加えて平日でも取り組みを進める
  • 2031年度までに休日は全ての部活動で移行を目指す
  • 「地域移行」を「地域展開」と名称変更
  • 民間クラブでの活動費について、保護者負担額の目安を示すよう国に求める
  • クラブの信頼性を国と地方公共団体で担保する仕組みの構築を要請
地域移行難航の例

2025年 公立中学校の和楽器部 。地域での演奏会は土日で年10回以上。熱心な活動で毎年入部希望者は多い。学校運営協議会では、講師を探す結論になった。しかし民業圧迫とボランティア講師の生計という問題がある。例えば 和楽器専門家のA先生がボランティア講師を引き受けて、全ての演奏会に出そうとする。和楽器教室に通うと月謝が高いので、社会教育の機会均等の実現には理想的な先生である。しかし、他の和楽器を教えている地域の先生の弟子(子ども)は安い部活に流れて減り、個人の先生の教室に楽器を習いに行く大人は年々減少傾向にあるので、子どもが減るのは打撃が大きく、廃業する可能性がある。いわゆる民業圧迫の状態となる。一方、A先生は演奏会にかかる経費で赤字 になる(学校も現状赤字)。また、演奏会は日ごろの生徒の練習成果を示す良い機会だが、当該中学のように厳しい指導は嫌となると、一定水準の演奏レベルに達せず、A先生としては不本意な上、演奏を聞いた地域の親は、A先生に教わっても上手くなることはないと思って習わせるのをやめてしまう可能性があることと、部活で和楽器を習った子はその後月謝を払って町の先生に和楽器を習いにいくことはほとんどない(40年で1人の割合)こと、また部活なら教師がついているので子ども同士のトラブルや、さぼる子などの対応は教師が行ったが、思春期の子どもたちのA先生への丸投げにならないか。結果的にA先生管理下で子どもがけがをしたり楽器が壊れたりしたときにボランティア保険があっても、世間からはバッシングを受け、A先生は困窮した上に心を病むかもしれず、A先生も廃業してしまい、その地域の和楽器の先生はいなくなる、というリスクがある。
スポーツ部活のコーチはスポーツを教えることが本業ではない人であれば、自分の生活を脅かされることはないので、今まで述べたことは、文科系社会教育に共通する問題だと言える。そのような視点は芸術系に携わる専門家しか思い至らない。
協議会の、地域の子どものためなら何でもするという人々に依頼され「子どものためだから何とか協力して欲しい」と言われて、違う理由で断っているという現実がある。なぜなら、子どものためにと言っている人に、お金のためにできないということは地域で暮らしにくくなるリスクがあるからである。協議会は、子どものために熱心に考え素晴らしいが、今回の議論では和楽器で生計を立てている人には過酷な条件を突きつけられている状態である。

いじめ

部活動もいじめが発生しやすい空間の一つであり、運動系においても文化系においてもいじめが発生している。先輩―後輩の上下関係による権力格差が存在する場合があること、顧問の教員が部活動にあまり顔を出せず児童生徒の監督ができなかったり関係性の変化に気づかなかったりする場合があること、外部の目が行き届きにくいこと、閉鎖的な関係性の中で児童生徒間の同調圧力が強まる場合があること、勝敗や成績の責任を問われる場合があることや失敗が許されない雰囲気が生まれやすいこと、レギュラーや成績が優秀な部員に対するねたみが生まれやすいこと、受け継がれてきた伝統を守ることが強要される場合があること、チームワークを理由に同じ行動・考えを強要されやすいことなどが、いじめが発生する要因となりうる[66][67][68]

対策として、部活動におけるいじめ防止プログラムの開発・提供や、いじめ予防実践を積極的に行うための教職員への支援が求められる。加えて、部活動時間中に大人の見守り・介入があることがいじめの予防につながることから、教職員が部活動の指導に当たる時間をできるだけ長く確保できるようにするための制度的改善や、外部人材の導入促進も急務とされている[69]

また、現場教員への質問紙調査を行い、部活動におけるいじめの予防および早期発見に向けて教員が必要とする支援を分析した調査研究によると、部活動いじめ予防プログラムの開発・提供、外部指導者・教員指導者の増員、複数顧問体制を確立するための人員配置、巡回指導員やメンタルトレーナーの派遣等の支援が必要とされている。加えて、外部指導者・教員への研修や、児童生徒が安心・安全に活動できる環境が整っているか確認する外部審査の導入、顧問以外に相談できる窓口の周知や定期的な相談会の実施、スクールカウンセラー等による定期的な予防的カウンセリングを通した部活動内のトラブルのチェック等も求められている[68]

日本国外での学校教育の部活動

アメリカ合衆国イギリス英連邦諸国では部活動は日本のように純粋な学校活動として位置づけられているものではなく、一般的に学校と地域で共同で実施されている活動である[70]

運動系の課外活動においては、ドイツイタリア北欧などのでは地域のスポーツクラブ等はあるのであるが、学校活動としての部活動に相当するものはない[70]

運動系のうち、プロスポーツのクラブチームはスカウトを用い、競技育成のためのユースチームやアカデミーなどを設けて、選手を発掘し育成している。

ただし前述の他に、北欧の中でもスウェーデンは、高等学校の中には、トップクラスのスポーツトレーニングのための特別な時間を取ることができるクラスを設けている学校もあることが知られており[71]、このためJリーグでもプレーしたロビン・シモヴィッチは、自国でプロサッカー選手になるルートについて、母国スウェーデンも日本と同じと回答している[72]。気候の関係で室内スポーツがさかんなイランなどはサッカーの他にフットサルに親しんだ多くの子供たちが学校教育とフットサルリーグによって磨かれており、同国のプロクラブへピックアップされていくことが知られる。同国では小学校から大学までの各教育課程の中にフットサルのトーナメントがあり、全国大会も開かれている。その頂点が同国フットサル連盟が主催するプロリーグとなっている[73]高校サッカーも参照。

プロ化が90年代末であったラグビーユニオン(15人制ラグビー)については、伝統的に学校教育でも培われており、南アフリカ、ニュージーランド、アイルランド、イングランド、日本といったクラブ間のリーグ戦をもつほどの国は、若年層からプロへのスムーズな移行を目的とした体系的な育成パスウェイを整備しているが、各国の選手育成システムは、競技文化、プロ化の度合い、育成アカデミーの質によって特徴が異なる。長く学校チームで選手育成が培われたことで、選手育成の共通的な傾向・重要ポイントとして育成パスウェイ、つまり競技を始めてから、代表チームや最高峰リーグに到達するまでのプロセスは、各国共通として長期的な育成計画により年齢や成長度に応じた適切な指導と、スキルの開発と同時に質の高いコーチを育成することが、若手の能力を引き出すために不可欠となっている。競技のプロ化以降はプロアカデミーの充実化、つまり18-24歳頃のシニアアカデミー期間に、プロチームと同様の環境でトレーニングを行う等がある。ただしラグビーユニオンでは日本を含め、多くの国で資格(居住や出自)を満たした海外出身選手が育成・強化の一環として国も代表に招集されているという事情や、ニュージーランドなどのように自然と代表が育つ文化を持つ国と、アイルランドやイングランドのようにアカデミーという組織で集中的に育てる等、各国でアプローチは異なるが、いずれも若年期の選抜と高強度のトレーニングが重要となっている。同競技では高校生世代では学校対抗国際大会であるサニックスワールドラグビーユース交流大会も知られる。

後述のとおり、青少年のスポーツはヨーロッパや中南米ではクラブチームでの育成の他に、国によってスポーツに特化した中等学校が組織されている。アジア諸国でも数多くのスポーツスクールが存在し、例えばシンガポールのシンガポール・スポーツスクール (Singapore_Sports_School) マレーシアクアラルンプールのブキット・ジャリル・スポーツスクール (Bukit_Jalil_Sports_School) 、香港の香港スポーツ学院 (Hong_Kong_Sports_Institute) などがその例である。

チェスはFIDE(国際チェス連盟)が世界各地で学校チェス選手権(Schools_Chess_Championship、例えば英国学校チェス選手権(en:British_Schools_Chess_Championship)など)や関連イベントが大規模に開催されている。2026年には大陸ごとの予選(アジア、欧州、南北アメリカ、アフリカ)とグランドファイナルで構成されるワールド・スクール・チーム・チャンピオンシップ(WSTCL)を開催[74]

各国の状況は、以下の通り。

アメリカ

アメリカの教育政策やスポーツ政策は各州で状況が異なる[15]

カリフォルニア州の場合、中学校や高等学校では放課後にするクラブ活動が整備されているが[15]、カリフォルニア州も含め全米各州の学校で、入部の条件としてトライアウトへの合格が必要になる例が多い[15][75]。 野球、バスケットボール、アメリカンフットボールなどの人気競技では経験者でなければ入部することは難しいシステムとなっている[15]。また、季節によって異なる種目に所属して活動する生徒も多い[15]。もし入部できずまた高校にクラブがない場合は、地域コミュニティのクラブ活動に参加する。さらに高校やコミュニティのクラブ活動の他にも、生徒会活動やユースグループ活動(青少年活動)、協会のコミュニティ活動、そして地域のボランティア活動といった様々な活動もある[75]

アメリカは日本同様スポーツの実施はスクールスポーツがメインとなっていることで、放課後毎日練習がある。また学校部活の他に地域クラブもあるが、指導者の特徴は、教員兼任、外部指導者、保護者ボランティアが混在で、学業との両立支援は、GPA制度、アカデミックセンターなどがある。公的支援の特色は州ごと地域差が大きく、民間主導色も強い。

アメリカの高校世代ではバスケットボールが盛んである。en:High_school_basketballも参照。en:ABCD Campといったトレセンや高校バスケを描いた映画(en:The American Gameen:Hardwood Dreamsen:More than a Game等)やen:All-America#High school sportsも参照。 en:Link Academy (Missouri)en:Baltimore City College boys' basketballen:List of OHSAA basketball champions(オハイオ州大会優勝校)やen:List of PIAA basketball state championsなどの学校がみられる。オールスター戦であるen:Ballislife All-American Gameなどやマクドナルド・オール・アメリカンは、アメリカ合衆国とカナダのハイスクールを卒業した男子、女子のバスケットボール選手を選抜し毎年行われるオールスターイベントである。またen:McDonald's All-American Dunk Contestも開催される。

en:ESPN Rise boys' high school basketball All-Americansen:USA Today All-USA High School Basketball TeamU.S. high school basketball national player of the year awards、アメリカ合衆国男子高校バスケットボール界の年間最優秀選手賞のミスター・バスケットボールUSAen:Gatorade Player of the Year awardsen:MaxPreps National Basketball Player of the Year awardsen:Naismith Prep Player of the Year Awardといった優秀選手賞も多い。詳しくは、en:Category:Mr._and_Miss_Basketball_awardsを参照。高校バスケのen:Hoosier hysteriaと呼ばれる熱狂で知られるインディアナ州のen:Cutting down the netsという儀式がある。2010年には同州の男子高校バスケット選手権は100周年を迎えた。(en:2010 IHSAA Boys Basketball Championship

大会は選手権には en:List of Arkansas state high school basketball championsen:California high school basketball championshipen:Illinois High School Boys Basketball Championship等、 ミズーリ州の大会には en:List of Missouri state high school boys basketball championshipsen:List of Missouri state high school girls basketball championshipsが、 ニューヨーク州には en:New York state high school boys basketball championshipsen:New York State Public High School Athletic Association Boys Basketball Championshipsや、 en:Sweet Sixteen (KHSAA State Basketball Championship)などがみられる。リーグはen:Baltimore Catholic Leagueen:Nike Elite Youth Basketball League、 Classicやトーナメントにはen:Beach Ball Classicen:Burger King Classicen:Capital Classic (all-star game)en:City of Palms Classicen:Frank Spencer Holiday Classicen:Jordan Brand Classicen:Kentucky Derby Festival Basketball Classicen:King Cotton Classicen:State Farm Holiday Classicen:Roundball Classicen:The Classic at Tennessee High Schoolen:Indiana High School Boys Basketball Tournamenten:Les Schwab Invitationalen:Pacific Union College Academy basketball tournamenten:Nike Global Challengeen:Nike Hoop Summitなど。 en:Tournament of Champions (NJSIAA)などもあった。

カナダ

カナダには学校の授業でも専門性のある科目クラス例えば溶接や心理学、栄養学といった科目クラスなどが多くあり、また座学教育が少ない。 このためか多くの活動クラブが存在する。ほとんどの高校には運動系のクラブと文化系のクラブがある。運動系のクラブにはアメリカと同様に活動シーズンが制となっており[76]、そのため生徒は様々なクラブに参加することが可能となる。練習の頻度も様々で、活動期間が短いクラブの場合はその分毎日練習という場合もある。試合は他の高校と平日の夜や週末に行われている[75]

運動系と異なり、文化系のクラブ活動はほとんどが通年で、週に1・2回、放課後に活動しておりまた全て1年通して所属可能となっている。イヤーブック(卒業アルバムの制作)や写真、バンド(吹奏楽)、choir (合唱団)、読書、チェス、外部ボランティア、朝昼食ボランティア(Breakfast部)、生徒会、イベント企画(Grad class)、放送といったクラブ活動がある[77][75]

カナダのスポーツではアイスホッケーが国の文化そのものであり、最高峰のナショナルホッケーリーグNHLチーム(トロント、モントリオール等7チーム)から、大学の (U_Sports) 、ジュニアのCHL (Canadian Hockey League) まで、学校クラブをベースにして非常に階層化された育成システムを持つ。全国的にレベル分けがされ、プロや大学への道を繋いでいる。 大学リーグのU_Sportsは、カナダの大学スポーツを統括。西(CW)、オンタリオ(OUA)、東(AUS)の3リーグに分かれる。ボーディングスクールが中心で、特に、アソル・マレー・カレッジ・オブ・ノートルダム(en:Athol_Murray_College_of_Notre_Dame, サスカチュワン州)、スタンステッド・カレッジ(en:Stanstead College, ケベック州)、オンタリオ・ホッケー・アカデミー(OHA、オンタリオ州)などが有名で、文武両道とプロへの登竜門として知られ、さらにリドリー・カレッジ(en:Ridley_College_(Ontario), オンタリオ州)など、学業と専門的なホッケートレーニングを組み合わせた学校やプログラムも多数存在する。主な選手はジュニアのCHLを経て入部し、ここからNHLといったプロへ昇格するケースも多い。ジュニアリーグは16~20歳が中心の主要リーグ(WHL, OHL, QMJHL)であるCHLや、カナダ全土に約130チームを持つ2部組織であるCJHL (Canadian Junior Hockey League) がある。 レベルは最上級レベルでスカウトが注目するAAA(トリプルA)、中級から育成レベルのAA / A、地域コミュニティレベルのB / Cとなる。 カナダの学校アイスホッケー部は、レベルの高い環境で専門的なトレーニングを受けられるアカデミーから、地域活動として楽しむ一般の部活まで多様である。主に9から12年生まで(日本で14歳から18歳まで)が所属し、冬のシーズンを通してリーグ戦やトーナメントに参加。留学や競技力向上を目的とした専用施設を持つ私立校や、ホッケープログラムを持つ公立校が人気である。例えばホッケーアカデミー(私立)にはカナディアンインターナショナルホッケーアカデミー(Canadian International Hockey Academy, CIHA)や上記のオンタリオホッケーアカデミー(OHA)など、学業と高強度なトレーニングを両立させ、アメリカNCAAやプロを目指す環境となっている。一方で一般校(公立・私立)では、学校のチームで学校間の対抗戦を行いながら、地域リーグにも参加をしている場合もある。

イギリス

イギリスの部活動(学校スポーツ)の歴史19世紀のパブリックスクールを起源とする[15]。運動部の部活動は初等学校と中等学校の双方にあり体育教師が指導している例が多い[15]。部活動加入率は約50%で多くの児童や生徒は週に1 ~ 2回の活動である[15]

イングランドの学校で提供されているスポーツ種目数は約50種目であり、各学校では平均18.2種目となっている[15]

イングランドのナショナルカリキュラムでは、初等学校や中等学校については体育の時間数を週2時間、部活動あるいは地域でのスポーツ活動を週3時間とする計週5時間を政策目標としている[15]

主に3か月ごとに内容が変わる放課後クラブの活動(Clubs/Activities)が行われており[78]、主に季節ごとのスポーツ(サッカー、ラグビー、クリケット等)が中心となるが、様々なスポーツが行われており[79]、学業の息抜きとして和気藹々と行われている[80]。そして兼部可能なクラブ活動を行っていることもある[81]。特に同国のパブリックスクールの校庭には、クリケット、ラグビー、ホッケーなどのピッチが設置されている[82]。また、学校のスポーツチームがあるので、学校対抗試合などがあり、放課後などに練習をおこなっている。たとえばラグビーユニオンにおいては高校年代の学校別大会ではRFUナショナルスクールカップ英語版といった大会も行われている。

イングランドではラグビー育成が学校とクラブと構造化されたアカデミーシステムをもち、ラグビー・フットボール・ユニオン(イングランド協会・RFU)とプレミアシップ(1部リーグ)のクラブが提携し、14の地域アカデミーを運営。幼少期からトップレベルに至るまで構造化された「プレイヤー・パスウェイ」を通じて育成されており、U16-U18のジュニア、18-24のシニア: アカデミーが段階的に才能ある選手を選抜・育成し、プロ選手へ成長させる。Developing Player Programme (DPP)という12から14歳を中心とした若手層に対し、質の高いコーチングと適切な練習環境を提供。そしてCenter of Excellence & Academiesと呼ばれるプロクラブ(プレミアシップ)が運営するアカデミーが、10代後半の才能ある選手を専門的に育成。そしてU18/U20 代表をエリートパフォーマンス・パスウェイ(EPPP)の一部として、年代別の代表チームで国際経験を積ませている。 同国ではラグビーは晩成型のスポーツであるととらえているため、成長過程の早い段階での選抜・脱落(デセレクション)を避け、12歳からプロの入り口まで一貫したプログラムを提供。そして強豪クラブであるサラセンズのようなクラブは、若い才能の特定と育成に定評があり、多くのイングランド代表選手を輩出している。イングランドでは伝統的に学校でのラグビー活動も盛んであり、クラブのアカデミーと連携して選手が育成されるケースも多い[83]。強豪校もラグビー発祥の地であるラグビー校 (Rugby School) を筆頭に、伝統的に強いとされるパブリックスクールが多いが、大学ではブリストル大学や、ダーラム大学が知られる。 同国で原則大学でラグビーを続ける学生は皆、英国大学&カレッジスポーツ (BUCS:en:British_Universities_and_Colleges_Sport) に所属する大学ラグビー部でプレーしている。そして1年間を通じて一定数以上の年間学習時間を積まなければ、プレーすることはできなくなっている。

北イギリス(主にイングランド北部)のラグビーリーグ(Rugby League)は、スーパーリーグを頂点とする強固な選手育成システムを構築しており、地域密着型で若手選手をプロへと引き上げる体制が整っている。イングランド・タレント・パスウェイ(England Talent Pathway - ETP)として、12~14歳の若手プレーヤーを対象に、コミュニティクラブや専門コーチを通じて質の高い指導を提供。全ての若手がプロへの可能性を持っているという前提で、包括的なトレーニングが行われている。 ブラッドフォード・ブルズなどが採用しているブルズ・タレント・パスウェイ (Bulls Talent Pathway)プログラムは、コミュニティコーチの教育(認定コーチ化)を通じて、12~14歳の選手に質の高い指導を確実に行うためのものである。スーパーリーグはサッカー同様プロクラブ(スーパーリーグ所属チームなど)が直属のアカデミーを保有しており、16~19歳の若手選手を指導・育成している[84]

教育とラグビーの二重キャリア(Dual Career)としてRugby League Development Academies (RFL公認)という、16~19歳の選手が専門的なラグビーの指導を受けながら、高校・カレッジなどで座学(教育)も両立させる制度がある。そして、パーク・ビュー・アカデミー・オブ・スポーツのようなカレッジは、RFL(ラグビーフットボールリーグ)と連携し、プロアカデミーに準ずる環境のカレッジ・ラグビーリーグで、定期的な試合経験を提供している。セント・ヘレンズ・カレッジ・ラグビーリーグアカデミーなどは、プロクラブのセント・ヘレンズと連携し、技術・身体能力の向上だけでなく、学業成績の維持(GCSEなど)も重視するプログラムである[85]

また、地域密着型の育成拠点を設けており、例えばハルFC(Hull FC)の場合、地元の若手選手(ホームグロウン)の育成を強化しており、150人以上の選手がセンター・オブ・エクセレンス(CofE)のプレイヤープログラムに登録している。ハルFCは、カンブリア地区の専門カレッジ(Cumbria Institute of Sport)と提携し、北部全域から有能な選手を発掘・育成するハブを構築している[86]。競技力向上だけでなく、学業や社会的なスキルも重視され、Well-rounded(多才・人格的)な個人を育てることも理念としている。また12~14歳の段階で、コミュニティクラブのコーチにプロの指導理論を伝え、指導の質の底上げもしている[87]。このように、北イギリスのラグビーリーグでは、10代前半からの確実なタレント発掘と、16歳以降の学業とプロを繋ぐ「二重キャリア」のパスウェイが育成の核となっている。

イングランドにおいてはクリケットも国技であり、4月から9月の夏季に学校のクラブ活動や地域クラブで盛んに行われる人気のスポーツである[88]アーサー・コナン・ドイルスティーブ・イースターブルックゲーリー・リネカーといった人物らも学校のクリケットチームで活躍したのである。同国が関係する名門校同士のクリケット対戦にはen:Westminster_v_Charterhouse,_1794をはじめ1933年以来、プリンス・オブ・ウェールズ・カレッジ(Prince_of_Wales_College、PWC)とセント・セバスチャンズ・カレッジ(St._Sebastian's_College、SSC)の間で毎年行われているクリケットの試合en:Battle_of_the_Golds_(Moratuwa)や、en:Eton_v_Harrowen:Fowler's_matchが有名)などが知られる。クリケットの盛んな学校には上記のウェストミンスター・スクールチャーターハウス・スクールイートン・カレッジハロウスクールなどの他、en:Canford Schoolen:Cheltenham Collegeen:Clifton Collegeen:Haileybury and Imperial Service Collegeen:Marlborough Collegeen:Oundle Schoolen:Repton Schoolen:Tonbridge Schoolen:Uppingham Schoolウィンチェスター・カレッジ、などが知られる。en:History of English amateur cricketも参照。

アイルランド

イギリスの教育体系に類似するアイルランドの学校では高校(セカンダリースクール)4年生にあたる15~16歳の学年になると、トランジションイヤー(TY:en:Transition year)という校外活動や職場体験が活発に行われる。同国では特に高校でも部活動はあるが、日本ほど盛んではなく日本の部活動とは異なり、スポーツは楽しむもの、そして本格的なスポーツ活動は学校外で行うものという側面も強い。授業後の自主活動のほか地域のクラブチームに参加する形式が一般的であり、そこでは定番のラグビーやサッカーの他、アイルランド特有の国民的スポーツであるゲーリックフットボールハーリングが人気である。またオーケストラ、合唱団といった音楽活動も盛んで、こうして、音楽やスポーツの個別レッスンや活動が学校生活で重要視されている。時間も毎日練習から週1から2回の試合が多い。同国の学校は、基本的に月曜日から金曜日の午前9時から午後4時までで、水曜日のみ午前に終わり、放課後を練習にあてている[89][90]

そして、同国ラグビーユニオンは、国代表チームは北アイルランドと合同で、またクラブのほうはスコットランド・ウェールズ・イタリア・南アフリカの各クラブチームとともに、ユナイテッド・ラグビー・チャンピオンシップ(通称URC 旧Pro14)に属しているが、世界最高峰のアカデミーとして、4つの州の各協会が所有するプロクラブのアカデミーが、若手選手をエリートレベルへ効率的に育成する。学校ラグビーが重視されており、特定の学校が依然として代表選手の多くを輩出し、学校とアカデミーのシナジーが強力である。アイルランドは高校を卒業したあとに日本と同じく大学へ進学するが、ラグビーはAll Ireland Leagueと呼ばれるアマチュアクラブ全国リーグに参戦しているクラブ(一部大学のチームもある)へ加入。そこでU20もしくはシニア(年齢制限無し)のチームでプロの下部組織の活動と並行しながら、アイルランドU20へと選抜されていき、そこで活躍が認められるとプロチームの指定強化選手(アカデミー選手)となり、URCと言われるリーグでプレー後に代表入りとなる。アカデミーシステムはチームが独自に採用している若手育成プログラムで、毎年約7人の選手が指定強化枠として入団して3年で契約を結び、プロ選手となる。また協会は資格保持者を見つけ育てるため、IQ(Irish Qualified) Rugbyというプログラムをユース世代から行なっている。アイルランドのラグビー強豪校は、主にダブリンの私立高校に多く、ブラックロック・カレッジ (Blackrock College) やベルベデーレ・カレッジ (Belvedere College) セント・マイケルズ・カレッジ (St. Michael's College) といった学校が特に有名で、プロクラブへの選手供給源にもなっている。

フランス

フランスでは体育教育とは別に児童・生徒に対して教育スポーツ(sport scolaire)と呼ばれる活動が提供されている[15]。教育スポーツは国民教育省とスポーツ省の共同のパートナーシップで実施されている[15]

フランスでは教育スポーツを推進するため各学校に学校スポーツ非営利社団(AS)が創設されている[15]

  • 初等教育ではASの創設義務はないものの、初等教育のASの統括団体である初等教育スポーツ連合(USEP)の加盟校は13,200校である[15][91]
  • 中等教育ではASの創設義務があり、加入を希望する中学生や高校生はASに所属して競技に参加することができる[15][92]

2006年の調査ではASに加入してスポーツを行っている生徒が約20%、スポーツクラブに加入してスポーツを行っている生徒が約52%、組織に所属せず自由にスポーツを実践している生徒が約68%であった(複数回答可能な調査で重複あり)[15]。活動の場としてコミューン(市町村)などの地方自治体と連携し、非営利の地域クラブや学校内のスポーツ協会が競技活動を主催している。 これらは学校教育の枠組みは維持しつつ、外部民間のスポーツ団体の"自主的な"活動によって支えられている。

個人主義のお国柄もあり、やりたい人が個人的にやりたいことをするという感じがある。またフランス人の先生の仕事にはクラブの運営は入っていないのである。いわゆる日本的な部活動は基本的にないが、ヨーロッパの学校は国にもよるが、日本に比べて軒並み終業時間がかなり短い。土・日完全休日制で金曜日も半日で授業が終業、1日の授業も午後2時位までには終業となる。以降は時間があるため、サッカー、バスケ、テニス、その他スポーツ、乗馬や、音楽関係等を行いたい生徒は、自分で地域のクラブチームなどに入ることになる。こうした地域のクラブと呼ばれるものが数多く存在する。ただし高校となると、金曜日以外の日ももう1日に午後の授業がないという日を設けている学校もあるが、高校生ぐらいになると授業が朝8時ぐらいから夕方6時近くまであり、相当量の宿題や予習が課されることもある学校もあり、それをこなす生活を送るといった自宅学習量や受験勉強のこと等でさらに部活・クラブ活動までもとなると、毎日夜には疲弊してしまうという背景もある。

フランスの学校スポーツで、非営利のスポーツ社団(クラブ)が地域と連携して推進しているのは、主に「1901年法」に基づく。学校単位の部活動ではなく、学校内や地域クラブに登録し、専門的な指導者から活動(サッカーや水泳など)を享受するシステムが主流である[93]。学校体育指導と外部対抗用の学校チーム等(後述)に関連するスポーツアソシエーションもこの形態をとり、指導や運営を行っている。授業後の活動や水曜日に休みになることを利用して、自治体や地域の非営利スポーツクラブ(Association sportive)で活動することも多い。こうして子供の体育教育は、地域スポーツ活動の一画として捉えられて地域スポーツが盛んになっており、日本と比して教育カリキュラムの基本条件が違うことから、校庭のサイズも広くなく、外部提携のために体育館等もないことも普通である。またフランスの学校は、昼休みが2時間もあることもあり、学校の昼休みを利用したり、14時ないし16時半に学校が終わってからの時間を使って、学校でスポーツや音楽など自分の好きなものを選択して習うことができる仕組みとなってり、日本のクラブ活動や部活動というよりは習い事に近いイメージのものである。学校外部でやる習い事と違い、同じ学校の生徒たちが参加することになる。また、どのような活動内容があるかは学校によって違い、どの学年から選択できるかも、学校によって相違がある[94]

そして英連邦諸国同様、フランスなども学校で生徒を募ってオーケストラや劇団、サッカーやバレーボールといったスポーツのチームがあり、学校対抗試合や国内地域の大会に参加している。これらは学校のチームとされていても、学校が運営しているのではなく、例えば保護者会といった学校運営とは別の組織が、学校の場所を借りて練習するという形式となっている。そして、教師らが演劇の好きで演劇部を開設し指導する、パソコン好きでコンピュータークラブをつくる等、教師の個人的な趣向によって立ち上げて運営されることもある。ただしその場合は、その教師が転任や退任等いなくなれば、そのクラブも消滅に至ることになる。エマニュエル・マクロンも、夫人と出会ったのは学校の演劇部であり、夫人がその部の顧問であったのである[95][96]

こうして、学校スポーツの伝統が薄いこともあって、ヨーロッパのラグビー強豪国のなかでも育成は、前述のヨーロッパの国々とは異なる。同国のラグビー界は、1892年に創設された最高峰のプロリーグTOP14(トップ14)に所属するクラブチームが圧倒的な中心である。ジュニアからトップチームまでクラブでプレーし続けるのが特徴で、日本や英国など、学校のチームが主軸になる年代がある国とは対照的である。そして同国の特徴であるオフロードパスでラックを作らず、スペースにどんどんつないでいくスタイルである超速ラグビーを全世代が行う育成となっている。アカデミーに入れば18歳前後で3年間のプロ契約を結ぶケースが多く、早い段階から高強度の環境で経験を積む。こうして専門的なトレーニングと早いプロ契約、若手の完全プロ化と、若年層から強豪国の選手と互角に戦えるフィジカルと組織力が育成される。

そして実は、フランスはクラブが長くフランス人以外の外国人選手を重用し、フランス人の選手がリーグでプレー出来ず、代表チームが弱体していたが、2010年に導入された規定であるfr:JIFF(Joueurs issus des filieres de formation:フランスの育成機関出身選手)によって、一定数のフランス人選手をプレーさせるようになった。この規定はフランススポーツ省によって承認されたラグビークラブ(プロクラブ)の育成機関で、承認された育成契約の枠内で(16歳から21歳の間に)少なくとも3シーズンを過ごした選手と、フランス協会に登録されているアマチュアクラブで、23歳になるまでに少なくとも5シーズン(連続または非連続で)ライセンスを取得し、実際にプレーした選手が該当となるが、海外の才能ある選手をJIFFになるように10代から渡仏させて育成契約を結ぶクラブも出現、このケースが増えないように、育成期間に課程を受講し試験に合格、または課程を修了して、資格やディプロマを取得した選手、という教育要件も条件に加えられている。この教育課程は フランス協会/LNR育成委員会によって承認された教育機関(大学含め学校、または職業訓練校)としている[97]。 逆に、フランス国籍を持っていてもJIFFに該当しない場合もあり、こうした選手の中には海外でラグビーチームのある教育機関でプレーし、ラグビー選手となったケースもある[98]

ドイツ

ドイツでは、高松(2020)が示すとおり日本のような部活はない[99]。運動系の部活動に相当するものはないが、授業外スポーツ活動は盛んに行われている[15]。ヘッセン州では授業外スポーツ活動として全日制プログラムや協議会の開催などが実施されている[15]

学校は基本的には午前中で授業が終わりである。ただし学年が上がっていくと、週のうち1、2日程度、午後からの授業もある。学校によっては午後から音楽や演劇などのグループがある。これが日本の部活に比較的近い。いずれにせよドイツの学校の時間割の基本設計は午前中で終わり、課外活動も日本の学校ほどではない[99]。日本のような運動部にあたるスポーツ・運動組織は学校外にスポートフェライン(Sportverein)と呼ばれる「スポーツクラブ」で担うことが知られる[100][101]

そして、これとは別にアスリートをも育成してしまう日本の運動部強豪校/高校スポーツコース・クラス等にあたる仕組みとしては、ドイツではエリートシューレ(de:Eliteschule_des_Sports)というギムナジウムが知られる。これは学校と育成を担うアカデミーつまりスポーツクラブがセットとなっており、日本の学校運動部にあたる部分をスポーツクラブが担うというものである[102]。お互いが近接することで、普段の授業は学校で、昼休みや放課後等の練習はクラブで行う仕組みであるが、この制度は、ドイツオリンピックスポーツ連盟(DOSB)と各州の教育省が連携して運営しており、全国に40校以上が存在してサッカー、陸上、スイミング、体操など多種多様な競技に対応しており、中等教育内での一貫したサポートも特徴である。育成拠点となるエリートシューレ+クラブの指導者の特徴は、高資格のプロコーチからの指導であり、また学校とクラブの一体運用である。

そして単なるトレーニングセンターではなく、この制度の使命は、世界で戦える選手を育てることと同時に、同国の卒業資格・アビトゥーアを持つ人材を育てることをスローガンとしている[103]。学業との両立支援は、補習・試験調整などが制度化しており、公的支援の特色として、連邦・州・自治体による制度的支援が備わっている。

ドイツでは都市の中にはアウクスブルクのように多くの合唱団があり、その大部分はキリスト教団体、音楽学校だけでなく、一般の学校にも属している。なかでも混声合唱団アルベルト・グライナー・ジング・ウント・ムジークシューレや聖シュテファン・ギムナジウム合唱部は、市外でもよく知られている。

ドイツでは大学にも部活やサークルがないとされているが、サッカーやバレーボール、卓球などの球技はもちろんのこと、ヨガ、ダンス、登山、水泳、さらには柔道、剣道といったスポーツの様々なコースである「Hochschulsport」あるいは「Unisport」というものがあり、多くの学生がこれに参加し、スポーツを楽しむ。大学によっては、学期を通して「Uni-Liga」と呼ばれる学内の大会が開催されているところもあり、友達同士でチームを作り、それに参加することもできる。週に1、2回大学のグラウンドや体育館を利用して行われるが学生は無料あるいは格安で、外部の者も参加することができるが、その場合は参加費を支払う必要が生じる[104]

イタリア

イタリアなどもフランス同様、学校スポーツの伝統が薄い。このため、各国では学校が担うことが多いラグビーユニオン選手の育成は、おもに1929年に大会創設されたセリエAエリートを頂点とするイタリアラグビー連盟(FIR)運営のリーグなどに属するクラブチームのアカデミーなどが行っているが、クラブもフランスに地理的に近いヴェネトエミリア=ロマーニャロンバルディアに集中している。そうした地域ではもともとは私立のカトリック学校でラグビーが伝統的に行われてきた。カトリック学校側は、ラグビーが規律、尊重、体力を養い、学校のコミュニティ意識を高める手段として評価しているとされている。連盟も学校でのラグビー普及活動を行っており、過去にはヴェネト州のCFP Pavoni(モンタニャーナ)のような学校で、15歳から18歳を対象としたラグビー・リーグの訓練プロジェクトを実施した事例がある。2006年に設置されたFIRの永続的トレーニングセンター(Centro di Formazione Permanente, CDFP)は、各地の高校と提携しており、ミラノのイステイト・レオーネXIII(Istituto Leone XIII)のようなカトリック系の教育機関が、同競技の若手エリート選手の訓練施設として利用されることもある。

オランダ

オランダも学校スポーツはドイツ等の国と同様にトップスポーツ・タレント・スクール/nl:Topsport Talentschool(TTS、旧LOOT校、正式名称: Landelijke Organisatie Onderwijs en Topsport(教育とトップスポーツのための全国組織)の略称)という才能あるスポーツ選手が学業とトップスポーツを両立できるように設計された特別な学校がある。国内の各スポーツ協会、nl:Ministerie_van_Onderwijs,_Cultuur_en_Wetenschap(教育文化科学省)、同国nl:NOC*NSF(オリンピック委員会)の三者が連携し、1991年以来、中等学校として運営されており、カスタマイズされたカリキュラムを通して、若いスポーツの才能を持つ人々が教育とスポーツを両立できるよう支援している。また日本同様、学校がスポーツクラスnl:Sportklasを設けている。

こうした制度と学校はフランドル全体でも採用され、nl:Topsportschoolとして開校されている。

スウェーデン

北欧のうちスウェーデンでは学校単位での運動部や文化部は存在しないが、同国のスポーツ選手の主な育成拠点は前述のとおり地域クラブの他にスポーツ高校(RIG/NIU)となっている。これらの指導者の特徴は、保護者ボランティアが中心であるが、指導者研修が充実している。学業との両立支援は、授業に体育等の時間を競技時間に組み込みが可能であり、公的支援の特色は、LOK補助金などの参加支援制度がある。

学校に部活動はないが、生徒は放課後に、興味に応じて外部組織で活動することが中心で、日本の義務教育の基礎学校低学年ならは、学校に併設されたフリッティッド(Fritids)と呼ばれる学童保育で遊んだり、工作をしたりして過ごすことができる。そしてUngdomsorganisationerという若者団体が組織され、スポーツや音楽の他に、環境保護、政治、趣味(ゲーム・アニメ)などそれぞれの活動団体があり、若者自身が運営に参加している。また、ユースセンターという自治体などが運営する若者向けの施設があり、自由に集まったり、イベントを行ったりして交流する等や、Studieforbundという成人教育協会が提供する学習サークルもあり、料理や水彩画、語学などのワークショップや週末コースなどを、若者から成人まで参加可能である。そして、警察や自治体、地域が協力して、放課後の安心な活動環境を整えるユースワークが、社会に根付いているのである。

南アフリカ共和国

英国の教育システムの影響を受けている南アフリカ共和国は、ラグビー、サッカー、クリケットが3大スポーツとして学校部活でも非常に盛んであり、こうしたスポーツが校技として定められていることもある[105]アパルトヘイト廃止後はこうしたスポーツも民族融和の象徴としても位置づけられている[106]。ただし同国の教育は2つの方向に分岐している。もともとよい学校の大半はかつての白人限定の居住地区にあり、サッカーよりもラグビーが盛んである一方、かつての黒人居住区にある学校では資金不足のあおりを受けているが、サッカーが圧倒的人気を誇る[107]。2004年に南アフリカ全土の公立、私立、独立系高校で開始されたケイ・モツペ・スクールズ・チャンピオンシップは、南アフリカ全土から13,000以上の学校チームが集まり、様々なスポーツで競い合う、毎年恒例の重要なイベントである[108]

一方、独立学校(私立校)やモデルC校(旧白人向け国立学校)はもっぱらラグビーである。世界トップクラスの実力を誇り、スポーツの普及活動が学校レベルから熱心に行われている。同競技にはStellenbosch Academy of Sport (SAS Rugby)[109]やThe Sharks Academy[110]のような専門アカデミーが存在し、プロを目指す選手を専門的に育成する施設と化している。一方でキーズネイ・カレッジやGrey College(グレイカレッジ高校)のようなラグビー強豪校があり、生徒の連帯責任や家族のような絆を重んじる文化がラグビーの強さに繋がっている[111]。南アフリカの学校ラグビーは、将来のプロ選手を育成する強固なシステムの一つであり、世界トップレベルの身体能力と戦術を生み出す土壌となっている。 才能の源泉として、高校時代からユース代表に選ばれる選手も多く、将来のスプリングボクス(ラグビー南アフリカ代表)候補生が育つ仕組みとなっている。才能ある若手選手の流出が課題となるほどであるが、国内育成が確立されている[112]

同国は文化系のクラブ活動もあり、例えば同国歌手でグラミー賞受賞者のミリアム・マケバは、学校の合唱部にて8年間の小学校時代を過ごしている。

オーストラリア

オーストラリアの学校では部活は、日本とは大きく活動が異なっている。スペシャルプログラムというシステムで課外活動を設けており、運動部であれば中学校や高校では近年はサッカーやバスケットボールの人気も上昇中でもあるが、中学高校レベルでラグビーユニオンの強豪校であると、ラグビースペシャルプログラムが存在し、本格的にラグビーをやっている生徒が学校に集まる。そうした学校にはラグビーのスカラシップがある為、ラグビーという競技を続ける生徒には人気がある。卒業生がオーストラリア代表に選ばれたり、他国の代表例えばラグビーニュージーランド代表All Blacksに加入するケースもある。ラグビー人気は衰えず、同国の学校で体育の時間にラグビーを取り入れることも多く、その他にもラグビーの特化クラスやクラブがある学校も多数存在する。

ラグビー等スポーツ以外には音楽関連のスペシャルプログラムもあり何らかの楽器演奏を行っている生徒も多い。そして私立だけで無く、公立の学校も私立と同様、何かに特化したプログラムを設けている学校があり、生徒自身の趣味や得意分野がある場合こうしたプログラムを設けている学校を希望して入学することもある。

これ以外に、同国ではスポーツスクールが存在し、各州で学校スポーツ協会が開設されている。例えばニューサウスウェールズ州では、ニューサウスウェールズ州公立学校体育協会 (Athletic Association of the Great Public Schools of New South Wales) があり、州の教育制度で7つの選抜制スポーツ高校を管理しており、資格を有するスポーツ生徒は通常の地元の生徒集積地域よりはるかに遠方から通って来る。同州にはエンデバー・スポーツ高校 (Endeavour_Sports_High_School) 、ヒルズ・スポーツ高校 (Hills Sports High School) 、ハンター・スポーツ高校、イラワラ・スポーツ高校 (Illawarra Sports High School) 、ナラビーン・スポーツ高校 (Narrabeen Sports High School) 、マトラヴィル・スポーツ高校 (Matraville Sports High Schoo) 、ウェストフィールズ・スポーツ高校 (Westfields Sports High School) などがある。ビクトリア州にはビクトリア州公立学校連合 (Associated Public Schools of Victoria) があり、特にメルボルンでは、 マリビルノン・カレッジ (Maribyrnong College) が公立スポーツ学校である。ガールズスポーツビクトリア (Girls_Sport_Victoria) は、同州最大の独立系学校スポーツ協会であり、南オーストラリア州にはアデレード学校スポーツ協会 (Sports Association for Adelaide Schools) がある。 西オーストラリア州フォレストフィールドのダーリング・レンジ・スポーツ・カレッジ (Darling Range Sports College) は、普通高校からスポーツ高校に転換。同州には独立女子校スポーツ協会 (Independent Girls Schools Sports Association (Western Australia)) は州内の私立女子校を対象とした学校間スポーツ組織である。 クイーンズランド州ではブリスベン州立高等学校 (Brisbane_State_High_School) などがあり、クイーンズランド州公立学校協会 (Great Public Schools Association of Queensland) 、クイーンズランド州女子中等学校スポーツ協会 (Queensland Girls' Secondary Schools Sports Association) がある。 ただしこれらの学校はスポーツの完全選抜制学校ではないのが一般的である。入学定員数の半数は、スポーツプログラムに参加しない地元の生徒のために確保されている。 オーストラリア国立スポーツ研究所やその州立機関の特定のプログラムも、スポーツスクールとみなされることがある。サッカーとバスケットボールの寄宿プログラムでは、スポーツと教育の要件を含む年間の奨学金で10代後半の学生を、体操に至っては10代前半の学生を受け入れている。

オーストラリアのラグビー強豪校は、ニューサウスウェールズ州特にシドニー周辺、クイーンズランド州で特にブリスベン周辺の私立名門校に集中している。ニューサウスウェールズ州ならば、真剣にラグビーに取り組む強豪校が10数校に及び、ニューサウスウェールズ州にある私立学校を中心とした組織Independent Sporting Association(ISA、独立スポーツ協会)でサニックス交流大会に出場してくるセント・オーガスティンズ・カレッジ(en:St Augustine's College, Sydney Brookvale)などが優勝するなど、高い実力を持っている。また、ブリスベン周辺校ではen:Kedron State High Schoolen:Mount Gravatt State High Schoolen:Balmoral State High Schoolなどがある。そのほかゴールドコースト周辺校ではen:Palm Beach Currumbin State High Schoolen:Nerang State High Schoolen:Robina State High Schoolなど、サンシャインコースト周辺校ではen:Caloundra State High Schoolen:Maroochydore State High Schoolen:Chancellor State Collegeなどが知られる。これら学校は同国U18代表選手を多数輩出しておりまた、スーパーラグビーの登竜門としても知られている。

オーストラリアのラグビー部では練習と試合の割合が2対1で、平日に2日それぞれ2時間程度の練習があり、土曜日に試合をするというのが一般的である。そして通常1から4軍までチームがあり毎週土曜日になると、同じグラウンドで1から4軍までの試合があるため、日本と比較すると、圧倒的に試合の割合が多いこととなる[113]。また放課後に練習をするのとは違って、強豪校でもラグビープログラムの生徒達は家庭科美術など副教科の時間がラグビーの練習時間に割り当てられていることが多い。そして基本練習自体がかなり少なく、スポーツでも他のことでも学校でとことん練習をするから強くなるというのではなく、その種目で強い学校は有望選手が集まっているから強いという観念である。

同国では実際にはラグビーに限らず、学校対抗のスポーツ大会もある種盛んで、サッカーからバスケ、陸上や水泳などの大会などもあるため、当該学校が部活で組織されていない場合にはその競技に適応出来そうな生徒がその都度厳選されて教員から本人に出場要請が突然来て1ないし2回くらいその種目を練習して試合に臨むといったのが主である。オーストラリアもスポーツは季節性を採用。例えば、ラグビーは冬のスポーツで、クリケット夏のスポーツである。そして各スポーツのシーズンは一年のうち4、5ヶ月間しかない。当然シーズン以外の時間は他のスポーツをプレーする人が大半となる。そのため、アンダー世代の国代表に、例えばラグビーとクリケットの両方に同じ選手が選ばれるということが時たま生じることもある。そして色々なスポーツをプレーすることによって、どれが一番自分にあっているか把握することもでき、さらに別のスポーツで学んだことが他スポーツで活用できることもあるというスタイルである[113]

学校に別に取り組みたい種目のスペシャルプログラムがないが、取り組みたいスポーツが他にあるならば個人でセレクションを受けてクラブチームに加入する必要がある。クラブチーム側もクラブはスクールスポーツとは違うという理解である。

クラブにもよるが、ほとんどのチームがトップチームであってもチームでの全体練習を週1回ないし2回で、1時間半ないし2時間程度である。週2回の練習のうち、1回をdomesticと呼ばれるクラブの地域貢献で活動資金集めも兼ねるexhibition gameを別途設けている場合もある。それ以外に、クラブに所属している選手のみが参加できるといった条件のものが多いのであるが、プライベートでコーチ業を専門に行なっている者が主宰するスキルセッションやクリニックがあり、個人でそういったところにプラスで練習参加する他、さらにアスリート系の中高校生はスポーツジムにも週に2回ほど通うかたちで、本格的なウエイトトレーニングを開始する生徒もいる。なおオーストラリアは早朝文化なので、こうしたプライベートセッションは登校前に設けていることも多い。

語学学校でもアクティビティは盛んである[114]

ニュージーランド

ニュージーランドは部活動を春夏・秋冬の2シーズン制としており、練習は週1ないし3回程度となっている。ラグビーやクリケットが代表的で、サッカー、ネットボール、テニスなども人気である。シーズン制なのでスポーツ毎に掛け持ちでき、学校対抗戦も週末に行われるなど、楽しむ姿勢が重視されている[115]。春夏スポーツ(水泳、テニス、クリケット、バレーボール、タッチラグビーなど)と秋冬スポーツ(ラグビー、サッカー、バスケットボール、女子のネットボール、フィールドホッケーなど)のオフシーズンは完全にオフとなっており、勉強や他の活動との両立がしやすい。つまり日本の部活とは異なり、学業とのバランスが重視される。また地域密着型で学校のクラブ活動の他に、地域のクラブチームに参加する生徒もいる[116][117]

同国もラグビー強豪国としられるが、同国は地域密着型で、16の州ユニオンが学校・地域と連携し、子供の頃から質の高いコーチングを受ける環境がある。そしてステップアップ方法はクラブもしくは学校から→NPC(国内州代表選手権)→スーパーラグビーオールブラックスという明確なピラミッド型である。

ワイカト地方などの名門クラブやセント・トーマス・オブ・カンタベリー・カレッジのような高校が、育成の拠点とされている。ワイカト地方のクラブのうち、ワイカト・ラグビー・インターナショナル・プログラムは元オールブラックスの選手が指導する短期プログラムで、5つの柱に基づいたトレーニングが知られる。またニュージーランド・ラグビー・アカデミーは博報堂DYスポーツマーケティングなどが企画し、クライストチャーチの高校と提携して実施されている。 強豪校もオークランドグラマー高校(Auckland Grammar School)、クライストチャーチボーイズ高校(Christchurch Boys' High School)、ケルストンボーイズハイスクール(Kelston Boys' High School)、セントビーズカレッジ(St Bede's College)、セントピーターズ高校 (St. Peter's College)、ハスティングスボーイズハイスクール(Hastings Boys' High School)、ロトルアボーイズハイスクール、セイクレットハート高校 (Sacred Heart College)、マウントアルバートグラマー高校 (Mount Albert Grammar High School)、キングス・カレッジ(King's College)などが挙げられ、オールブラックス選手を多数輩出し、全国大会での実績も豊富で、留学生も多く受け入れている。その一方で同国の大学ではラグビー部で活動することがほとんどない。高校を卒業したラグビー選手は、大学や専門学校に通いながら、ニュージーランドラグビー協会所属の社会人クラブチームでプレーする。ただしこうしたクラブでも、レベルも楽しくプレーしたいレクリエーションレベルから、スーパーラグビーや州代表を目指すプレミアレベルまである。

アルゼンチン他

アルゼンチンなど南米諸国はスポーツは学校ではなく街のスポーツクラブなどに属して行われるが、その中でもやはりラグビーについては学校スポーツである。

アルゼンチン首都ブエノスアイレスでは特に上流階級/エリート層と結びついており、ほとんどの場合は同地トップの私立高校であるサン・アンドレス校、シャンパーニュ校、ノースランズ校などでプレーされており、中流階級の学校ではサッカーやハンドボールが行われている。そして競技の育成は、代表チーム強化と人材発掘に注力し、ナショナルラグビーセンター(CNR)建設で育成環境を一元化、ハイパフォーマンス強化を図る一方で、スーパーラグビーのハグアレスとの活動再編と並行して、欧州リーグへの選手流出を防ぎつつ、地域リーグの活性化(URBAなど)を通じて競技人口を増やし、代表の底上げを狙う戦略を推進している。同国は国内にプロリーグはなく、すべてアマチュアクラブになる。ただし北西部のトゥクマン州のように80以上のクラブチームがあり、その数は同州のサッカークラブより多いともいわれる。

他の南米国では、チリもラグビーについては、イギリスの影響を強く受けた私立学校(ブリティッシュ・スクール)が歴史的に中心的な役割を果たしており、これらの学校が多くの代表選手を輩出している。英語での授業やGCSE/A-levelなど英国式教育を行う学校では、ラグビーが学校の必須または主要なスポーツとして組み込まれている。ラグビーワールドカップ2023で初出場を果たしたラグビーチリ代表(ロス・コンドレス)のメンバーの多くが、首都サンティアゴにあるブリティッシュ・スクールであるThe Grange School(ザ・グレンジ・スクール)かCraighouse School(クレイグハウス・スクール)の出身である。グレンジはチリラグビーの最強豪校で、W杯代表の多くを輩出しており、競技の基盤となっている。クレイグハウスもグレンジと並ぶ名門校で、多くのトップレベルのラグビー選手を育成し、代表チームの強化に貢献している。これらの学校は幼少期からのラグビー教育が充実しており、学校対抗戦(スクール・ラグビー)が非常に盛んに行われている。

ペルーのラグビーでも、主にプレーする学校がアングロ=サクソン系の私立学校だけである。大学やクラブチームには誰でも参加はできる形となっているが、ほとんどの選手は前述私立学校出身で占める。

さらにウルグアイのラグビーも伝統的に同国のブリティッシュスクールによってプレーされ、卒業生らがオールド・ボーイス・クルブカラスコ・ポロ・クルブといったクラブチームを創設し活動している。ウルグアイ空軍機571便遭難事故に遭遇したオールド・クリスティアンス・クルブも、同国ステラ・マリスカレッジ(es:Colegio_Stella_Maris)のチームをもとに設立したラグビークラブチームである。

中国・台湾・香港

中華人民共和国台湾では一般的に日本のクラブ活動に相当するのはないとされているが、高校年代になると日本の部活に似た社タン(学生社タン、タンは囗(くにがまえ)に専)[118]という活動が始まる。卓球やサッカー、バスケットボールの他にウィンタースポーツのスノーボードなどのスポーツもあれば、日本でいう文科系の活動のもある。日本との違いは、社タンは1年単位での活動計画を学校に提出し、厳格な管理の下でのみ活動が許されることになる。その後活動報告の提出義務も生じる。学校の先生の顧問指導者がつき、活動は週に1回40分程度が一般的とされる。時間帯は一例として昼休みや、6、7時間目まであるため、金曜の同時間帯などである。一学期中に6回活動すれば、社タンと認められている。そして社タンは交流と息抜きの場の位置づけである。学校選手権等のある種目の県大会や全国大会はあっても、大会に参加するのは社たんで活動している団体でなく、学校が作ったチームで参加する[119]

一方で同国にも、スポーツ学校が全日制のものも含め約3,000校存在する。このシステムは本質的に旧ソ連が行っていた強力なスポーツ学校システムに基づいている[120]

香港の学校も、学業以外の分野で生徒が総合的に成長できるよう、多様な課外活動を提供している。体育関係ではzh:中國香港學界體育聯會(中国香港学校スポーツ連盟。HKSSF)があり、学校では通常はバスケットボール、サッカー、水泳、陸上競技などのスポーツ種目が生徒に提供されている。さらに学校が提供する合唱団、ダンスクラブ、演劇部などの文化芸術活動に参加することを奨励している他に、また、学校は数学コンテスト、科学コンテスト、ディベート大会などの学術競技活動を積極的に推進している。こういった課外活動に加え、美術部、写真部、料理部など様々なクラブやサークルを組織し、生徒が自身の興味や特技に応じて参加できるようにしている。こうして豊富な課外活動選択肢を提供し、生徒が学業以外の分野で総合的な成長を遂げられると同時に、興味や才能を育む場を提供している[121]

台湾も野球が強豪国であり、高校野球が行われていることも知られる。全国高校野球リーグというリーグ戦があり、そのあとにトーナメント制の全国大会が開催される。台湾は韓国同様に学校数や観客の少なさが共通であり、その理由は両国とも高校野球=プロを目指すという考えが強く、高校生でありながらも、プロになるために練習に励んでいる。これは一般のファンにも通じることで、野球は同国で日本と違い国民に浸透したスポーツというわけではないのである[122]

大韓民国

韓国の「部活」は日本のような全校的な文化ではなく、トンアリ(동아리)と呼ばれるサークル活動が主流で、本格的なスポーツ活動は「学校運動部」として、プロを目指すエリート選手育成が目的としている。日本の「文武両道」とは異なり、学校に通うということは学力至上主義・勉強優先であるため、放課後はヤジャ(야자)と呼ばれる自律学習が一般的である。運動は一部の強豪校でエリート育成のため、授業を免除しスポーツに特化させるエリートスポーツ主義も特徴で、アジア競技大会での金メダルやオリンピックでメダル獲得者には兵役免除制度があるのが知られている[123]

韓国の高校野球は1970年代からしばらくは絶大な人気を誇るようになる。韓国に野球が伝わった1905年に漢城高校(現在の京畿高等学校)が校内で野球を始めたのが最初だったとされ、日韓併合時代も同国では高校野球は続いた。解放後には高校野球大会が相次いで開催され、青龍旗全国高校野球選手権大会は、韓国でもっとも長い歴史を持つ高校野球大会で、1946年に全国中等学校野球選手権大会として開催されている[124]。ところが1982年、韓国でプロ野球が始まってからは高校野球の人気は一気に衰退。同国は各プロ球団がフランチャイズ地域を中心とした高校指定校から1人を選ぶ新人1次指名と、各球団ウェーバー方式で10巡目まで指名する新人2次ドラフトがあるが、2015年の時点でも韓国の高校野球部はわずか67校。部員の数は約2,400人しかいない[125]。2023年6月30日時点でも高校チームは94チームである。2010年10月26日に同国教育科学技術部・文化体育観光部・大韓野球協会が「勉強する運動選手という」キャッチフレーズで、既存大会を高校野球週末リーグに再編し2011年に開催。これは既存の高校野球トーナメントが平日に開かれ、選手たちの学習権を侵害するという世論を反映ししまた人気を失いつつある高校野球の復興にも役立つと判断したものである[126]。もちろん、日本のようにトーナメント制の全国大会もあるが、日本のように一つではない。さらに地方主催の大会もあり、日本と比べて公式戦の試合数は圧倒的に多いため、試合数の多さは懸念されている[122]

同国は文化系の部活動も、特に一般系の高校では大学受験が中心となるので、一般的な普通科高校になると放課後に塾に通う生徒も多く、日本的な毎日開催される部活動の数は少ない。そして、1日あたりの部活動の時間も限られているため、毎日放課後に活動する活発な日本の部活動とは異なることで、主に同好会(ドンホフェ)や自律動機(チャリュルトンギ)といったスタイルが主流である。

高校の文化系部活動・同好会には、ダンス・歌(K-POP)の会が最も人気があり、学校祭や地域イベントで披露されることが多い。また楽器・合奏(オーケストラ・バンド)になると専門的な指導を受けるケースもあり、音楽活動は概ね人気である。この他に伝統楽器を奏でるサムルノリや、あくまで文化・身体活動としてのテコンドーの同好会も存在する。特性化高校(専門分野を学ぶ高校)になると、美術部や演劇部なども非常に活発である。

ヨ・ウンゲヒョンビンらは演劇部、ソ・ヨンウンホン・ウンチェユンナらは放送部出身である。

特徴的な文化部活動の傾向として、日本同様学校祭(祝祭)があるため、年に1ないし2回の大きな学校祭でパフォーマンスを行うことを目標に活動することが多い[127]

そして、自律動機・自律活動の重視は、同国も大学入試において自己紹介書や経歴(校内活動)が重視されることもあって、趣味の追求だけでなく、将来の進路に関係する活動(模擬国連、学術研究、ボランティアなど)を自発的に行う傾向もある[127]

アラブ首長国連邦

中東の中でもアラブ首長国連邦(UAE)では、教育制度の中でスポーツが重視され、UAE School Gamesなどを通じて柔術、柔道、水泳、卓球、テコンドー、レーザーラン、障害物走など多様な競技が実施されている。サッカーとクリケットが非常に人気であり、学校活動や施設で活発に行われている。

またUAE School Gamesといった大会が行われ、柔術や柔道、水泳、テコンドーなど、多様な競技で学校対抗戦が開催され、若年層の競技力向上を目指している。日本のような運動部・文化部が放課後に毎日自主的に練習するスタイルとは異なり、ECA(Extra-Curricular Activities:授業外活動)やクラブ活動として、多種多様なプログラムが提供されているスタイルである。

学校の教育方針によるが、Dubai Heights Academyの例を挙げると、無料の学校主導アクティビティと、外部コーチによる有料プログラムが一般的である。学期ごとの選択制となっており多くの学校で学期(ターム)ごとに活動内容を選び直すため、多様な経験が可能。スポーツとアカデミックのバランスも図られ、運動系だけでなく、コーディング、ロボット工学、ドラマ、アート、語学など、文理問わず幅広い。レベルに合わせた参加も可能となっており、競技志向の強いスクールチーム(代表チーム)と、趣味・健康維持目的のレクリエーションクラブに分かれて、活動時間は主に放課後(午後3時~4時頃から)に行われる。

インド

かつて、イギリスによる統治が行われていたインド

約20,000人のインドの教師と子どもたちを対象にしたケンブリッジ大学の調査結果(The Economic Timesの報道)によると、インドの子どもたちの72パーセントがクラブ活動、塾、習い事などの何らかの課外活動に参加しているという[128]。インドの学校ではクラブ活動はextracurricular activityと呼ばれる。日本の部活動と同じように様々な種類があるが、クリケットやヨーガヒンディー語など、インド特有のもある。そして活動は週1回程度の頻度で行われる[128]

また、インドのCentral Board of Secondary Education(CBSE、中央教育委員会)傘下にある学校に通う学生は、年1回行われるCBSEインタースクールスポーツ大会に出場が可能。この大会は年齢別にクラスター大会、地区大会、全国大会の3段階で行われ、出場種目は24種目となっている[129]

脚注・出典

参考文献

関連項目

外部リンク

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