火力を強めるための送風装置 From Wikipedia, the free encyclopedia

(ふいご、: bellow)は、気密空間体積を変化させることによって空気の流れを生み出す器具金属加工精錬などで高温が必要となる場合に、燃焼を促進する目的で使われる道具を指す。街の鍛冶屋で使われるような小型のものもあれば、たたら製鉄などで使われる足踏み式の蹈鞴(たたら)もある。

燃焼に使用される鞴
たたら製鉄における踏み鞴による送風作業(『日本山海名物図会』所載)。

大別して3種類あり、1.木製の板で作られた物、2.動物の皮で作られた物、3.ピストン状の筒で作られた物である。日本で最古の物は6世紀後半の動物の革でできた物で、8世紀に書かれた『日本書紀』には鹿皮のふいごについて記述がある。8世紀以降は板鞴が普及したとされる[1]

構造

気密で体積が可変となるような空間を作る方法は多数あり、単なる皮袋を用いるものや蛇腹構造を用いるもの、さらには長方形シリンダーとして、中に精密に取り付けられたピストンとして上下させる箱鞴などもある。

回転式の原動機と組み合わせやすいよう、クランク機構を用いた作動方式もある。

いずれも、空気の流れが一方向のみとなるよう、吸気口と排出口に受動式の逆止弁を備える。

蛇腹

一般的な下図にて示した構造では、下側の2つの取っ手をそれぞれ両手で持ち、片開きの蛇腹を広げた際に吸気し(1)、押し縮めた際に上側のノズル(2)から排気(送風)する。吸気口(3)とノズルは構造になっており、ノズルから吸気したり、吸気口から排気されてしまったりするいわば逆流することのない構造になっている。

吸気と排気を交互に行う構造上、連続して空気を送り出すことは出来ないが、二つ以上の鞴を組み合わせて交互に吸排気すれば連続した送風が可能となる。

箱鞴

箱の中には2組ずつの吸気弁と排出弁が組み込まれている[2]。板を直角につけた棒をピストンのように押し引きすることで吹き口から風を送り出す[2]

用途

アコーディオン

同様の構造をもつ送風装置はさまざまな用途で用いられており、とくに楽器の分野に多く見られる。リードオルガンの足踏み式の鞴や、アコーディオンの物等が身近な例であろう。古くはパイプオルガンの送風にも大きな鞴が用いられ、多人数の裏方による人力で送風して演奏を可能にしていた。変わったところでは、エアソフトガンの発射機構に採用された例もある(バルグヘッド式)。

特徴

他の形式の送風装置としてファンを用いたものがあるが、それに比べると送風圧を大きくしやすく調整が容易であるという利点がある。また、人力での操作が簡単であるということも利点といえる。一方で、動作速度を上げるのが困難であり、絶対的な送風量を確保するためには気室の大きさを更に大きくする必要があるなどの問題がある。

文化

ふいご祭り

鞴祭(ふいごまつり)とは、全国的に旧暦の11月8日を祭日とする例が多いが12月8日とする例も多い[3]。。鋳物師、鍛冶屋、石工などの鞴を使う職人たちが、仕事場を清め、注連縄などで飾り付け、ミカンなどの供え物を供え、ふいごの神様を祭る行事である。関係者の親類などの参列者には蜜柑が振舞われる[4][5]

祭神は、荒神、稲荷神、金屋子神の三系統のほか、金山の神、天目一箇神を祭る例もある[3]

脚注

関連項目

外部リンク

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