007/ゴールドフィンガー (映画)

1964年のアクションスパイ映画 From Wikipedia, the free encyclopedia

007/ゴールドフィンガー』(ダブルオー ゴールドフィンガー[2]、原題: Goldfinger)は1964年のアクションスパイ映画。「ジェームズ・ボンド」シリーズの第3作目に当たり、ショーン・コネリーが架空のMI6エージェント、ジェームズ・ボンドを演じている。原作は1959年に出版されたイアン・フレミングの同名小説である。また、ボンドガールのプッシー・ガロア役にオナー・ブラックマン、タイトルキャラクターのオーリック・ゴールドフィンガー役にゲルト・フレーベ、ボンドガールの象徴であるジル・マスターソン役にシャーリー・イートンが出演している。アルバート・R・ブロッコリハリー・サルツマンが製作し、ガイ・ハミルトンが監督した4本のボンド映画のうちの1本目の作品である。

イギリスでは9月17日、アメリカは12月22日、日本は1965年4月1日に公開された。

ジェームズ・ボンドのテーマ」をバックにボンドの発砲から始まるオープニング、Qの研究室で秘密兵器の説明を受ける、世界各地を飛び回るボンド、敵側のセクシーな美女が途中で寝がえりボンドと恋仲になる展開など、現在の007シリーズの様式はこの作品で基本形が確立された。

ストーリー

メキシコでの薬物工場の破壊工作を片付けた英国秘密情報部(MI6)のジェームズ・ボンド(ショーン・コネリー)は、マイアミへ飛び、CIAフェリックス・ライター(セク・リンダー)と再会。ホテルのプールサイドで富豪のオーリック・ゴールドフィンガー(ゲルト・フレーベ)が行っていたカードゲーム(ジン・ラミー)のイカサマを妨害して、イカサマの手伝いをしていたジル・マスターソン(シャーリー・イートン)と親密になる。だが、ボンドはゴールドフィンガーの部下オッドジョブ(ハロルド坂田)に襲われ気絶し、その間にジルは裏切りの報いで全身に金粉を塗られて窒息死する。

その後、ロンドンに戻ったボンドはM(バーナード・リー)から、ゴールドフィンガーがを密輸する手口に関し調査するよう指令を受け、彼の経営するゴルフ場で旧ナチス時代のドイツの金塊(トプリッツ湖より回収した、その量実に5000ポンドにものぼる1940年エッセン製のもの)を餌に賭けゴルフを行う。ボンドはオッドジョブのイカサマを逆手に取り、ボールをすり替えてルール違反でゴールドフィンガーを負けさせる。

ボンドは、ゴールドフィンガーのロールス・ロイスにホーマー(発信器)をつけ、アストンマーチン・DB5で彼とロールスロイスが乗ったブリティシュ・ユナイテッド航空の「ATL-98カーベア」を追う。スイスジュネーブ空港からボンドカーで尾行中、フルカ峠でゴールドフィンガーを狙う女と遭遇。ボンドは彼女のフォード・マスタングを追跡し、特殊装備でタイヤをパンクさせる。彼女はティリー・ソームズと偽名を名乗ったが、実はジルの妹ティリー・マスターソン(タニア・マレット)で、ゴールドフィンガーを姉の仇と狙っていたのだった。

その夜、ボンドはオーリック社の工場に潜入し、ゴールドフィンガーと配下の中国人リン(バート・クウォーク)の会話を盗み聞き、ロールス・ロイスのボディが実は18金製で、工場で分解されたことを知ったうえに、「グランド・スラム計画」なる言葉を耳にする。一方、ティリーはゴールドフィンガーを再度狙撃しようとし、ボンドはそれを阻止するが二人は一味に発見される。ボンドはティリーを逃がそうと援護するが、彼女はオッドジョブに殺害されてしまう。捕らえられたボンドはレーザー光線で殺されそうになるが、咄嗟に「グランド・スラム計画」を知るように装い、生きながれ囚われの身となる。

ボンドは女パイロットのプッシー・ガロア(オナー・ブラックマン)が操縦する飛行機で、アメリカのケンタッキー州に連行される。途中、洗面所で乗務員の監視をすり抜け、ホーマーを自らの靴底に装着する。プッシーの空中サーカス団の拠点である飛行場に到着後、ゴールドフィンガーが競走馬を飼うオーリック牧場の地下に監禁されるが、牢獄を抜け出し、「グランド・スラム計画」の概要を盗み聞きする。「グランド・スラム計画」とは、アメリカ連邦政府が大量の金塊を保管している「合衆国金塊貯蔵庫英語版」があるケンタッキーのフォート・ノックス陸軍基地英語版上空で、空中サーカスがミスター・ミッドナイトより手に入れたガスを散布。混乱の最中にゴールドフィンガー一味がフォート・ノックスに入るというものだった。プッシーらはこのガスを非致死性の神経ガスと説明されており、その報酬でバハマ移住を計画していたが、実際は人間を即死させるデルタ9であった。

ゴールドフィンガーから計画を明かされたシンジケートのボスたちは、口封じのためにデルタ9で皆殺しにされる。ボンドは計画から手を引いたボスの一人ソーロー(マーティン・ベンソン)にCIAのライターに居所を知らせるための発信機と計画の概要を記したメモを忍ばせるが、ソーローは空港へ送られる途上でオッドジョブに殺され、リンカーン・コンチネンタルごとスクラップにされてしまった。

ボンドはプッシー・ガロアに捕らえられゴールドフィンガーの下に送られる。ボンドは金塊の量から考えても計画は不可能であると忠告するが、ゴールドフィンガーは計画の真の目的は金塊を盗むのではなく、核物質をまき散らす一種の「汚い爆弾」を金塊貯蔵庫の中で爆発させることであると明かす。金塊は放射性物質で汚染されて58年間は搬出不可能となり、西側諸国の金価格は暴騰。ゴールドフィンガーが保有している金の価格も急上昇し、計画に協力する中国も世界的経済混乱から何らかの利益を得る、というものであった。

ボンドは、厩舎でプッシー・ガロアと親密になって彼女を改心させ、CIAに連絡させる一方、散布するガスを詰め替えさせた。グランド・スラム計画当日、空中サーカスの散布したガスでフォート・ノックスを警備する将兵たちは倒れ、ゴールドフィンガーらは金塊貯蔵庫に侵入して爆弾を設置する。しかし死んだふりをしていた兵士らが貯蔵庫に一斉攻撃を仕掛けると、ゴールドフィンガーは部下のリンを殺し、ボンド、オッドジョブ、腹心のキッシュ(マイケル・メリンジャー)を貯蔵庫に閉じこめたまま逃走した。キッシュは爆弾の時限装置を停止させようとするが、オッドジョブに転落死させられる。ボンドはオッドジョブと格闘して感電死させ、時限装置は起爆7秒前に停止された。

ボンドはアメリカ大統領の招待を受け、迎えのロッキード ジェットスターに搭乗する。だが同機の乗務員はゴールドフィンガーとその手下にすり替わっていた。機内での戦闘の末、ゴールドフィンガーは銃撃で割れた窓から空中へ放り出され最期を迎える。ボンドとプッシーは墜落する飛行機から脱出し、パラシュートで辛くも難を逃れるのだった。

キャスト

ボンドを演じたショーン・コネリー
さらに見る 役名, 俳優 ...
役名 俳優 日本語吹替
NETテレビ[3]日本テレビ[4]ソフト版
ジェームズ・ボンドショーン・コネリー日高晤郎若山弦蔵
オーリック・ゴールドフィンガーゲルト・フレーベ観世栄夫滝口順平茶風林
プッシー・ガロアオナー・ブラックマン沢たまき清水良英日野由利加
ジル・マスターソンシャーリー・イートン小林裕子高橋ひろ子斎藤恵理
ティリー・マスターソンタニア・マレット真理明美倉野章子北西純子
オッドジョブハロルド坂田台詞なし
Mバーナード・リー湊俊一宮川洋一藤本譲
マーティン・ソロマーティン・ベンソン矢田耕司大木民夫千田光男
フェリックス・ライターセク・リンダー阪脩村越伊知郎西村知道
シモンズオースティン・ウィリス北川国彦国坂伸千田光男
マネーペニーロイス・マクスウェル荘司美代子登場シーンカット泉裕子
ミッドナイトビル・ネイギー笹岡繁蔵藤城裕士谷昌樹
キッシュマイケル・メリンジャー千田光男小関一古田信幸
ジョニーピーター・クランウェル安原義人安田隆
ボニータナジャ・レジン日比野美佐子有馬瑞香小宮山絵理
スミザースリチャード・ヴァーノン宮内幸平北村弘一水野龍司
ドクター・リンバート・クウォーク徳丸完
Qデスモンド・リュウェリン岡部政明村松康雄白熊寛嗣
マイ・リーマイ・リン河合磋智子芝田清子松久保いほ
スイスのゲートキーパーヴァーリー・トーマス台詞なし
ディンクマーガレット・ノーラン芝田清子小宮山絵理
准将ジョン・マクラーレン北村弘一
原子力の専門家ロバート・マクロード国坂伸
ブラッキングヴィクター・ブルックス国坂伸徳丸完白石充
カプンゴアルフ・ジョイント安田隆台詞なし
ホーカーゲイリー・ダガン野本礼三千田光男
ストラップハル・ガリーリ加藤正之平林尚三高宮武郎
空港警備員テレンス・ブルック安原義人若本紀昭
サーカスのリーダーマギー・ライト信沢三恵子高畑淳子外村晶子
不明
その他
N/AN/AN/A北沢力
渡邊正幸
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  • NETテレビ版:初回放送1974年4月7日『日曜洋画劇場』21:00-23:15 (ノーカット)
  • 日本テレビ版:初回放送1978年4月5日『水曜ロードショー』21:00-22:54(約95分[5]
  • ソフト版:2006年11月22日発売の「アルティメット・エディション」DVDに初収録。

※NETテレビ版と日本テレビ版は、2012年にキングレコードから発売された「TV放送吹替初収録 特別版DVD」に収録[6][5]

スタッフ

日本語版

  • 字幕翻訳:高瀬鎮夫(劇場公開版)[8]保田道子(ソフト版)
さらに見る -, NETテレビ版 ...
-NETテレビ日本テレビソフト版
演出 加藤敏伊達康将
翻訳 木原たけし平田勝茂
調整 飯塚秀保高久孝雄
効果 遠藤堯雄
桜井俊哉
N/A
選曲 重秀彦N/A
プロデューサー 清水敏正
制作 NETテレビ日本テレビ
東北新社
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音楽

「ジェームズ・ボンドのテーマ」
作曲 - モンティ・ノーマン / 編曲・演奏 - ジョン・バリー
「ゴールドフィンガー」
作詞 - レスリー・ブリキュース、アンソニー・ニューリー / 作曲・指揮 - ジョン・バリー / 歌 ‐ シャーリー・バッシー / 楽曲プロデュース ‐ ジョージ・マーティン

主題歌

シャーリー・バッシーの歌う同タイトル曲は英米でヒットとなり、一躍、シャーリー・バッシーの名を知らしめた。イギリスの「ミュージック・ウィーク」誌では、最高位21位だったが、アメリカの「ビルボード」誌では、最高位第8位を記録している。さらに、同サウンドトラック・アルバムは、007シリーズ史上、唯一の全米第1位を獲得している。 また、ジョン・バリー・オーケストラによる同主題曲も「ビルボード」誌で「チャート入り」を果たし、最高位72位を記録している。ジミー・ペイジジョン・ポール・ジョーンズがセッションミュージシャンとして参加している。

興行成績

本作は300万ドルの予算に対し、1億2500万ドルもの興行収入を獲得、1964年の世界興行収入で1位の映画となり[9][10]、日本では1965年4月1日に、東京は日比谷映画劇場・丸の内東宝など東宝洋画系でロードショー公開された。配給収入は7億632万円を記録し、日本映画も含めた興行成績で第1位[11]となった。また、本作は『アカデミー音響効果賞』を受賞し、『グラミー賞 映画・テレビサウンドトラック部門』と英国アカデミー賞の『プロダクション・デザイン賞英語版(カラー部門)』にそれぞれノミネートした。

英国映画協会が選出した『イギリス映画トップ100英語版』で70位に選ばれた。

脚注

外部リンク

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