БЭСМ-6 はおそらく最もよく知られ、また多くの影響を与えたシリーズで、精密機械・計算機科学研究所で設計された。設計は1966年 に完成し、1968年から20年間にわたって生産された。
先行機種と同様、最初のБЭСМ-6もトランジスタ方式であったが、1980年代 にエルブルス・スーパーコンピュータの一部として作られたものはIC 方式であった。БЭСМ-6の48ビット プロセッサは、10MHzのクロック で動作し、各々、制御と演算に割当てられた2本の命令パイプライン 、16語(1語は48ビット)のデータキャッシュ を備えていた。パイプラインプロセッサのアーキテクチャを世界で初めて備えたコンピュータであった 。このシステムは1メガフロップスの性能を有していた。当時最速のスーパーコンピュータ CDC 6600 は3メガフロップスの性能を有していたが、これは中央演算装置 1器と、10器の補助演算装置で出された性能である。
БЭСМ-6のメモリは1語単位でアクセス でき、15ビットのアドレス空間 を有していた。最大メモリ空間は32768語(192KB)である。仮想メモリ 機構がこれを131072語(768KB)まで拡張していた。
БЭСМ-6は1970年代 にはソビエト連邦において様々な計算および制御システムに用いられていた。5E26と呼ばれたシステムは防空ミサイル 基地群S-300 の制御システムとして用いられた。1975年 のアポロ・ソユーズテスト計画 においては、БЭСМ-6ベースのシステムがソユーズ衛星の軌道を1分で計算した。アメリカ 側では、アポロ衛星の軌道計算に30分を要していた。
БЭСМ-6は合計355機生産され、1987年 に生産が終了した。ソビエト連邦のコンピュータとしては初めて長期間にわたって使用された機種であり、開発者コミュニティ が存在した。長年にわたり、複数のオペレーティングシステム や、Fortran 、Algol、Pascal などのコンパイラ が開発された。
IC方式のБЭСМ-6亜種は、オリジナルのБЭСМ-6の2倍から3倍の性能を有し、エルブルス1К2の名称で1980年代 にエルブルス・スーパーコンピュータの一部として生産された。