アゾジカルボン酸ジエチル

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アゾジカルボン酸ジエチル(アゾジカルボンさんジエチル、diethyl azodicarboxylate)は有機化合物である。しばしばDEADと略記される。アゾ基と2つのエステル基を持つ。赤橙色の液体であり、様々な場面で反応試薬として用いられるが、極めて有害である。

概要 物質名, 識別情報 ...
アゾジカルボン酸ジエチル
Skeletal formula
Ball-and-stick model
物質名
識別情報
3D model (JSmol)
ChemSpider
ECHA InfoCard 100.016.202 ウィキデータを編集
EC番号
  • 217-821-7
日化辞番号
  • J7.834D
UNII
CompTox Dashboard (EPA)
性質
C6H10N2O4
モル質量 174.156 g·mol−1
外観 橙色から赤色の液体[2]
密度 1.11 g/cm3[3]
融点 6 °C (43 °F; 279 K)[4]
沸点 104.5 °C (220.1 °F; 377.6 K) at 12 mm Hg[3]
屈折率 (nD) 1.420 (20 °C)[3]
危険性
GHS表示:
爆発物急性毒性(低毒性)
Danger
H240, H302, H312, H315, H319, H332, H335
P210, P220, P234, P261, P264, P270, P271, P280, P301+P312, P302+P352, P304+P312, P304+P340, P305+P351+P338, P312, P321, P322, P330, P332+P313, P337+P313, P362, P363, P370+P378, P370+P380+P375, P403+P233, P403+P235, P405, P411, P420, P501
引火点 85 °C (185 °F; 358 K)[5]
安全データシート (SDS) External MSDS
特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。
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合成

広く用いられており市販もされているが、研究室で合成することも可能である。ヒドラジンクロロギ酸エチルアルキル化し、続いて塩素と反応させることで得られる[6]

2CH
3
CH
2
O
2
CCl + N
2
H
4
→ CH
3
CH
2
O
2
CN(H)N(H)CO
2
CH
2
CH
3
+ 2HCl
CH
3
CH
2
O
2
CN(H)N(H)CO
2
CH
2
CH
3
+ Cl
2
→ CH
3
CH
2
O
2
CN=NCO
2
CH
2
CH
3
+ 2HCl

2段階目の反応では、赤煙硝酸を用いることもできる[7]

応用

アゾ基に電子求引性のエトキシカルボニル基が2つ結合した構造であるため、電子受容体として優れている。この性質を生かし、光延反応クリックケミストリーで重要な反応試薬として用いられている。ディールス・アルダー反応の基質にも用いられ、ビシクロ [2.1.0] ペンタンの前駆体合成への利用例が報告されている[8]

ただし現在は、安全性が高いアゾジカルボン酸ジイソプロピル英語版(DIAD)が用いられることが多い。DIADは、イソプロピル基に由来する立体障害が大きいこと、副生成物としてヒドラジドを生成しにくいことなどの利点がある。

安全性

毒性を持っており、衝撃に弱く、熱的にも不安定である。このため以前は純粋なものが市販されていたが、最近では40%トルエン溶液などとして供給されることが多い。

出典

外部リンク

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