K6/K10

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K6/K10尺度: Kessler psychological distress scale)とは、個人のうつ病不安障害といったメンタル不調のスクリーニングために開発された自記式の評価尺度である。2002 年にRonald C. Kessler英語版 らにより米国での公的疫学調査 National Health Interview Survey 英語版(NHIS)のために開発された[1]。一般人口の中で精神的不調の重い1-10%に相当する人々をスクリーニングすることを目指して開発された。日本語訳は古川壽亮らによって作成された[2]。現在K6/K10は世界中でメンタル不調の疫学調査、うつ病不安障害のスクリーニング簡易検査として用いられている。日本ではK6が国民生活基礎調査の質問票として使用されている。K6/K10いずれも比較的短時間で行うことができる(5分程度)。K6/K10は診療において保険点数は請求できない。

K6は抑うつ症状6項目、K10は10項目からなる(詳しくは下記の表参照)。被験者は過去30日間に、これらの症状がどの程度あったかを、5つの選択肢、「全くない」「少しだけ」「ときどき」「たいてい」「いつも」から選択する。選択肢の得点は順に0点、1点、2点、3点、4点となる。各項目の総スコアはK6は0点から24点まで、K10は0点から40点まで分布する。K6の6項目はK10の10項目と重なっている。項目数が少ないためか疫学調査ではK6の方が広く利用されている。

得点と評価

K6の場合5点以上が何らかのうつ・不安の問題がある可能性とされている。うつ病や不安障害といった精神障害のスクリーニングのためのカットオフ値としては13点以上が推奨されている[1]。 13点以上でスクリーニングした場合、うつ病や不安障害に対する感度64.7%、特異度97.3%という報告もあるが[3]論文によって感度と特異度のバラつきを認める。

日本の一般人口におけるスコア

項目スコアの分布

2016年の国民生活基礎調査(対象約20万人)ではK6の項目スコアの分布は下記の表のとおりとなった[4]

日本人を対象とした過去30日間のK6項目スコアの分布(2016年)
項目全くない(0点)少しだけ(1点)ときどき(2点)たいてい(3点)いつも(4点)
1. 神経過敏に感じましたか56.5%22.7%15.4%3.3%2.1%
2. 絶望的だと感じましたか76.3%14.1%7.1%1.5%1.0%
3. そわそわ、落ち着かなく感じましたか67.4%20.3%9.8%1.7%0.8%
4. 気分が沈み込んで何が起こっても気が晴れないように感じましたか62.2%22.6%11.3%2.6%1.3%
5. 何をするのも骨折りだと感じましたか59.9%23.9%11.5%3.0%1.7%
6. 自分は価値のない人間だと感じましたか74.5%14.9%7.5%1.6%1.5%

表を見るとK6の項目の分布には共通点が存在することに気づく。すべての項目で「全くない」を選択した人が一番多く、「少しだけ」「ときどき」「たいてい」「いつも」と症状が重くなるにつれ頻度が少なくなる。近年一般人口におけるK6の項目の分布は共通する数理モデルに近似することが報告された[5][6]

総スコアの分布

上記の国民生活基礎調査によるとK6の総スコアの分布は下記の表のようになる。

日本人を対象としたK6総スコアの分布(2016年)
項目0点1点2点3点4点5点6点7点8点9点10点11点12点13点14点15点16点17点18点19点20点21点22点23点24点
頻度40.2%10.5%9.2%6.6%5.7%4.5%5.5%3.3%2.7%2.2%1.8%1.4%2.5%0.8%0.7%0.5%0.4%0.3%0.4%0.2%0.2%0.1%0.1%0.0%0.2%
累積頻度40.2%50.7%59.9%66.6%72.2%76.7%82.2%85.5%88.2%90.3%92.1%93.5%96.1%96.9%97.5%98.0%98.5%98.8%99.1%99.3%99.5%99.6%99.7%99.8%100.0%

何らかのうつ・不安の問題がある可能性の5点以上をカットオフ値を用いた場合、一般人口の約28%が陽性となる。うつ病や不安障害といった精神障害のスクリーニングのためのカットオフ値13点以上の場合、一般人口の3.9%がが陽性となる。

近年一般人口におけるK6の総スコアの分布は指数分布に近似していることが報告された[6]。この報告の再現性については日米による複数の大規模疫学調査のデータにおいて確認された[7]

関連項目

脚注

参考文献

外部リンク

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