リラックスした状態を保ちつつ、ピックで弦をはじく。この際にピックで弦を撫でたりこすったりするとアタック感が得られないので、しっかりと弦をはじく。この時にピックと弦が衝突する「弦抵抗」から力みが発生しやすいので弦抵抗を緩和する方法が加茂フミヨシによってまとめあげられ、リットーミュージックより「ギター・マガジン R.A.S.式ピッキング 速弾き攻略のための究極メソッド」が出版されている。弦抵抗が緩和出来る事によりスピードを生み出す事が出来るが、ピッキングをストップウォッチで計測するようなスピードにこだわらず、音楽的な「強弱」「抑揚」「テンポのコントロール」に注目し、「音楽的な流れのあるスピード」を重視している。この3要素がR.A.Sの意味するところである。
R.A.S式ピッキングでは、ピックの描く軌道に注目し、以下の3つのピッキング動作をシチュエーションに応じて使い分けるように推奨している。
また、フィンガーピッキングでは認知されている「アポヤンド」「アルアイレ」を取り入れて、アクセントをつける演奏はアポヤンド(ピッキングした後、隣の弦にピックが触れて止まる軌道)で行い、流れるような速度を重視する演奏はアルアイレ(ピッキングした後、隣の弦にピックは触れず、ピックは弦から離れる軌道)で弾く。
R.A.S式ピッキングでは、リラックス感を得るために、筋肉を緊張させて弾く事は可能な限り推奨せず、仮に筋肉が緊張してしまうような難易度のフレーズでも、フレーズの中に休憩ポイントを探す事を推奨している。
また、いかなる時にでもリラックスを強要する事はせず、例えば、心理的な緊張により筋肉が緊張状態になる場合があるのは致し方ないと認めている。
いかなる時にでもリラックスが必要という観点ではなく、無意識に筋肉の緊張が発生している場合がある事を指摘し「リラックスして弾ける難易度のフレーズ」に対して、腕に力を込めて弾くのは問題である、としている。
R.A.S式ピッキングには、「隠れ速弾き」という概念が登場する。ピッキングをタイムウォッチで計測するスピードだけではなく「音楽的なスピード」を重視するというコンセプトの中で、メタル系等に代表されるシュレッド・プレイ以外にも、ジャズやブルースでも「音楽的判断の速度」が求められているという点についても着目し、これを隠れ速弾きと定義している。