XP-55 (航空機)
アメリカの試作戦闘機
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概要
1939年11月にアメリカ陸軍航空隊は、レシプロ機の限界を打ち破るべく「周回計画(Circular Proposal)R40C」という単発の迎撃機の仕様書を提示し、この中で「低い抗力、良好な視界、強力な武装の3つの条件を満たせば、どのような案でも良い」旨の示唆がなされていた。提示された航空機メーカー8社のうち、ヴァルティー社はXP-54、ノースロップ社はXP-56、カーチス・ライト社のXP-55の3つが試作契約を勝ち取った。同機の特徴は先尾翼機で、主翼が後退翼、降着装置はカーチス・ライト社製軍用機としては初の前輪式という設計だった。仕様書ではエンジンは開発中のP&W X-1800-A3G(2,200 hp)を搭載することになっていた。しかし、陸軍はあまり本機の採用に乗り気でなく、地上試験用モデルと風洞テスト用モデルの製作発注のみを行い、試作機の発注はその結果次第で行うという対応をとった。その結果、カーチス・ライト社はまず実物大の飛行テスト機(社内名称CW-24B)を自費製作し、1941年12月からテストを行った。そして、1942年7月にようやくXP-55として試作機3機の発注を陸軍から受けることができた。
試作1号機(機体番号:42-78845)の初飛行は1943年7月19日に行われたが、この時点で安定性不良が指摘された。これは、搭載を予定していたX-1800-A3Gが開発中止となってしまったため、代わりに約1,000hpも出力が落ちるアリソン社のV-1710を搭載したことで、明らかにパワー不足であったためである。試作1号機は同年11月に失速試験を行っている際に墜落して失われた(パイロットは脱出)。翌1944年に全幅や小翼の形状を変更し、操縦性の改善を図った2号機(機体番号:42-78846)と3号機(機体番号:42-78847)が完成した。しかし、劣悪な操縦性や低速時の不安定性は改善されず、最高速度も当時の制式戦闘機を下回る628km/hしか出なかった。結局性能不良ということで開発計画は中止となった。その後、3号機は1945年5月27日にオハイオ州のライト飛行場で行われていた航空ショーで飛行中に墜落、パイロットは死亡した。
諸元

- XP-55-CU
- 全長:9.01 m
- 全高:3.53 m
- 全幅:12.36 m
- 翼面積:21.83 m2
- 自重:2,882 kg
- 全備重量:3,597 kg
- エンジン:アリソンV-1710-95 液冷V型12気筒 1,275 hp
- 最大速度:628 km/h
- 航続距離:1,022 km
- 実用上昇限度:10,912 m
- 乗員:1名
- 武装:
- 12.7mm機関銃 × 4
現存する機体
登場作品
- ゲーム
- 『War Thunder』
- プレイヤーが操縦できるアメリカの課金機体として登場。ゲーム内では数少ないエンテ翼機である。
- 『ストライカーズ1945シリーズ(彩京)』
- 敵機として多数登場。『1945Plus』では自機のひとつ(隠し機体)として「P55アセンダー」の名で登場。移動速度や火力に優れ、使い勝手の良い隠し機体ならではの性能となっている。
- 『鋼鉄の咆哮 ウォーシップコマンダー』
- アメリカ型の航空機として登場。史実では搭載されなかった対空ロケット弾を搭載。
- 漫画
- 『SWIFT!』
- 松田未来の漫画作品。コミックス2巻に登場。