田喜野井村の小字・井戸本には、かつて200㎡ほどの面積の底なしの池があったという。池には水草が多い茂っていたが、池の中央からは豊富に冷たい湧水が出てきており、水草も生えず、真冬でも氷が張らなかったという。昔、池の近くに「おはん」と言う名の女性が住んでいて、池の岸辺に生えていた「おはぐろの木」に登ってお歯黒の染料を取ろうとしたところ、枝が折れて池に落ちてしまったという。村人は一生懸命に「おはん」を探したが、池の底深く沈んだためかとうとう見つからなかった。そして、それ以来、この池を「おはんの池」「おはんが池」と呼ぶようになったと云われる。