築30年を越す都市郊外のアパート。3階のフロアーを借りている中年男の住人アーサー・ジョンソンは、アパートが建つころから住んでいる、いわば主のような存在だ。アーサーは、家族と死別後は天涯孤独で過ごしているが、仕事も真面目にこなし私生活でも几帳面であったためか、信頼を周囲から集めている人物で通っていた。だが、そんなアーサーが突如、変質してゆくきっかけになったのが、若くハンサムな青年アントニー・ジョンソンが引っ越してきてからである。アーサーは、同姓であるためか、誤ってアントニーに届いた手紙を開封してしまった。これまで抑えていたものが一気に噴出したかのように、アーサーに屈折した愛欲と、殺人衝動が芽生え始め、幼いころ厳格に育てられたというトラウマも相まって、アーサーは夜毎、奇行に走り出す。同じころ、毎晩、女性を狙う猟奇的連続殺人事件がニュースで報じられ、やがてアーサーは追い詰められていく。