エタナ

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エタナEtana)は、古代メソポタミアシュメール初期王朝時代キシュ第1王朝の伝説的な

古代メソポタミアのシュメール神話に属する叙事詩で、キシュ第1王朝の伝説的な王エタナを主人公とした物語である。この神話は、王の後継者確保と天界への昇天をテーマとし、鷲を介した天空への冒険を描く。シュメール時代に起源を持ち、後のアッカド語版やバビロニア時代まで伝承された。

概要

紀元前3千年紀頃のシュメール初期王朝時代に遡る伝説で、シュメール王名表に記されたエタナの在位期間(1500年間または635年間)が基盤となっている。同王名表で、エタナは「牧人、天に昇りし者。全国土を固めし者」と称され、王権の神聖化を象徴する。物語の中心は、エタナが子を授からず、天界の「生誕の草」を求めて鷲の背に乗って昇天する冒険である。このモチーフは、人間の限界を超える野心と神々の恩寵を表し、後世のギリシア神話(イカロス伝説)との類似が指摘される。現存するテキストは断片的で、主にニネベの図書館から発掘されたアッカド語版に基づく。円筒印章の図柄としても描かれ、メソポタミア芸術に影響を与えた。

あらすじ

エタナはキシュの王として統治するが、妻との間に子ができず、王朝の存続に悩む。エタナは、あるいは、女神イナンナ(アッカド語ではイシュタル)は、太陽神ウトゥ(アッカド語ではシャマシュ)に祈りを捧げ、子を生す為の「生誕の草(豊穣の薬草)」を求め、助言を得る。ウトゥは、エタナに山の頂で苦しむ鷲を探すよう命じる。

一方、鷲と蛇はウトゥの誓約により共存していたが、鷲が蛇の雛を食べて誓いを破る。怒った蛇が鷲を捕らえ、ウトゥの罰として鷲は両翼をもがれて重傷を負う。エタナは死に瀕した鷲を助け、回復させる。(このあたりの件は日本神話の「因幡の白兎」を彷彿とさせる)。

鷲は恩返しとして、エタナを背に乗せて天界へ運び、イナンナ(イシュタル)に「生誕の草」を求められるよう、「生誕の草」を得る手助けを約束する。エタナは鷲の背に乗り、徐々に高度を上げる。海すら見分けられないほどの、地が小さく見えるほどの、高さに達し、エタナは恐怖に駆られて一度地上に戻る。

しかし、地上に戻ったエタナは、自分が無事に天界に着くという夢を見て、これを自分は天界へ行くべきであるという神託であると判断し、再挑戦。再び鷲の背に乗って天に昇ったエタナは、ついに天界の門に到達する。


現存する叙事詩はこれ以降の部分が欠落しており、彼のその後の行動については知られておらず、結末は不明である。

この神話の結末については、シュメール王名表によると、その後、エタナの息子バリフが王位を継いだという記述があることから、生誕の草を探す冒険は成功したとする説と、一方で、ギリシア神話におけるイカロスの説話と類似する展開を予想して、天空から落下して墜落死したとする説がある。


別解釈として、一度地上へ戻らず、そのまま天に到着するが、豊穣の薬草は、女神イシュタルのいるもうひとつ上の天にしかないといわれ、再び鷲に乗って昇るが、あまりの高さに不安に襲われ、鷲の両翼を引っ張ったため、鷲もろとも地上に墜落したとする説がある。

歴史的背景

文化的意義

関連項目

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