グロテスク (小説)
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| グロテスク | |
|---|---|
| 作者 | 桐野夏生 |
| 国 |
|
| 言語 | 日本語 |
| ジャンル | サスペンス |
| 発表形態 | 雑誌掲載 |
| 初出情報 | |
| 初出 | 「週刊文春」2001年2月1日号ー2002年9月12日号 |
| 出版元 | 文藝春秋 |
| 刊本情報 | |
| 出版元 | 文藝春秋 |
| 出版年月日 | 2003年6月30日 |
| 装幀 | 大久保明子 |
| 装画 | 水口理恵子 |
| 作品ページ数 | 536 |
| id | ISBN 978-4163219509 |
| 受賞 | |
| 第31回泉鏡花文学賞(2003年) | |
『グロテスク』は桐野夏生による日本の小説。
1997年(平成9年)に起きた東電OL殺人事件をモチーフとして、現代の階級社会を身一つで闘う女性たちの生き様をセンセーショナルに描いた作品。
キャッチコピーは『光り輝く夜のあたしを見てくれ』。『誰よりも美しく醜い私の妹』。
幼少期から恐ろしいほどの美貌を誇っていたユリコと、一流企業の総合職というエリートOLの肩書を持つ佐藤和恵。なぜ彼女たちは娼婦となり、無残に殺されなければなかったのか。ユリコの姉であり、和恵の同級生の"わたし"は彼女たちとの過去を思い起こしながら、事件について考えを巡らせる。
物語の語り手である"わたし"は幼い頃から容姿端麗な妹ユリコと比較され、自尊心を傷つけられていた。平凡な容姿の自分とは違い、一目で愛され、畏怖されるほどの美貌を持つ妹を<怪物>と評し、激しく憎みながら生きてきた。
高校受験を控えていた時期に父親が事業に失敗し、父親の故郷のスイスへ移り住むこととなるが、どうしても家族から離れたかった"わたし"は名門女子校への進学を理由に両親を必死に説得し、母方の祖父の家で暮らしはじめる。
ようやくユリコと離れることができた解放感と憧れの女子校生活に胸を高鳴らせていた"わたし"だったが、入学早々、生徒間での厳しい差別を目の当たりにする。初等部からエスカレーター式のQ学園は内部生と外部生の間ではっきりとした格付けがあり、外部から受験した生徒たちは皆、選民意識の強い内部生たちの冷ややかな目に晒され、常に顔色を窺いながら学園生活を送っていた。
学園に溶け込もうとせずひっそりと生活していた"わたし"は、とある出来事から成績トップの優等生ミツルに好感を持ち、親しくなる。そして自身と同じく高等部からの外部生であり周囲から孤立していた和恵に対しては嫌悪感を抱き、徹底的に陥れようと画策する。
ユリコと離れて四カ月、祖父と二人きりの自由な暮らしに安心感を抱いていた"わたし"だったが、母親が自殺したことを知らされ、さらにユリコが自分と同じQ学園の中等部に通うために帰国すると聞き、深く絶望する。瞬く間に学園中の注目を浴びるユリコと比べられる日々に鬱屈していた"わたし"は和恵の話にヒントを得て、ユリコが同級生の男子と組んで売春をしていると教師に密告し、学園から追い出すことに成功する。
大学卒業後、翻訳家の道を志すも諦め、職を転々としながら中年になった"わたし"は、美しかった妹と地味で冴えなかった和恵が娼婦となり、そっくりな方法で殺されたことを知り衝撃を受ける。容姿も性格も育った環境もまるで違う二人が、なぜ娼婦として悲惨な末路を辿ることとなったのか。ユリコと和恵、そして二人を殺害した犯人として逮捕された不法滞在者の中国人チャンの手記を交えながら、それぞれの人生を回顧していく。