ショウジョウバエ

ハエ目の科、それに属する昆虫の総称 From Wikipedia, the free encyclopedia

ショウジョウバエ(猩猩蠅)は、ハエ目(双翅目)・ショウジョウバエ科 (Drosophilidae) に属するハエの総称である。科学の分野では、その一種であるキイロショウジョウバエ (Drosophila melanogaster) のことをこう呼ぶことが多い。この種に関しては非常に多くの分野での研究が行われているが、それらに関してはキイロショウジョウバエの項を参照。本項ではこの全般を扱う。

概要 ショウジョウバエ科, 分類 ...
ショウジョウバエ科
キイロショウジョウバエ成虫のオス(右)とメス(左)
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
: ハエ目(双翅目) Diptera
亜目 : ハエ亜目(短角亜目) Brachycera
下目 : ハエ下目 Muscomorpha
上科 : ミギワバエ上科 Ephydroidea
: ショウジョウバエ科 Drosophilidae
亜科
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名称

ショウジョウバエの和名は、代表的な種が赤いを持つことやに好んで集まることから、顔の赤い酒飲みの妖怪猩々」にちなんで名付けられた。日本では、俗にコバエ(小蝿)やスバエ(酢蝿)などとも呼ばれる。学名の Drosophila は、「湿気・露を好む」というギリシャ語 δροσος (drosos) + φιλα (phila) にちなむ。これは、ドイツ語での通称が「露バエ」を意味する Taufliegen (Tau + Fliegen) であることによる。英語では、俗に fruit fly(果実蝿)、 vinegar fly(酢蝿)、wine fly(ワイン蝿)などと呼ばれる。

生態

ショウジョウバエ科には3,000を超えるが記載されている。

下位分類

ショウジョウバエ属

ショウジョウバエ属は17亜属に分類され、日本には7亜属が生息する。多くの種は体長3mm前後と小さく、自然界では熟した果物類や樹液およびそこに生育する天然の酵母を食料とする。酵母は果実や樹液を代謝してアルコール発酵を行うため、ショウジョウバエはに誘引されると考えられる。大半の種は糞便や腐敗動物質といったタイプの汚物には接触しないため、病原菌の媒体になることはない。

ショウジョウバエ属の分類

キイロショウジョウバエの成虫(オス)

ショウジョウバエ属は17亜属に分類され、日本には7亜属が生息する。以下に日本で見られるものについて示す。スターティヴァントは亜属を Drosophilaアナグラムで命名した。

遺伝学研究

ショウジョウバエ科、特にキイロショウジョウバエは、20世紀初頭から遺伝学の主要なモデル生物として用いられてきた。以下ではショウジョウバエ科に特有のトランスポゾン研究について述べる。個々の遺伝子や発生学の研究についてはキイロショウジョウバエの項を参照。

P因子と雑種発育不全

ショウジョウバエ属トランスポゾンの中でも、P因子(P element)はDNA型トランスポゾンの代表例として広く知られる。P因子が初めて認識されたのは、野外採集系統(P系統)と長期間研究室で維持されていた系統(M系統)を交配した際に、子孫に高頻度の不妊、突然変異、染色体異常が生じる「雑種発育不全」(hybrid dysgenesis)と呼ばれる現象の原因としてであった[1][2]

P系統は完全長のP因子(約2,907塩基対)を持ち、これがトランスポザーゼを産生するのに対し、M系統はP因子を持たない。P系統のメスでは、P因子由来のpiRNA(Piwi-interacting RNA)がP因子の転移を生殖細胞内で抑制しているため雑種発育不全は起こらないが、P因子の抑制機構を持たないM系統のメスとP系統のオスを交配すると、子孫の生殖細胞でP因子が一斉に転移を起こす[3]

P因子は約50年前に近縁種のDrosophila willistoniからキイロショウジョウバエ水平伝播したと推定されており[4]、1950年代以前に採集された系統にはP因子が検出されないことがこの説を支持している。P因子は人為的に改変され、ショウジョウバエへの遺伝子導入ベクターとして広く利用されている[5]

青い光

2017年8月、ショウジョウバエに青い光を当てると死ぬ原因を日本人の高校生が解明した[6]。青い光を当てるとショウジョウバエの体内の活性酸素が細胞を傷つける酸化ストレスが強まり、細胞が自ら死ぬアポトーシスを促すことが原因とされる。

脚注

関連項目

外部リンク

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