従来の革が「床」と呼ばれるベースの上に「銀面」と呼ばれる表革が張付いている2層構造なのに対し、コードバンは「床」であるコードバン層のみを使用する単層構造である。
- コードバン層
- 一般的な皮革はコラーゲン繊維が絡み合いながら横に走っているのに対し、コードバンはコラーゲン繊維が整然と縦に並んでいる。コードバン層はこのコラーゲン繊維の断面が表面組織となっているため、綿密である。
整然と並んだキメの細かな繊維がむき出しとなった状態であるため、非常になめらかでしっとりとした質感が特徴である。また、毛穴がなく表面がツルっとしていて凸凹がない。
2層構造で出来ている一般的な革は、手入れを怠れば長期間使用するにしたがってだんだんと表皮である銀面が歪んでくる。そのため、床と銀面の間に隙間が生じ、「浮き」と呼ばれる現象が起きる事もある。
コードバンは単層構造のため、「浮き」の現象が起きない。その一方繊維が縦に並んでおり銀面を削り取っている為に引っ張り強度は牛革の半分以下と低く、なめしにもよるが部位が悪ければ負荷の方向によっては簡単に裂ける。
近年ではコードバンの強度のなさを補うために銀面は完全に残し2層構造のまま裏側のみをコードバンとして製品化する。その場合は牛革の1.5倍ほどの強度の革となるが、その代わりに厚みが厚くなる。
水分が付着するとグレージング加工により寝かしつけて光沢を出している繊維が立ち上がり光沢が無くなり盛り上がった状態になる場合もある。屈曲部も同様に寝かしつけている繊維が起き上がり光沢がなくなりやすい。
なお、光沢がなくなった部分にクリームを塗布し、表面を傷つけないように丸い形状の棒などで線維を寝かしつければ光沢は復活するが、クリームを塗りすぎると寝かした繊維が起き上がり光沢が消えるので注意。
もし塗りすぎて光沢が消えた場合、しばらく放置後に再度寝かしつけるか、専門店に相談を。
ちなみに寝かしつける為の靴用製品としてオイルに浸した鹿の脛の骨や、水牛の角で出来たアビィレザースティックという製品などが販売されている。
またマッサージなどで使用する水牛の角で出来た「かっさ棒」を使用する方法もある。
更に普通の革は傷を無くすことは不可能だが、コードバンの場合浅い傷ならば完全に見えなくすることが可能で、常に新品のような艶を保てるのが、コートバンの特徴である。