「ダム端末」とは「馬鹿な端末」の意味であり、「バカ端」「ダム端」と言われた。頭を使う処理はホストコンピュータ(メインフレーム、ミッドレンジコンピュータ、ミニコンピュータなど)が行い、端末側は「自分では考えない」(頭脳が無い、処理をしない)ことに由来する。逆に高度な機能をもった端末は「インテリジェント端末」と呼ばれた。
ただし「ダム端末」の意味や範囲は、歴史や文脈により異なって使われる。
当初の意味では、ダム端末が備えていたのは、メインコンピュータとの通信機能の他、入力用キーボード及び出力装置のみだった。出力装置にはプリンタ(テレタイプ端末)が用いられた。この場合の「ダム端末」は、カーソル制御機能を持たない端末を意味していた。
やがて出力装置として文字ベースのビデオ表示装置が用いられるようになり、「ダム端末」は画面制御機能を含むが、複数の文字カラーやグラフィック機能を持たない端末を意味する場合が出てきた。代表例としてオリジナルのVT100がある。これらとの対比で、当時はIBM 3270専用端末やIBM 5250専用端末などは、複数の文字カラーやフルスクリーンの画面バッファなども備えたため、「インテリジェント端末」と呼ばれた。
1980年代後半より、安価になったパーソナルコンピュータに端末エミュレータを搭載した「端末」が普及した。VT100エミュレータ、IBM 3270エミュレータ、IBM 5250エミュレータなどである。この場合にはパーソナルコンピュータ上で他のソフトウェアとの連携処理やデータの保管も可能であり、「インテリジェント端末」と呼ばれた。これらとの対比で、IBM 3270専用端末やIBM 5250専用端末なども(端末以外の用途では使えないという意味で)「ダム端末」と呼ばれるようになった。
なおシンクライアントは、端末側では最小限の処理しかしないという意味では、一種のダム端末とも言える。