キルヒナーは、メンデルスゾーンや(『新音楽時報』紙上で手離しで褒めそやした)ロベルト・シューマン、フランツ・リストやリヒャルト・ワーグナー、ブラームスやグリーグからも評価されていた。有能な編曲家であり、ブラームスの二つの弦楽六重奏曲をピアノ三重奏曲に仕立てたり、《ドイツ・レクイエム》のボーカルスコアを作成したり、《ハンガリー舞曲集》の第3部・第4部や《ワルツ集「愛の歌」》をピアノ独奏用に編曲した。作曲家としては、濃密な抒情主義者であり天性の小品作家として、演奏時間が1分しかないような小曲を1000曲以上つくり出し(そのほとんどは小品集として収められている)、あたかも19世紀におけるアントン・ヴェーベルンの《バガテル》の先駆のようである。《ワルツ集》作品23(1876年作曲)はブラームスに献呈されており、性格的小品集《夜景》(Nachtbilder)作品25には、ブラームスの歌曲《私の女王よ、何とあなたは…》(Wie bist du, meine Königin)作品32-9からの引用が含まれる。オルガン曲や歌曲、多少の合唱曲や室内楽曲も手懸けてはいるが、管弦楽曲はまったく遺さなかった。しかし友人のハインリヒ・シュルツ=ボイテンによって、キルヒナーのピアノ曲が管弦楽曲に編曲されている。
『キルヒナー作品全集』はヴィンタートゥールのアマデウス社が出版中である。