テープ・ループ

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テープ・ループとは、磁気テープの両端をつないで輪にし、テープレコーダーで同じ音の断片を途切れなく繰り返し再生・録音できるようにしたアナログのループ手法である。

特有の揺らぎや劣化を伴うため、機械的な反復ではなく、わずかな変化を含む有機的な繰り返しサウンドが得られる。

  • 磁気テープの端と端をスプライステープで接合して閉ループを作り、キャプスタンとピンチローラー、ガイドローラー、再生/録音ヘッドを周回させることで無限再生が可能になる。
  • 再生速度が変わるとピッチと長さも変化するため、速度可変のデッキでは音程や質感を演奏的にコントロールできる。
  • ループ上にさらに録音する「サウンド・オン・サウンド」で重ね録りでき、フェードしながら新音が古音を上書きする半生成的な音像も作れる。

歴史と代表的文脈

  • 1950年代のミュージック・コンクレートや実験音楽でテープ編集の一技法として確立され、60年代以降はポップ/ロックにも拡張された。
  • ビートルズのTomorrow Never Knows、ブライアン・イーノとロバート・フリップのFrippertronics、スティーヴ・ライヒのフェイジング技法などがテープ・ループの典型例として知られる。
  • 現代でもアンビエント、ドローン、サウンドアートの現場で、経年劣化や揺らぎを含む音の表情を狙って用いられる。

音の特徴

  • 飽和によるコンプレッション、ヒスノイズ、ワウ・フラッター(微小な速度変動)など、デジタルにはない微妙な不均一性が生まれる。
  • テープの摩耗や磁性の減衰が長時間で音色を変化させ、同じフレーズでも毎周わずかに違って聴こえる。
  • ループ長が短いほど周期感は明確になり、長いほど環境音的・風景的な持続音になりやすい。

基本的な作り方

カセット

  • ネジ止め式のカセットを開け、必要長の磁気テープ片を用意して両端をスプライステープで直線的に接合し、リーダーテープを適宜追加する。
  • 左右のガイドローラーとピンチローラーを回る経路でたるみが出ないよう通し、蓋を閉じて手回しでスムーズに走行するか確認する。
  • 実用の目安として2〜8秒程度は扱いやすく、長すぎると絡みやすく短すぎると張力が不安定になりやすい。

オープンリール/二台方式

  • オープンリールではスプライスブロックで端面を斜め切りし、滑らかな接合で輪を作ってデッキのヘッド群とガイドを周回させる。
  • 二台方式(Frippertronics)は、録音機と再生機をテープで物理的に接続し、録音→再生→部屋鳴りや外部処理→再録のフィードバックで長い遅延ループを形成する。
  • 二台の間隔でディレイ時間が決まり、ミキサーの送受レベルで自己発振から穏やかな持続までコントロールできる。

使いどころ

  • アンビエントの持続音、ミニマルなビートの反復、フィールド録音のテクスチャ化、ボーカル・コーラスのパッド化などに適する。
  • 映像・舞台の環境音やサウンドインスタレーションで、時間変化を含む背景層として機能しやすい。
  • 演奏ではフレーズを刻み、上に別パートを重ねて一人多重演奏的に展開できる。

ループ長と時間の計算

コツと注意点

アナログとデジタルの違い

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