トーマス・カーライル
From Wikipedia, the free encyclopedia
近代日本への影響
著作は明治以来多数、日本語訳されて来たが、今日では復刊以外での新本購入は困難である。
『英雄崇拝論』に代表されるように、「世界の歴史は英雄によって作られる」と主張したことで知られるが、彼の言う「英雄」とは歴史に影響を与えた神、預言者、詩人、僧侶、文人、帝王などを指す。
日本語文献では、カーライル没後間もない明治20年代半ば(1880年代後半)に、民友社で平田久『カーライル』が、丸善で石田羊一郎ほか訳『英雄崇拝論』が出版された。同書は詩人土井晩翠訳が、春陽堂で1898年(明治31年)に刊行している。大正期(1912年 - 1926年)には戸川秋骨訳 『オリヴア・クロンウエル』(実業之日本社)が、大正末期に、春秋社で柳田泉訳『カーライル全集(全9巻)』が出され、昭和20年代(1945年 - 1954年)に一部再刊された。(後者の)同時期に神吉三郎訳『ゲーテ論』(育生社)が出されている。
山路愛山、内村鑑三・新渡戸稲造およびその門下生たちの矢内原忠雄・畔上賢造等に多大な影響を与えた。例えば内村鑑三は「後世への最大遺物」において、「勇ましい高尚なる生涯」が「後世への最大遺物」になる例として、カーライルがハリエット・テイラー(友人ジョン・スチュアート・ミルの晩年の内妻)により誤って燃やされてしまった「フランス革命史」の膨大な完成原稿を書き直したエピソードを挙げ、「私はカーライルという人については全体非常に尊敬を表しております」としている。
作家夏目漱石はロンドン留学時に記念館を訪れ、帰国後に紀行文「カーライル博物館」を書いている。初期作品「吾輩は猫である」に、登場人物がカーライルと同じ「胃弱」であることを自慢して友人にからかわれる描写がある。
イギリスなどヨーロッパでは20世紀以降寧ろ時代遅れの印象が強まり反ユダヤ主義的言動はナチスへの影響も含めて批判の的となっている一方、ボルヘスはチェスタトンなどと並んで優れた文学者の一人としてカーライルを挙げている[2] 。
格言
著作
- 衣装哲学(1833年 - 1834年)
- フランス革命史(1837年)
- 歴史における英雄、英雄崇拝、英雄的存在について(1841年)(邦訳:英雄崇拝論)
- 過去と現在(1843年)
- 黒人問題に関する時論(1849年)
- スターリング伝(1851年)
- フリードリヒ大王伝(1858年 - 1865年)
