ハイアール
中国の企業グループ
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概説
主な製品は冷蔵庫や洗濯機などの白物家電、テレビ、エアコン、ラップトップパソコンなどで、世界165ヵ国以上で生産・販売している。グループ全体で2008年度のグローバル連結売上は1220億元(約1兆8300億円[4])。白物家電ブランドマーケットシェアでは2010年時点で世界第1位。冷蔵庫と洗濯機のブランドマーケットシェアも2010年時点で世界第1位[5]。
1984年12月、青島冷蔵庫本工場(青島電冰箱総廠)として創業。西ドイツのリープヘル社との技術提携を経て1991年に琴島海爾集団となる[1](「琴島」は青島の別称、「海爾」はリープヘルの中国語音訳「利勃海爾」の略)。1992年にハイアール(海爾)集団に改称[1]。現在、香港証券取引所と上海証券取引所に上場。
2005年8月、2008年に開催される北京オリンピックのローカルスポンサー(公式スポンサー)となった[2][6]。
2016年1月にゼネラル・エレクトリックの創業時からの基幹事業である家電部門の買収で合意[8][9]、GEブランドの長期ライセンスも取得した[10]。同年6月6日に買収を完了した[11]。
2023年に「全仏オープン」、「ATPワールドツアー」とパートナーシップ契約を締結した[12]。
2024年現在、『フォーチュン』誌が発表した2024年度「フォーチュン・グローバル500™」において、グループの主要会社であるハイアールスマートホームが7年連続でランクインしている[13]。
2025年3月時点で、ユーロモニター・インターナショナルの「Global Major Appliances 2024 Brand ランキング」において、大型家電・ブランド別世界販売台数シェアで 16 年連続、世界 No.1 の認定を受けた。
日本での事業展開
日本においては、2002年にハイアールジャパンセールス株式会社と、三洋電機と合弁で設立した三洋ハイアール株式会社がハイアールブランドの冷蔵庫、洗濯機、エアコンを輸入販売開始。その後、2007年1月に三洋電機が冷蔵庫の製造をハイアールに委託する目的で「ハイアール三洋エレクトリック株式会社」を設立する[14]代わりに「三洋ハイアール株式会社」が3月に解散。
なお、現在のハイアールブランドでの事業展開は、ハイアールジャパンセールス株式会社で行われている。
2011年7月28日、三洋電機はハイアールに白物家電(冷蔵庫・洗濯機、炊飯器など)事業を行う子会社9社(三洋アクア株式会社(現:アクア株式会社)、ハイアール三洋エレクトリック株式会社(後のハイアールアジアインターナショナル株式会社)[15] など)の株式を、約100億円で売却する旨を公式発表した。これにより三洋電機が親会社パナソニックと重複する事業のリストラが推進される。2012年2月、三洋から受け継がれた製品についてはハイアールではなく『AQUA(アクア)[注釈 1]』のブランドで展開していくことを発表した。事業会社は商号変更等の後、2016年よりアクア株式会社に商号を変更し、AQUAブランドの事業を展開している。(AQUAブランドでの展開状況はアクア(企業)を参照。)
ハイアール及び、三洋ハイアールで販売した製品はこれまで、日本国内においては三洋電機サービスが受付窓口となって、家電販売店等では修理受付時、三洋電機製品と同じチャネルで取り扱われていたが、2012年1月1日からは全て自社が受付窓口に変更されることになった[16]。なお、旧三洋および三洋アクア製品の修理等のアフターサービスについては、2012年からパナソニックが行っている。
また、家庭用だけでなく、業務用洗濯機事業も買収し、AQUAブランドで展開。日本国内のコインランドリーでは機器出荷台数においてトップシェアとなっている[17]。
経営モデルと組織文化
ハイアールは、従来の官僚的なピラミッド型組織を廃止し、数万人の従業員一人ひとりが自律的な経営者視点を持つ「起業家集団」への変貌を遂げたことで世界的に知られている。
- 人単合一 - 2005年より、当時のCEOである張瑞敏によって提唱された独自の経営モデル。中間管理職約1万人を削減し、組織を数千の独立した「マイクロエンタープライズ(小微 / Micro-enterprises)」へと解体した。各ユニットは自ら意思決定、採用、報酬決定の権限を持ち、社員は単なる労働者ではなく、自ら事業を興す「起業家(アントレプレナー)」と定義されている[18]。
- プラットフォーム型経営 - 企業を「製品を作る場所」ではなく「起業家を作るプラットフォーム」と位置づけている。この「規模の起業家精神(Entrepreneurship at Scale)」を体現したモデルは、ハーバード・ビジネス・レビューやIMDなどの世界的経営研究機関から、デジタル時代の革新的な組織形態として高く評価されている[19][20]。
不祥事・事件
- 11歳児 感電死亡事故
- 2010年8月16日に江西省でハイアール製の冷蔵庫を開こうとした11歳の女児が感電死した。この事件に関し、ハイアール側は「わが社に責任ない」とし、コンセントの接続方法に不具合があり漏電が発生したと結論付けた。また、ハイアール広報の張鉄燕が「ユーザー側が家庭の電気事情に注意する必要がある」と主張した一方で漏電事故の危険が少ない製品の開発を進めるとした[21]。
- 5歳児 感電死亡事故
- 2011年7月15日に広東省でハイアール製の冷蔵庫を開こうとした5歳の女児が感電死した。亡くなった女児の母親によると、晩御飯の支度を手伝っていた娘が、冷蔵庫のドアを開けた途端に強い電流が娘の体を走り、冷蔵庫に引き寄せられたという[22]。
- 電気炊飯器の発火・焼損事故およびリコール
- 2018年11月から2022年4月にかけて販売された5.5合炊きマイコンジャー炊飯器「JJ-M55D」において、内部ヒーター用リレーの接点不良による異常過熱から製品が発火・焼損する重大事故が複数件発生。2022年10月に約5万2000台を対象としたリコールを発表[23]。しかし、未交換のまま使用を続けたユーザー宅で2024年にも火災が発生している[23]。
- 電気洗濯機の発煙・火災事故
- 消費者庁の重大製品事故として、2002年〜2006年頃に輸入・販売された自動洗濯機18機種・計約33万台輸入において、使用中に異臭がして発煙・発火する事故が報告されている。該当製品は無償点検や部品交換などのリコール対象となっている[24]。
