カナダ太平洋鉄道(CPR:Canadian Pacific Railways)のウィリアム・コーネリアス・ヴァンホーン(William Cornelius Van Horne)が鉄道経営と併行し、19世紀後半から20世紀初頭にかけて各地に建設したホテル・チェーン(CPH:Canadian Pacific Hotels)のうち、滞在型リゾートの目玉として建設された。
1887年、カナダ初の国立公園指定に合わせ建設に着手、翌1888年に開業した。その後、元の木造による建物は1926年の火災で焼け落ちるが、1928年には現在の形に拡張し再建される。1954年には、ロバート・ミッチャムとマリリン・モンローが出演した映画『帰らざる河(River of No Return)』(O・プレミンジャー監督)のロケーションにも使われて有名になった。雪深い冬季には閉鎖されていたが、1968年に全館にわたり暖房設備が施されて以降、年間を通して営業されるようになった。フェアモント社の運営に渡って、新たに温泉施設などが追加されたが、従前の壮大さは失わないまでも、渓谷に面したエントランスとロビーの配置が変更された。この改装について、建築家は「私のホテルを改悪するのか?」といったそうである。
同じ設計家の手になる都市型ホテル「シャトー・フロンテナック」も州都ケベックのランドマークとして有名である。1999年には、CPR系のカナダ太平洋ホテルズ & リゾーツ社(CPHR:Canadian Pacific Hotels & Resorts、本社トロント)が、フェアモント・ホテルズ・アンド・リゾーツ社(Fairmont Hotels and Resorts)を買収、フェアモントのブランドでこれらのホテル経営にあたらせている。