ボール減速機
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ボール減速機の構造としては内外歯車による差動歯車機構の一種に類するが、
- 歯車の代わりに転動体であるスチールボールを介在させ、常時転がり接触によって動力を伝達する。
- 動力伝達部(噛合い部)に予圧をかけることによりバックラッシをゼロにする。
という構造を実現したもの。
スチールボールによる伝達はバックラッシをゼロにし、摩擦が増大することなく軽快に動力伝達ができる構造である。
基本的なこの考え方は、ボールベアリングやボールネジ、あるいはリニアガイドなどにおいても効果を発揮している。
歴史
1985年 世界初の「ボール減速機」の試作に成功
1987年 ボール減速機の商品化及び発売
1988年 第13回発明大賞考案功労賞を受賞
1988年 ボール減速機がアメリカ特許を取得
1989年 平成元年精密工学会賞を受賞
1994年 科学技術庁長官賞受賞
1996年 ボール減速機が日本の特許を取得
2007年 経済産業省「ものづくり日本大賞」優秀賞を受賞
2012年 グッドデザイン賞を受賞
動作原理・説明
ボール減速機では、サイクロイド曲線を応用した減速機構となっている。
2枚の円板にボールを挟み、一方を固定し他方に偏心運動を与えると、ボールは円形の軌跡を転がる。
さらに自転を加えながら公転させることで、固定円板に対してエピサイクロイド(外転)、公転円板に対してハイポサイクロイド(内転)の軌跡を描くことになる。(あるいはトロコイド曲線)
噛み合いは多くの接点で行われ、全てのボールが溝によって位置拘束され転がり接触によってトルクを伝達する。
減速比
減速比は、一方の波数をN、他方をN-2としたとき、N側に公転を与えたときi=2/Nとなり、N-2側に公転を与えたときi=-2/(N-2)となる。
つまり組み合わせの波数差は常に2であり、また装着できるボール数は最大N-1となっている。