コーエンの芸歴は古く、西ドイツで撮影されたスタンリー・キューブリック監督の第一次世界大戦物の傑作『突撃』(1956年)にもエキストラ出演している。また、彼は米国陸軍の大佐が最終軍歴で、ベトナム戦争物の『野獣戦線/オメガ・コマンドー』(1984年/未/ビデオ)では将軍を貫禄たっぷりに演じ、リアリズムの宣伝のために退役大佐としてクレジットに利用された。共演したドン・ゴードン・ベルも元海兵隊員で、ドク・マッコイ(ジェラルド・マッコイ)も退役中佐だった。因みに、彼等と同時代に活動した脇役俳優のデーヴィッド・アンダースンもかつては海兵隊員で、テクニカル・アドバイザーも務めたりもしている。元々はフィリピン自体がベトナム戦争時代から米軍の極東に於ける拠点だったために映画界とは無関係ではない。『フルメタル・ジャケット』(1987年)の鬼教官役で名を成したリー・アーメイも『地獄の黙示録』(1979年)を契機に俳優となり、元軍人の俳優の地位を築き上げた。
大きく肥満した風貌もさることながら、威圧的な台詞の音声から将軍や政府の高官を演じることが多く、腹黒い黒幕的なものが目立ち、さながら米国の山形勲といった所であろう。大佐と言う最終軍歴からして軍隊の酸いも甘いも体験して来たことは想像に難くない。その人生経験からか重厚なバイプレーヤーとして存在を示した。1990年頃からは老齢のためかエキストラまがいの端役が多くなった。