ラウレンティウスは『Glossa palatina』と呼ばれる、グラティアヌス教令集についての注釈集(グロス・アパラタス)を残した。注釈集(グロス・アパラタス)とは、グラティアヌス教令集についての注釈を包括的に記述する注釈集成であり、後述する『Ordinaturus Magister』もこれに含まれる。Kuttnerによってこの作品と『Glossa ordinaria』(グラティアヌス教令集の標準注釈)との間に類似性が見出されている。
『Ordinaturus Magister』とは、1180年ころから作成されたグラティアヌス教令集についての注釈集であり、フグッキオも作成に関わった彼の学派由来のものである。『Ordinaturus Magister』の147の注釈のうち、約三分の一である44の注釈がラウレンティウスの注釈集に変更されることなく記されている。グラティアヌス教令集第1部のD.2 prからD.2 c.6にかけての彼の論評の四分の一が『Ordinaturus Magister』から引用したものであり、さらに四分の一弱のものがフグッキオの『スンマ』から引用したものである。また、D.12 pr.からD.12 c.6への注釈の五分の一の注釈が『Ordinaturus Magister』から引用したものであり、部分的には修正がなされているものの五分の二の注釈がフグッキオの『スンマ』に由来するものである。グラティアヌス教令集第2部のC.1q.3 cc.4,13-15の約半数の注釈も『Ordinaturus Magister』からの引用である。C.27 q.2 c.11 に関しては『Ordinaturus Magister』からの引用は約七分の一に留まるが、三分の一以上がフグッキオの『スンマ』からの引用となっている。