ラプラス面

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ラプラス面(ラプラスめん、英: Laplace plane)またはラプラス平面は、惑星の衛星軌道平面が、その軸の周りを歳差(プレセッション)運動する際の基準となる平均的な軌道平面である。発見者であるピエール=シモン・ラプラスにちなんで名付けられた。

定義

ラプラス面の軸は、以下の2つの軸の間に位置し、それらと同一平面上にある。 1. 惑星の自転軸(赤道面に対する法線ベクトル) 2. 惑星が太陽を公転する軌道軸(公転軌道面に対する法線ベクトル)

惑星が赤道方向に膨らんでいる(扁平率を持つ)ことによる重力摂動は、衛星の軌道を惑星の赤道軸の周りで歳差運動させる傾向がある。一方で、太陽からの摂動は、衛星の軌道を惑星の公転軸の周りで歳差運動させる傾向がある。これら2つの効果が合わさることで、衛星の軌道が歳差運動をする際の中間的な基準面としてラプラス面が生じる。

解説

実質的に、ラプラス面は衛星の軌道歳差運動のポール(極)に対する法線となる平面である。衛星の瞬時軌道面はこのラプラス面の周りを歳差運動し、ラプラス面に対して一定の傾斜角を保つ。

ほとんどの場合、ラプラス面は以下のいずれかに近い位置をとる。

  • 惑星の赤道面に近い場合: 惑星の近くを回る衛星(例:火星の衛星、巨大惑星の内部衛星)。惑星の扁平による摂動が支配的であるため。
  • 惑星の公転軌道面に近い場合: 惑星から遠く離れた衛星(例:地球の月、巨大惑星の不規則衛星)。太陽からの摂動が支配的であるため。

土星のイアペトゥスのように、惑星からの距離が中間的な領域にある衛星では、ラプラス面も赤道面と公転軌道面の中間的な位置をとる。

注意点:不変面との違い

ラプラス面は、しばしば「不変面(Invariable plane)」と混同されることがあるが、両者は明確に異なる概念である。不変面は系の全角運動量ベクトルに垂直な面を指し、系全体で唯一である。一方、ラプラス面は衛星との距離に応じてその向きが変化し得るため、系内の異なる天体ごとに異なった定義となる。

関連項目

参考文献

  • Seidelmann, P. Kenneth (1992). Explanatory Supplement to the Astronomical Almanac. Sausalito (Ca): University Science Books. pp. 327-329. ISBN 0-935702-68-7
  • Tremaine, Scott; Touma, Jihad; Namouni, Fathi (2009). “Satellite dynamics on the Laplace surface”. The Astronomical Journal 137 (3): 3706-3717. doi:10.1088/0004-6256/137/3/3706.

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