パリ大学学生時代はジャン・フランソワ・リオタールやジル・ドゥルーズのもとで哲学を学び、論文「スキゾ分析とサイエンスフィクション」を発表した。後の音楽活動はSF小説や哲学への傾倒から大きく影響を受け、彼による音楽作品はそれぞれ哲学的意味を与えられることとなった。
一学生として哲学を学ぶ一方、すでに音楽活動にも関与していた。いくつかのバンド参加を経て、大学在学中に友人であるフランソワ・オジェらとともに音楽グループ「スキゾ (Schizo)」を結成したが、ピナスが学業に専念するため同年に解散した。グループ名である「スキゾ」の由来はジル・ドゥルーズの著書における「スキゾ(分裂症)分析」の引用であった。リリースされたシングル「Le Voyageur / Torcol」は、バンドの演奏に乗せてジル・ドゥルーズがフリードリヒ・ニーチェの文章を朗読するという内容だった。
1984年にノーマン・スピンラッドのSF小説『鉄の夢』(The Iron Dream)から着想を得て、エルドン(Heldon)を結成。エルドンとしては1974年にファースト・アルバム『エレクトロニーク・ゲリラ』を発表することとなり、フランスにおけるアート・ロックの代表的グループとして名を知られるようになった。
その後もエルドンの中心的メンバーとして活動する一方、ソロ・アルバムを発表し続けた。エルドンの作品はグループとしての演奏をベースにしたジャズ・ロック的要素がいくらかあったが、あくまでもアナログ・シンセサイザーやエレクトリックギターを大胆に利用した実験的な音楽であった。そのエルドンとしての活動の延長線として、ソロ・アルバムはロバート・フリップのギター奏法・音響効果やブライアン・イーノのアンビエント音楽の影響がさらに強まった。
また、ドゥルーズ研究サイトの管理人でもあり、哲学に関する著書を執筆するなど、活動は音楽というジャンルにとどまらないものとなっている。