宗教社会学理論研究と調査研究を行う。
理論面では宗教集団・宗教組織の類型化と類型間移動のモデル構築を行い、『宗教集団の社会学』(北海道大学出版会、2014)に結実させている。M.ヴェーバー、E.トレルチ、R.ニーバーらによるキリスト教準拠の類型論(チャーチ-セクト-デノミネーション論)とは異なる通文化的適用の可能な類型論を、R.スターク&W.ベインブリッジによるカルト論にインスパイアされ、展開したものである。
調査研究面では三つのフィールドで成果を発表している。大都市近郊の民俗宗教の聖地=生駒をフィールドとするのが第一のもので、宗教社会学の会編『生駒の神々』(創元社、1985)の刊行によって脚光を浴びた生駒山系の民俗宗教的営為の、時を経ての変容を活写した『聖地再訪生駒の神々』(創元社、2012)は三木が主導したものである。
第二のフィールドは大震災被災地である。被災によって傷ついた社会で宗教に何ができるのかを主題とした調査からは『復興と宗教』(東方出版、2001)と『宗教と震災』(森話社、2015)が生まれている。この仕事の中で三木が強調したのは宗教の持つ力である。大地震で傷ついた人と社会を癒すために被災地伝来の祭りの力が活用され、新たに巡礼に匹敵する宗教行事が創出されたことを三木は明らかにし、宗教儀礼の力に後押しされて被災者が復興に向け歩を進める姿を描く。また被災者や支援者たちを連帯させる聖なる信念について論じており、それはE.デュルケムによる「人間崇拝」論を援用したものである。さらに『被災記憶と心の復興の宗教社会学』(明石書店、2020)では、被災記憶の継承にあたって慰霊・追悼の行事が重要であること、犠牲者に対して残された者(サバイバー)の抱く罪意識・悔いの感情が慰霊・追悼行動に向かわせることを論じている。これもまた、記憶の継承において発揮される宗教の力に着目したものである。
第三のフィールドは1990年以降に国内に設立されたニューカマーたちの宗教施設である。調査の成果は『日本に生きる移民たちの宗教生活』(ミネルヴァ書房、2012)、『異教のニューカマーたち』(森話社、2017)、『ニューカマー宗教の現在地』(七月社、2024)にまとめられている。イスラームのマスジド(モスク)、台湾仏教寺院、ベトナム仏教寺院、フィリピンのキリスト教系新宗教、南米日系人によるキリスト教会等、三木は幅広く論及している。