本書は1606年(万暦34年)に陳邦瞻によって編纂された書であり、元来6巻編成であったが、明末の張溥が史論を各編の後に加えて27巻に再編したものが現在では広く知られている。清代には『宋史紀事本末』『通鑑紀事本末』と合刻された『五種紀事本末』が刊行され、広く流通した。
本書は元代の重要事件を網羅しておりかつては宋元時代の研究に多く用いられたが、現在では史実の考証や原史料からの引用に問題点がいくつかあることが指摘されている。例えば、文宗トク・テムルの息子グナダラがエル・テグスと改名したことを記さずあたかも両者が別人であるかのように記したり、明代のいくつかの史料によって没年が特定できるココ・テムルについて単に「後終る所を知らず」と記したりする点は、後代の『新元史』などの編纂物に比べ考証が不十分であると評されている。