今上帝の第2皇子である兵部卿宮は、従妹の式部卿宮姫君にかなわぬ想いを寄せていた。ある日、兵部卿宮は式部卿宮姫君によく似た女(按察使大納言女)を見初め、身分と名前を偽って契りを結ぶ。その後、式部卿宮姫君は斎院となり、失恋に嘆く兵部卿宮は右大臣の姫君と政略結婚する。一方、女は右大臣の姫君に女房として出仕し「按察使の君」と呼ばれるが、そこで兵部卿宮と再会して宮の正体を知る。兵部卿宮は按察使の君と忍ぶ仲になるが、按察使の君は悩んだ末に嵯峨野に逃げて出家し、宮の追跡を逃れて栂尾に行き、仏道修行に専念する。