利源分析
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利源分析には、様々なバリエーションが考えられる。まず、対象とする利益を何にするかについては、日本の保険業法会計上の利益以外に、例えば米国会計基準(US GAAP)の利益、その他のあらゆる会計上の利益を用いることができる。また、会計上の単年度の損益ではなく、エンベディドバリュー(EV)のようなバリュー指標を用いることも可能である。次に、保険業法会計であっても、責任準備金の積立方式や計算基礎率について様々な選択がある。例えば、保険料計算基礎の平準純保険料式が例として挙げられる。さらに、利源の区分の仕方は、中間項目としてどのようなものを用いるかによって様々な方式が考えられる。
以下では、決算状況表に定められた、最も一般的な方法について説明する。この手法では、税引前利益が、費差損益、死差損益、利差損益、責任準備金関係損益、価格変動損益、その他損益の6つの利源に分解される。
費差損益
死差損益
予定死亡率と実際の死亡率の差による損益である。第三分野保険等では、予定死亡率以外に、入院や手術等の予定発生率を用いるものがある。これらの契約では、予定発生率と実際の発生率の差による損益も死差益に含む。このことを強調する意味で、危険差益ということもある。
費差損益、利差損益の算式との対応関係からいえば、予定保険金支払から実際の保険金支払を差引いて算出することになるが、損益計算書の項目に中間項目を加えることで計算できるようにするため、予定保険金に相当する金額を逆算的に求めるのが一般的である。すなわち、以下の収入項目から費用項目を差し引いて算出する。
- 収入項目:保険料、再保険収入、年始保険料積立金、年始未経過保険料、予定利息、復活契約の失効時保険料積立金、年始支払備金(解約返戻金、契約者配当金を除く)、最低保証純保険料、特別勘定運営費、変額保険に係る特別勘定調整、変額保険に係る予定事業費修正
- 費用項目:保険金、年金、給付金、解約返戻金(解除分)、その他返戻金、再保険料、予定事業費、解約・失効契約の消滅時保険料積立金、年末保険料積立金、年末未経過保険料、年末支払備金(解約返戻金、契約者配当金を除く)、年始諸積増
項目が多いが、これは、次のように考えると分かりやすい。保険料から予定事業費を引くと、純保険料となる。純保険料は貯蓄保険料と危険保険料に分かれるが、責任準備金繰入額から予定利息を差引いたものが貯蓄保険料である。従って、純保険料からこの貯蓄保険料相当額を引いたものが危険保険料相当額である。この危険保険料相当額が、上の説明の予定保険金支払に相当する。
利差損益
予定利率と実際の運用利回りの差による損益であり、以下の収入項目から費用項目を差し引いて算出する。
- 収入項目:利息及び配当金等収入、金銭信託運用益、有価証券償還益、その他運用収益、年始支払備金(契約者配当金)
- 費用項目:予定利息、契約者配当金積立利息繰入額、有価証券償還損、為替差損、貸倒引当金繰入額、貸付金償却、賃貸用不動産等減価償却費、その他運用費用、固定資産等処分損(固定資産等の売却損を除く)、年末支払備金(契約者配当金)、最低保証純保険料、特別勘定運営費、変額保険に係る特別勘定調整(投資関係)
以上の3利源は、保険料に織り込まれた計算基礎率と実績の差によるものであるのに対し、以下の3利源は、保険料には明示的に織り込まれていない原因に起因するものである。正確には、以下で説明するように、予定解約率と実際の解約率の差による損益はこの限りではない。