塩化ストロンチウム (89Sr)
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塩化ストロンチウム (89Sr)(えんかストロンチウム89、Strontium-89 chloride)は、β線を放出する放射性医薬品であり、固形癌の骨転移巣の疼痛緩和に用いる医薬品である[1]。商品名メタストロン。日本では2007年7月に承認された。1バイアル(3.8mL)中にストロンチウム89(89Sr)を141MBq(検定時点)含有する。投与量は1回当り2.0MBq/kg(体重)である。
2019年2月、製造原料である88Srの入手が困難になったため、製造販売が終了した[2]。
効能・効果
副作用
重大な副作用として、骨髄抑制(血小板減少(14.4%)、白血球減少(13.3%)、貧血(8.9%))が知られている。
そのほか、治験で見られた副作用(計:51.1%)には、火照り(8.9%)、骨痛増加(7.8%)などがある[5]:29。
作用機序
ストロンチウムは周期表でカルシウムと同族(アルカリ土類金属)であり、ヒトの体内ではカルシウムと同様に振る舞う。89Srは悪性腫瘍の骨転移部位の疼痛を緩和する[6][7]89Sr骨代謝の活発な部位に取り込まれ、β線を放出して周囲の細胞のDNAや蛋白質などを破壊してアポトーシスを誘導し、サイトカインの放出を抑制して痛みを和らげ、さらに骨病変の神経圧迫を取り除き、骨膜の展伸を緩和する効果を持つ。89Srでの治療は特に、ホルモン治療抵抗性前立腺癌の患者で効果が高く、麻薬性鎮痛薬の使用量、次回放射線治療までの期間、腫瘍マーカーの低下をもたらした。
89Srは人工放射性同位体であり、有痛性の骨転移のある癌患者では問題となっている骨転移部位(すなわち骨代謝が最も盛んである部位)に選択的に集積して直接β線を照射する[8]。89Srは投与後血中から急速に消失し、投与8時間後の血中濃度は約5%であった[9]。腫瘍の骨転移部位には投与量の3%前後が取り込まれ、10日程度でプラトーに達したあと、緩徐に減少した。正常骨では投与後24時間で最大に達したあと、速やかに消失した[10]。89Srは主に尿中に排泄される。