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大予言/復活の巨神

日本のオリジナルビデオ From Wikipedia, the free encyclopedia

『大予言/復活の巨神』(だいよげん ふっかつのきょじん)は、1992年(平成4年)4月23日に東映・バンダイビジュアルから発売されたオリジナルビデオ[1][2]。100分[1][2]。副題として「SFXスペクタクル・アドベンチャー・ロマン」が付されており[3]、物語は天の巻・地の巻と2部構成となっている。

概要

同年2月にリリースされた『真・仮面ライダー 序章』に続く、東映のSFオリジナルビデオ第2弾[4][5]。東映テレビ部と東映ビデオによる制作だが、同時にバンダイとの提携作品でもあるため、東映VシネマブランドではなくEMOTIONレーベルで発売された[5]。ビデオ作品ながら、劇場映画並みの規模で制作された[1]。

物語の冒頭では、エラスムス・フォン・ロッテルダムの予言を引用しているが、監督の小林義明はこれについて、混沌とした現代社会でエラスムスの『愚神礼賛』の精神を思い出す必要があると考えたことを語っている[6]。

あらすじ

代議士の娘である津島麗奈は、堂本開発社長堂本英樹との政略結婚を進められ、麗奈の恋人である草野謙介は仲間たちと共に結婚式の日に麗奈を連れ出すが、そこへ謎の地底人が現れ争奪戦となる[7]。政略結婚を進めていた麗奈の義母・美也子の正体はレクトリウス星モズ一族のメジーナであり、堂本を王子ジークとして覚醒させ、麗奈を依り代に皇帝レナ姫を復活させようと目論む[7]。

逃亡する謙介たちは、逃げ込んだ洞窟で地底人たちに麗奈を連れ去られてしまうが、ジークの追撃を地底人の長老ボータンに助けられる[7]。謙介らは、ボータンから地底人が700年前に滅びたアンドロメダ星雲レクトリウス星の生き残りでありモズ一族と対立するボー一族であることや、星の顛末とメジーナたちの目的を聞かされる[7]。しかし時既に遅く、麗奈はレナ姫として覚醒し、ボータンはモズ一族の戦士に殺されてしまう[7]。

ボータンの息子である戦士ギャタンに助けられた謙介らは、モズ一族の戦士たちを倒し、レナ姫らを追って槍ヶ岳のストーンヘンジへ向かうが、レナ姫の儀式により大巨神トリスメジスタンが復活する[7]。ジークにより深手を負った謙介は、モズ一族の先祖霊を封じていた魔物の槍でレナ姫を貫いて消滅させるが、自らもまた命を落とす[7]。意識を取り戻した麗奈は、恋人を失った怒りでトリスメジスタンを操り、モズ一族の円盤群を討ち滅ぼす[7]。戦いを終えたトリスメジスタンは消滅し、麗奈と謙介の魂は昇天する[7]。

時が経ち、かつての謙介の仲間たちは、通過する電車の中に見つめ合う謙介と麗奈の姿を見る[7]。

大巨神トリスメジスタン

概要 大巨神トリスメジスタン ...
諸元
大巨神トリスメジスタン
身長4,000 m[8]
体重不明[8]
出身地レクトリウス星[8]
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700年前、レクトリウス星最後の皇帝レナ姫によって地球へ送り込まれたモズ一族の守護神[9][5]。有機物でも無機物でもない霊的な力の集合体であるため、物理的な破壊エネルギーの影響は受けず、破壊されても復元することも可能である[10]。

指先からオーラ状の光線を放ち、モズ一族の円盤群を一撃で全滅させる破壊力を持つ[9]。

津島麗奈に取り憑いたレナ姫によって復活し、レクトリウス再興のため地球人を滅ぼそうとするが、レナ姫が謙介の投げた魔物の槍に貫かれたことで崩れ落ちる[9][5]。しかし、霊魂となった麗奈がモズ一族の円盤に対抗するため復活させ、円盤群を撃ち落とし地球を救う[8][5]。

  • デザインは、村上克司による検討用デザイン案[3]を元に、後述の別企画との折衷案として篠原保が最終的なデザインを仕上げる形とされた[11]。同じく村上によって提示されたアイディアラフでは、当初ナスカの地上絵を元にしていた額の装飾がデザイン作業の進展につれて翼状の意匠へと変化していったほか、検討案などに見られるマントも当初は翼を起点としたものであった[12]。後年篠原が語るところによれば、自身が所属していたクラウド側による案は頭部のみが残り[11][注釈 1]、首から下はほぼ村上によるデザインであるものの、そちらについてもいわゆるスジ彫りであったディテールを、段落ちにまで掘り下げるといったアレンジを加えているという[13]。

登場人物

津島 麗奈(つしま れいな)
代議士の娘。強引な政略結婚を進められようとして逃げ出す[14]。しかし、レナ姫の霊魂に取り憑かれ、体を乗っ取られる[15]。
草野 謙介(くさの けんすけ)
麗奈の恋人[15]。予備校講師[14]。
麗奈の政略結婚を食い止めようとして事態に巻き込まれる[14]。
津島 美也子
津島の後妻で、麗奈の義母[14]。
その正体はモズ一族のメジーナであり、レナ姫の魂を宿した麗奈と王子ジークの魂を宿した堂本の政略結婚を目論む[14]。
津島 孝則
麗奈の父で代議士[14]。美也子の目論見に気づき、堂本との婚約破棄を申し出るがメジーナに殺害される[14]。
津島 清孝
麗奈の弟[14]。美也子のことを怪しんでおり、父を殺害した現場を見て逃げ出すが、ジークに殺害される[14]。
堂本 英樹
堂本開発の若き社長で、麗奈の政略結婚相手[14]。
モズ一族の王子ジークの魂を宿しており、メジーナにより覚醒する[14]。
黒川 俊策
堂本の秘書[14]。その正体は裏切ってメジーナの配下についていたボー一族[14]。
金城 真琴、木崎 光雄、山科 ミナミ、神岡 誠治、富山 雅彦
謙介のバイク仲間[14]。謙介とともに麗奈を結婚式から連れ出すが、誠治は廃校で黒川に撃たれ、雅彦はジークに剣で斬られ死亡する[14]。

ボー一族

レクトリウス星でモズ一族に支配されていた種族[15]。700年前に地球へ逃げ延び、地底で生き延びでいた[14][5]。モズ一族を封じる魔物の槍を持つ[14]。

ボータン
ボー一族の長老[15]。魔物の槍で謙介らを助け、トリスメジスタンの過去を教えるが、モズ一族の剣士に殺害される[14]。
ギャタン
ボータンの息子である仮面の戦士[15]。長槍を武器とし、白馬を駆る[14]。ボータンに代わり謙介らを導く[14]。
  • 企画段階では『宇宙刑事ギャバン』の登場が予定されていた名残で、デザインはギャバンを意識したものとなっている[1]。

モズ一族

レクトリウス星の支配種族[14]。30万年君臨していたが、内乱による核戦争で星を滅ぼす[14]。

レナ姫
レクトリウス星最後の皇帝で[15]、予言者でもある[8]。700年前に地球へトリスメジスタンを送り込み[8]、自らは霊魂となって津島麗奈へ乗り移る[14]。
メジーナ
生き残ったモズ一族の実質的な支配者[14]。津島美也子として津島家に入り込み、麗奈を依り代にレナ姫の復活を目論むとともに、息子のジークを操って皇帝の権力を我が物にしようと目論む[14]。
王子ジーク
メジーナの息子で、レナ姫の婚約者[14]。地球人の堂本英樹として転生しており、メジーナにより覚醒する[14]。
先祖霊
聖地のストーンヘンジに魔物の槍で封じられていたモズ一族の先祖[15]。
剣士ギュッタ
モズ一族の剣士[14]。剣の達人で、飛翔能力も持つ[14]。
  • デザイン時点での名称はゴンザレスであった[1]。書籍『宇宙船別冊ウルトラブックス 平成版最新怪獣超図鑑』ではこちらの名称で記述している[8]。
剣士キャブ
モズ一族の剣士[14]。先端が開く大鎌を武器とする[15]。
剣士ゴンザレス
モズ一族の剣士[14]。キャブとともにボータンを襲撃するが、その後の去就は明らかになっていない[14]。

キャスト

声の出演

スタッフ

参照:[2]

制作

当初は雑誌用の企画として立ち上げられ、雨宮慶太や小林義明らが参加したのち、東映専務の渡邊亮徳によりビデオ作品として進められることとなった[6]。

企画段階では『大巨神幻想'91』というタイトルで、トリスメジスタンのデザインはこの時点で決定していた[1]。そして同時に、『宇宙刑事ギャバン』(1982年、テレビ朝日系列)の登場を想定して書かれた作品でもあった[1][16]。これは本作品が当初、『ギャバン』の10周年記念という要素を含んでいたことに起因したものであり、実際に篠原保によって本作品への登場に合わせたギャバンのアップデート稿も描かれていた[17][注釈 2]。しかし、ギャバンの再登場は諸事情で没となり、紆余曲折を経て前出のギャタンとして結実することとなる[18]。また当初は、浦沢義雄が脚本を担当する予定だった[19][16][17]。

本作品の企画当時、東映に所属していた髙寺成紀は、プロデューサーの吉川進の指示で描かれた、巨神トリスメジスタンのデザイン稿のうちの一枚を篠原がアレンジしたものが、『超光戦士シャンゼリオン』(1996年、テレビ東京系列)になったと語っている[16]が、当の篠原はこの経緯について「厳密に言うと全然違う」と、髙寺の証言とは相違するコメントを残している[20]。篠原曰く、そもそも本作品は当初『スペクトロン』という巨大ロボットものとして、『真・仮面ライダー 序章』以前より先行して進められていた企画であり[21]、この段階では篠原が主人公のアイディアとして提示した、「透明な装甲を持つロボット」という案が生かされ、実際に雨宮によるデザインも起こされていた[注釈 3]他、透明素材やホログラフ印刷を応用した試作製作も行われていたという[21]。この『スペクトロン』は、バンダイが制作に加わったことにより企画そのものが一旦白紙となったのを経て、それとは全く別物の企画である本作品へと変わったという経緯があり[22]、シャンゼリオンのデザインも、「透明な外装を持つ」という点においては篠原の中でも「スペクトロンの雪辱戦」という位置づけにあると考えているものの、前述したようにデザインを転用したということではないと説明している[23]。

撮影は40日かけられ、埼玉県寄居町や高ボッチ高原、大谷石採掘場などでロケが行われた[1]。ミニチュア特撮も2ヶ月に渡り行われ、合成は250カットにおよんだ[1]。特撮監督の矢島信男は、大巨神の巨大感や神のエネルギーを表現するのに苦労したといい、撮り直しも多かったと述懐している[24]。

脚注

参考文献

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