日本では、勢至菩薩が単独で信仰の対象となることはきわめてまれで、多くは阿弥陀三尊の脇侍として造像された。観音菩薩が宝冠の前面に化仏を表すのと対照的に、勢至菩薩の場合は水瓶を付けることが多い。来迎形式の阿弥陀三尊では、観音菩薩が蓮台を捧げ持つのに対して、勢至菩薩は合掌する姿で表される。
中世では、長野の善光寺如来(善光寺式阿弥陀三尊)の摸刻像が盛んに造られるようになるが、この時は、観音と勢至の二菩薩は、胸前で両手を合せる姿で造形される。
京都・
三千院阿弥陀三尊像(手前で合掌するのが勢至菩薩)
奈良・
法華寺蔵「阿弥陀三尊及童子像」のうち、観音・勢至菩薩像(向かって左が勢至菩薩)
浅草寺の二尊仏(向かって左が勢至菩薩)