中国語方言を対象として言語地理学的な研究を進めてきた。
出発点は、南京大学留学中の1980年に江蘇省連雲港地域を対象として実施した現地調査。その後数回の調査を経て同地域に関する一連の論文を公表した。
1989年からは、中国言語地理学の先駆者W・A・グロータース著作の翻訳(1994年邦訳出版、2003年中国語訳出版)を通じて、実践に基づく言語地理学の理論化を図り、国内で研究グループを組織して中国語方言全国地図の作成を開始した。
あしかけ20年に及ぶ共同研究の成果は,2009年及び2012年に『漢語方言解釈地図 The Interpretative Maps of Chinese Dialects』と題する2冊の地図集として公刊された。
2017年にBrillより出版された中国語学辞典でも、「Dialect Geography」, 「Dialect and language Atlases of China」という2項目の執筆者となるなど欧米でも知られている。
1977年から1989年にかけ,東京大学医学部音声言語医学研究施設において、沢島政行教授、廣瀬肇教授、新美成二教授等の指導を受けながら、ファイバースコープや筋電図によって、中国語の子音,声調発声時の喉頭調節を観察した。
中国各地の方言におけるTone sandhi(連読変調)と呼ばれる現象について,中和理論(neutralization theory)に基づく分析を進めている。