建築計画学
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建築計画学(けんちくけいかくがく)とは、建築学の一分野であり、人間の行動や心理に適した建物を計画するための研究とその応用のことをいう。
建築計画学は、環境(空間)に存在する人間(集団)の視点 (people in place) から「建築」空間をいかに「計画」・設計するかを論じる (human-centered design) 学問、すなわち、人間(集団)の行為・行動面からの要求と、空間(環境)性能との関係の調整・創造を設計(デザイン)と捉え、それらの対応関係を明らかにしようとする学問と考えられる。一方、工学としての建築計画学を捉える場合、学問知識の体系として、対象に対する知識 (domain ontology) と方法に関する知識 (task ontology) とが考えられる。すなわち、住宅、集合住宅、福祉施設、病院、学校、劇場・ホール、図書館、地域施設、事務所、庁舎…等の対象とする施設に関する知識としての建築計画学と、設計・デザインをどのように進めればよいかを扱う設計方法論とを考えることができる。
その発祥は20世紀の日本であり、吉武泰水によって確立された。病院・学校・集合住宅・劇場など、大規模で公共性の高い建築物の設計には特に建築計画学的な手法が必要となる。
心理学・数理手法・環境工学・人間工学などとの親和性が高い学問分野であり、行動調査などのフィールドワークやコンピュータによるシミュレーションを用いて、人間行動に即した建築物を計画する。また、歴史的な集落における住まい方なども研究対象となる。
研究と応用の例
実際の建築設計では、以下のような計画を行う。建築計画学の応用として代表的なものを挙げる。
- 規模計画
- 建築物の規模を計画することであり、ここでいう「規模」とは、備品や部屋などの個数のことをさす。例えば、待ちが発生しにくいように手洗いの個数・昇降機の運行などを決定する。手法として、古典的な待ち行列理論、乱数を用いたモンテカルロシミュレーション、吉武泰水の提唱したあふれ率法などがある。
- 寸法計画
- 建築物に含まれる部屋や備品の物理的な大きさを計画することである。人体の寸法や動き、および空間のもたらす心理的な影響を研究した成果が寸法計画につながる。規格化された家具・などについてもこの成果が生かされる。
- 動線計画
- 建築物の中を利用者や備品が移動する経路を動線という。平面計画の工夫によって動線の長短、わかりやすさ(迷いにくさ)が決定される。