微分包含式
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微分包含式とは、常微分方程式の考え方を一般化したものである。
ここで F(t, x) は微分方程式では多次元空間内の点 だが、微分包含式においては集合である。微分包含式は、微分変分不等式 (differential variational inequality, en)、projected dynamical system、クーロンの動摩擦力、ファジィ集合論などの分野で使われている。
たとえば、クーロンによる動摩擦力の法則では、物体の重さを N、摩擦係数を μ とするとき、摩擦力は物体の動いている方向と逆向きに μN という大きさで生じる。しかし、すべりが生じていないときには、摩擦力は平面内で大きさが μN 以下のどんなベクトルになってもよい。したがって摩擦力を位置と速度の関数として表そうとすると、その関数の取るのは値ではなく集合となる。
解の存在を考えるときは通常、F(t, x) が x と 可測なt の半連続 (hemicontinuous または upper semi-continuous, en) な関数で、F(t, x) はすべての t and x について閉じている凸集合であることが前提である。初期値問題
の解は、十分に短い時間 [t0, t0 + ε] (ここで ε > 0) では存在する。また F が発散しない ( as for a finite ) 場合は、大域的な解が存在することが示される。
凸集合でない微分包含式 F(t, x) の解の存在定理は現在、明らかにされていない。
解の一意性を示すには、通常他の条件が必要となる。たとえば関数 において片側リプシッツ条件
をすべての x1 and x2 について満たすような C があるとする。このとき、初期値問題
の解は一意に定まる。
これはミンティ (G. J. Minty) と ブレジス (H. Brezis, en) による maximal monotone operators とも深く関わっている。