教育職員免許状

就学前教育・初等教育・中等教育などにかかわる教育職員に就くための資格要件 From Wikipedia, the free encyclopedia

日本教育職員免許状(きょういくしょくいんめんきょじょう)は、教育職員免許法に基づいて、各都道府県の教育委員会が付与する教育関係職員の免許状である。

教育職員免許状(例)

概要

日本の教育職員免許状は、相当免許状主義が採用されており、単一の「教育職員資格」は存在しない。したがって、教育職員免許状は、幼稚園教諭小学校教諭中学校教諭高等学校教諭特別支援学校教諭など、各相当の教育職員免許に分かれている。この資格がなければ、いわゆる「学校の先生」となることはできない[1]。教育職員免許は生涯有効であり、教育職員免許の更新を必要とする制度は、2022年7月1日で廃止された。

取得・種類

教育職員免許状は、普通免許状・特別免許状・臨時免許状の3つあり、下記でそれぞれ解説する[2]

普通免許状

取得後生涯有効で、有効な地域は全国にわたる。学位や教職課程で単位を取得するか、教員資格認定試験に合格する等して、所要資格を得て申請を行うことで取得することができる。

特別免許状

取得後生涯有効で、授与を受けた都道府県内の学校において有効である。都道府県教育委員会の行う教育職員検定を経て授与される。ただし、授与を受けるには、教員として任命又は雇用しようとする者の推薦が必要であり、教科に関する専門的な知識経験又は技能、社会的な信望、教員の職務に必要な熱意と識見が求められる。

臨時免許状

取得後3年間有効で、助教諭・養護助教諭となることができるものである。授与を受けた都道府県内の学校において有効である。普通免許状を有する者を採用することができない場合に限り、教育職員検定を経て授与される。

教育職員免許の失効・取上げ、無資格者の任用等の禁止

概要

教育職員免許は、教育職員免許法に定められているところにより、下記のいずれかに該当する者は、授与されることがないか、失効または取上げとなる[3]。失効または取上げとなった場合は、勤務地または住所地の都道府県教育委員会に教育職員免許を返納しなければならない。

  • 18歳未満の者。
  • 高等学校又はこれに相当するものを修了しない者。
  • 拘禁刑以上の刑に処せられた者。
  • 懲戒免職となったとき。
  • 法令の規定に故意に違反し、又は教育職員たるにふさわしくない非行があって、その情状が重いとき。
  • 日本国憲法が施行された日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し、又はこれに加入した者。

また、相当の教育職員免許状を有しない者を任命・雇用したり、相当の教育職員免許状を有しない者が教員になったときは、教育職員免許法第22条の規定により、30万円以下の罰金に処せられる。

特定免許状失効者

特定免許状失効者とは、児童生徒に対する性暴力を行った等の理由により、教育職員免許状が失効または取上げになった者をいう[4]教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律の規定により、児童生徒に対して過去に性暴力を行った者が再び教壇に立つことを防止する目的で、特定免許状失効者管理システムが2023年4月1日から稼働中であり、教育委員会や学校法人など教員採用権者が閲覧することができる。

特定免許状失効者管理システムの活用は、教員採用権者の義務となっている。任命または雇用を希望する者が特定免許状失効者に該当する場合、十分慎重に、適切な任命または雇用の判断を行う必要があるとされている[5][6]。特定免許状失効者管理システムには、特定免許状失効者の氏名、生年月日、教育職員免許状の情報、失効または取上げの年月日、失効または取上げの事由、児童生徒に対する性暴力の類型が記録されている。本人が特定免許状失効者に該当するかしないかについて、同システムでは、少なくとも過去40年間に遡って検索することができ、その情報は随時更新されている[7]。しかしながら、2025年12月27日時点においても、未だ特定免許状失効者管理システムのユーザー登録手続きができていない教員採用権者もいるという。これは法律で義務付けられた手続きでありながら、この手続きを適切に実行していない教員採用権者は7割に上る[8][9]

特定免許状失効者に対する教育職員免許状の再授与審査

特定免許状失効者に対する教育職員免許状の再授与審査は、児童生徒に対して性暴力を行った教育職員が再び教壇に立つことはあってはならないという教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律の趣旨に照らして行われる。教育職員免許状の再授与が認められるためには、児童生徒に対する性暴力を行わないという高度の蓋然性が求められ、これを立証する責任は再授与審査に申請した本人にある。また、立証したとしても、児童生徒性暴力等に関する学識経験を有する者で構成する再授与審査会で、原則、出席委員の全会一致がなければ、再授与の議決はできない[10]

脚注

関連項目

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