地球へと向かうロケットにギルという少年が乗っていた。彼は常夏の星ノバルで生まれ育ち、今まで暮らしていた。
海でサーフィンに明け暮れ、心地よい南国の風に酔った日々のことが美しい思い出として頭の中に浮かぶ。
だがそんな思い出もギルにとっては遠い過去であった。ギルの父は建築家であったが、街の公会堂の建設工事で命を落としてしまい、家族はノバルを離れ、父の生まれた地球へと向かうことになったのだ。
地球へと進路を向けるロケットでは多くの子供が明るく振る舞い、ギルの妹も絵本を読み、楽しそうにしていたが、ギルは何かつまらないといった素振りを見せ、物思いに更けるのみであった。
やがてギルは亡くなった父のことを考えるようになり、父が最後に残した「自分の骨は生まれた星に埋めて欲しい」という言葉について妹に尋ねる。
だが妹は父が死んだときの出来事を思い出し、泣き出したため、ギルは必死になだめることとなり、その場の空気も悪くなってしまった。
ギルは黙るが「何故、父はこんなにも素晴らしいノバルに骨を埋めようとしないのか?」という疑問をずっと考えるようになった。
ギルにとってノバルは父の芸術を生んだ街であり、ユートピアのような存在であり、また彼の父もノバルを愛していたことを知っていたのだ。
その後、ロケットは地球へと到着するのであるが…。